小久保監督も“反省”「いらんこと言わんとこ」 上沢の雄叫び…ベンチでかけた声

ベンチで言葉を交わす上沢直之(左)と小久保裕紀監督【写真:古川剛伊】
ベンチで言葉を交わす上沢直之(左)と小久保裕紀監督【写真:古川剛伊】

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9回は1点差になるも「クローザーには難しい」

 ソフトバンクは20日、西武戦(みずほPayPayドーム)に5-4で勝利した。先発の上沢直之投手が7回2失点で9勝目。その後は松本裕樹投手、杉山一樹投手とつないでリードを守った。打線は山川穂高内野手に20号ソロ、牧原大成内野手に2号ソロが生まれた。同点の7回1死二塁では代打で登場した中村晃外野手が適時二塁打を放ち、これが決勝点となった。試合後、小久保裕紀監督が取材に応じた。一問一答は以下の通り。

――最後は1点差に詰め寄られた。どんな思いで見守っていた?
「全然、3点あるんで。クローザーにとっては一番難しい点数ですから。勝てればいいです」

――7回は一挙3得点。攻撃を振り返って。
「その前の7回表ですね。1点取られていれば、なかなかああいう展開にならなかった。向こうがチャンスを潰した後に、こっちにチャンスが来た。あそこで(中村)晃が見事に打ってくれましたね」

――中村選手の後、野村勇選手も2ラン。
「反対方向にあれだけの打球を飛ばせて、キャリアハイを更新中ですから。今宮(健太)が戻ってきてもスタメンで出続けられる。そういう存在感を示していますね」

――今宮選手が復帰後、初ヒットを含むマルチヒット。
「2軍の試合もずっと見ていました。そんなに心配はしていなかったんですけど。ただきょうの体の張りは、2軍で出続けた後よりすごく張っているということだった。1軍の舞台とは全然違うんだなっていう話はしていました」

――上沢投手が7回2失点、12奪三振。
「最初から飛ばして、しかも状態もすごい良かった。ただランナーが出て、セットポジションになった時が怖いなって話をしていたら、本当にホームランを打たれてしまったんで。あんまりいらんこと言わんとこうと思いました」

――チームは明日移動を挟んで日本ハムと3連戦。
「もうファンの方も楽しみにしていると思うので。ここまで来たら思う存分悔いのない戦い、1戦1戦やるだけです」

7回の大ピンチをしのぎ…上沢にかけた言葉は?

――7回のピンチをしのいだ。
「振り絞ってゼロで帰ってきたことで、流れが来ましたね」

――ベンチでも声をかけていた。
「『よく踏ん張ったね。自分で撒いた種やけどね』って」

――7回は投手を代えずに、そのまま投げさせた。どんな思いで見守っていた。
「あのイニングは、上沢をあげた時点で決着をつけてこいという気持ちだった。点を取られたら代えようと思っていましたけど、それまでは代えるつもりはなかったです」

――中村選手の働き。
「あそこしかないというところで打ってくれた。去年の経験が生きていますし、今年はいろんな役割をやってもらっている。代打には代打、スタメンにはスタメンの役割があるんですけど。よく打ってくれました」

――代打起用が増えてきた中、変わらずに準備してくれている。
「もちろんです。その予定で今年はスタートしましたからね。でも近藤(健介)が守れる時は山川をDHにして休ませたり。しばらくはそういう形でいきます」

――周東佑京選手を休ませて、22日からはエスコンフィールドで日本ハム戦。
「あさってからいけるようにスタメン外れたので。でも思ったよりは反動もなかったし、代打ならいける予定にはしていました」

――山川選手が20号に到達。
「カウント3-1からね。あの方向が増えればもっと量産できると思います」

――牧原大選手が同点ソロ。
「大きかった。効果的なホームランでした」

(竹村岳 / Gaku Takemura)