突然の余命宣告、シーズン中も週1の面会 戦力外直後に祖父が死去…続けた“恩返し”

  • 記者:飯田航平
    2025.01.01
  • 1軍
現役引退を発表したソフトバンク・古川侑利【写真:竹村岳】
現役引退を発表したソフトバンク・古川侑利【写真:竹村岳】

毎週往復3時間…伝え続けた感謝の気持ち「このままお別れしたら本気で後悔する」

 必死の思いは祖父も同じだった。2024年限りでの引退を発表した古川侑利投手。2024年シーズンはソフトバンクの育成選手として支配下復帰を目指し、必死に腕を振り続けた。だが、その願いは叶わなかった。悔いを残さないために――。自身の置かれている立場を理解し、全力で取り組んできた右腕。その気持ちは大好きな祖父に対しても同じだった。

 戦力外を通告されたのは10月6日だった。現役続行を願い、トレーニングに励む毎日。そんな日々の中で、1本の電話が鳴った。「夜中に『もう危ない』ってなって。福岡から車を飛ばして、嬉野まで行きました」。連絡は祖父が入院していた佐賀・嬉野市の病院からのものだった。

 春季キャンプ中、祖父のがんが分かった。「医師に『桜を見られればいいね』って言われて。言葉にならない感情が込み上げてきました」。幼い頃から“おじいちゃん子”だった古川。楽天時代には佐賀から仙台まで駆け付けるほど、誰よりも応援してくれていた。だからこそ、限られた時間で感謝の思いを伝え続けることを決めた。

泣きながら1人で駆けつけた病院…最期に伝えた「今までありがとう」

(飯田航平 / Kohei Iida)