5連敗中は52失点…指揮官はファンに「申し訳ない」
屈辱の大敗を喫した後、ミーティングで訴えかける表情は力強かった。打たれまくったことだけではない。「2軍慣れしているように見える」。松山秀明2軍監督には、許せないプレーがあった。
ウエスタン・リーグ首位を走るホークスの2軍は9日、中日戦(ナゴヤ球場)に6-18で敗戦した。先発の岩崎峻典投手は4回1/3を投げ9失点。4投手で計21本のヒットを浴び、無失点で切り抜けたのは2回と7回だけと竜打線の猛攻を止められなかった。2位との“首位攻防戦”だったが、松山監督も「きょうみたいな試合展開になってしまうのはちょっと残念。お客さんには本当に申し訳ないという思いです」と、頭を下げるしかなかった。

3日の阪神戦(日鉄鋼板SGLスタジアム)から5連敗。5試合で52失点と、守備から流れを作れずにいる。この日の敗戦後、松山監督はバッテリーのミーティングに加わり、ナインに訓示した。選手の「評価」に関わる話だ。
“中3日”でミーティングに参加…厳しい口調で伝えたこと
「大量失点や打たれることに関してはピッチャーだけの責任じゃない。バッテリーとして防いでいかないと。調子が悪い中でも、なんとかキャッチャーがいいところを引き出してあげてほしい。それで抑えていくのが仕事なので。そういうところをもう1回、やっていってほしいと伝えました」
5日のオリックス戦(タマスタ筑後)で11失点を喫した後も、投手陣のミーティングに加わっていた。1軍に行くためには「抑え続けるしかない」。白星につなげられるように、指揮官としても手を打っていた。“中3日”での訓示に「状態が良くないピッチャーが多いけど、悪いから打たれていいんですって世界じゃない。悪くてもなんとか抑えていかないと、プロとして1軍にいけなくなる。キャッチャーの技量でピッチャーを助けてあげてくれ、と。それもキャッチャーの評価なので」と指摘は続いた。
さらに松山監督が「2軍慣れしているように見える」と語ったのは、5回1死二塁の守備だ。佐藤龍の打席で岩崎が5球目を投じた直後、藤田悠太郎捕手が投げ返した球が高めに逸れた。岩崎は手を伸ばし、グラブをかすめたが、捕球できず。二塁・中澤恒貴内野手、遊撃・イヒネ・イツア内野手もカバーに入っておらず、ボールは中堅前へと抜けていった。走者は三進(記録は藤田悠の失策)し、直後に佐藤龍には左中間に適時三塁打を許した。
「だから、あんなの完全に隙がある、お互いに。今出ているメンバーは、隙を見せていいメンバーではないんですよ。一番そういうところを大切にしないといけないプレーヤーなので。教育の場として2軍の試合に出してもらっている選手がそういうミスをしているようじゃ、もう出している意味がなくなってしまう」
今宮健太や牧原大成らには見える「当たり前」
指揮官は、1軍でのコーチ経験も豊富。プロとして細かいところまで徹底し、居場所を掴んできたのが今宮健太内野手や、牧原大成内野手らだ。「1軍の選手たちの方がそういうことはしっかりしている。でもそれは、すごいことじゃなくて当たり前のこと。それができていないからこういう試合になる」。結果よりも、姿勢から伝わってこないことが寂しかった。だから許せなかった。
勝率の差で中日が上回り、2位に後退した。「もう1回、今出ている選手たちは自分の立場をしっかり理解してね。試合展開とか、首位争いとか、そこよりもまずは自分がやるべきこと。初心に帰ってやるしかない」と松山監督。残り14試合、ウエスタン・リーグ3連覇を目指す。問われるのは、プロとしての姿だ。
(竹村岳 / Gaku Takemura)