侍ジャパン入りは「考えてもいなかった」 大津亮介が明かした心境…繰り返さぬ“失敗”

侍ジャパン初登板を果たした大津亮介【写真:小林靖】
侍ジャパン初登板を果たした大津亮介【写真:小林靖】

先発転向1年目の昨年は7勝も夏場に急失速「課題は本当に明確」

 今キャンプの目玉企画「鷹フルリレーインタビュー」に大津亮介投手が登場です。“お兄ちゃん的存在”と語る津森宥紀投手からは「完璧主義者」と称される26歳。野球日本代表「侍ジャパン」に初選出された驚きや、「明確だった」と話す昨年の反省を明かしました。

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 先発転向1年目だった昨季とは、求められている結果が違うことは理解している。今季の目標は「2桁勝利は絶対。規定投球回ですね」ときっぱり。先発ローテーションを勝ち抜くべく、今オフは1年間を戦いきるための体作りを行い、自信を持ってシーズンに臨む。

 嬉しさよりも驚きが上回った。3月5日、6日に行われる「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」。ホークスの投手では杉山一樹投手とともに侍ジャパンのメンバー入りを果たした。「全然考えてもいなかったです。僕に声がかかるとか思っていなかったので……。せっかく選ばれたので、どこまで通用するか、自分の現在地を知りたいです」と闘志を燃やす。

 昨季は19試合に登板し7勝7敗、防御率2.87をマーク。先発転向1年目としては上々の成績を残したからこそ、侍ジャパン選出にもつながった。一方で「課題が本当に明確」と語るように、後半戦には失速し2軍落ちも経験。“完璧”を求める右腕にとって7勝7敗という結果も、19試合という登板数も、到底納得できるものではなかった。

 昨オフに引き続き、今オフもオリックス・山岡泰輔投手の元で自主トレを行った。先発としてシーズンを過ごしたのは昨年が初めて。夏バテや筋力低下は顕著だった。ウエートトレーニングで球の強さを求めることからスタート。「継続しながら徐々に出力を上げていけるように」と語る。

 強みはゾーン内で勝負ができることだ。昨年、90イニング以上を投げた投手でストライクのゾーン率49.1%はNPBで3位。自身では意識していなかったが、ロッカールームに貼られていた昨季のデータ一覧で強みを理解した。「そこはしっかり今年も継続したい。投げ込めていたのかなっていうのは、去年の結果から見ては思いました」と自信になった。

 先発ローテをめぐっては有原航平投手、リバン・モイネロ投手、大関友久投手がすでに“内定”を告げられている。怪我で離脱しているがカーター・スチュワート・ジュニア投手や新加入の上沢直之投手と浜口遥大投手、さらにベテランの東浜巨投手らと残りの枠を激しく争う形だ。15日の紅白戦では2回6安打2失点と精彩を欠いたが、それも踏まえて順調に調整できている自負はある。

 侍ジャパンに選出され、周囲の期待値も上がる。“絶対”と誓う2桁勝利のためにも、1年間ローテーションを守り切るしかない。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)