今宮&川瀬不在の中で存在感 ドラ2庄子雄大の“リアルな評価”、首脳陣が語る魅力と課題

ドラフト2位ルーキーの庄子雄大【写真:冨田成美】
ドラフト2位ルーキーの庄子雄大【写真:冨田成美】

浮き彫りになった課題…「もっともっと練習したい」

 開幕1軍を目指し、アピールを続けている。ドラフト2位ルーキーの庄子雄大内野手が持ち味を発揮し、グラウンドを駆け回る。ショートのレギュラーを務める今宮健太選手は、現在左ふくらはぎ痛で離脱中。同じくショートを守る川瀬晃選手も右ひざ痛から復帰し、2軍に合流した。実績のある2人の1軍復帰が待たれる中で、22歳の新星は存在感を示している。

 7日のロッテ戦(ZOZOマリン)では、8回に代走で出場すると、すぐさま盗塁を成功させた。さらに、1点ビハインドで迎えた9回の打席では、無死一塁の場面でバントを試みたところ、相手二塁手の一塁カバーが遅れ、内野安打に。俊足を生かし、逆転の足がかりを作った。オープン戦が進むにつれ、開幕メンバーが絞られていく中で、首脳陣はルーキーをどのように評価しているのだろうか。

「ああいうのを含めて彼の持ち味。スチールもありましたしね。(川瀬)晃と今宮(健太)が控えているんで、アピールを続けないといけないですよね」

 小久保裕紀監督は庄子のプレーを評価しつつ、レギュラー争いの厳しさを改めて強調した。奈良原浩ヘッドコーチも「投手のスピードだけでなく、相手打者もレベルが上がってくる。これから日を追うごとに1軍のスピード感や打球の速さが増してくるので、ここからが勝負」と、今後直面する課題に言及した。

 相手チームも開幕に向けて調子を上げる中、庄子自身もプロの高いレベルを実感している。「自分の打席では、150キロを超えるストレートにまだ対応できていない部分がある。速い真っすぐに力負けしないことが今後の課題」と自己分析する。8日のロッテ戦(ZOZOマリン)では、中村稔弥投手の140キロのストレートとツーシームに対応できず、空振り三振を喫した。

 それでも手応えを感じる部分もある。「守備や走塁は、少しずつ慣れてきている」と前向きに語る。「シーズンを通じて成長できるように、これからの練習次第で変わってくると思うので、もっともっと練習したい」と、見えてきた課題に向き合い、努力を続ける。

 今宮と川瀬が1軍に合流していない今が、庄子にとってアピールの正念場だ。大西崇之外野守備走塁兼作戦コーチも、「いろいろなプレーができる選手。ベンチ(首脳陣として)も、そういう選手になってほしい」と期待を寄せる。持ち前のスピードを武器に、プロの世界でどこまで通用するのか。庄子の挑戦から目が離せない。

(飯田航平 / Kohei Iida)