柳田悠岐から突然「飯行こうぜ」 新人感激の食事会…小久保監督からのまさかの“プレゼント”

小久保裕紀監督に挨拶へ行く選手たち【写真:竹村岳】
小久保裕紀監督に挨拶へ行く選手たち【写真:竹村岳】

26日朝の出来事…柳田悠岐や山川穂高が「監督ありがとうございました」

 第6クール初日の26日、朝の出来事だった。小久保裕紀監督がグラウンドに姿を見せると柳田悠岐外野手、山川穂高内野手らが次々と挨拶へ。帽子とサングラスを取って「監督、ありがとうございました」と深々と頭を下げていた。

 25日は今キャンプ最後の休日となった。手締めが行われた24日はいわゆる“休み前”。選手たちが食事へと出かけるには絶好のタイミングだ。柳田、山川、佐藤直樹外野手、笹川吉康外野手、リチャード内野手、庄子雄大内野手というメンバーで、ある居酒屋に行ったという。そこが“監督の行きつけ”だった。

 他球団選手のサインも壁には並んでおり、肉も魚も味わうことができる名店。佐藤直がことの詳細を明かしてくれた。「監督がいたわけではないんですけど、僕たちが行くのを知っていたんだと思います。途中で店員さんから『これ、監督からです』って、日本酒をプレゼントしていただきました」。瓶が2本、サプライズで手渡された。「飲みやすかったです」と、その場にいた全員で味わうことになった。

 笹川にリチャード、明るいキャラクターが多い面々。しかし、食事での話題は野球に終始した。佐藤直も「最初に思い浮かぶのは、『練習は絶対にした方がいい』ってことですね。今は自主性(が主流)になっているけど、絶対に練習した方がいい。トレーニングも(自分たちは若さもあって)ポテンシャルがあるから、生かせるようにトレーニングした方がいい、みたいな。そういう話をしていただきました」。柳田&山川から授けられた金言。打撃論や食生活など、ヒントがごろごろと転がっている時間を過ごした。

小久保裕紀監督と挨拶するリチャード【写真:竹村岳】
小久保裕紀監督と挨拶するリチャード【写真:竹村岳】

 偉大な先輩と、初めて食事をすることになったのがドラフト2位ルーキーの庄子だ。第5クール中のある日、室内練習場で体を温めていると、柳田から声をかけられた。「オフ前、空いている? 飯行こうぜ」。飾らず、端的な誘い方に、新人の背筋も伸びる。「断る理由なんてないですよね。ぜひお願いしますと言わせていただきました」と、“二つ返事”だった。

「初めて柳田さん、山川さんと食事をさせてもらって。野球の話もそうですけど、私生活も全て野球につながると考えた方がいい、と話を聞かせていただきました。自分のためになることしかない食事会だったので。1年目で、まだ入団して2か月、3か月しか経っていない自分が、聞いていいのかなっていうくらいの話でした。プラスになることしかなかったので、本当にありがたいの一言です」

 庄子の右隣が山川で、左が笹川。正面に座っていたのが佐藤直だった。記憶に残っているのは野球の話ばかり。興奮した表情で、思い出を次々と語る。

「自分も『フィジカルや、トレーニングは絶対にやった方がいい』って言われました。自分だからというわけじゃなくて、『どの選手もトレーニングは第一優先と言っていいほど、だ』と言っていました。大事だと思っていたんですけど、もっとやってもいいと再認識できるいい機会でした。体のコンディションだったり、いろいろあると思うんですけど、相談しながら、もっとフィジカルをあげていけるようにしていきたいです」

 ちなみに22歳の庄子、お酒はあまり得意ではないという。小久保監督の“プレゼント”は一口、二口ほど味わうなど、6人で瓶2本はしっかり空けた。「飲めないんですけど、ちょっとだけ。(26日の朝に)監督に『日本酒いただきました。ありがとうございました』って言いにいくと『お前飲めるんか?』って言われて『少しだけですけど』っていう会話をしましたね」。先輩たちの心意気がカッコいい。ルーキーの2月、全ての瞬間が大切な糧となる。

(竹村岳 / Gaku Takemura)