ベースボールキッズに参加の柳田「楽しくやらせていただきました」
ホークスを代表するスーパースターも、家では3児の父親だ。子育てにおいて、どんなことを大切にしているのか。
ソフトバンクは11月30日、野球教室「ベースボールキッズ2024」を開催した。ファーム施設「HAWKS ベースボールパーク筑後」で子どもたちと触れ合ったのは柳田悠岐外野手。大きな声を出しながらノックを打っていた。「すごく元気で、楽しくやらせていただきました」。年1回の恒例イベント。貴重な交流を、ギータも目いっぱい楽しんでいた。
今季限りで和田毅投手が現役を引退。来季からは36歳の柳田がチーム内で最年長となる。少年少女と笑顔で交流し、「自分の子どもと同じくらいの年の子もいるので。そういうのは、若い時とは違った感じはありますし、勉強にもなります」。キャリアとともに、さまざまな経験を重ねてきた。毎年のオフに迎える「ベースボールキッズ」でも、少しずつ心境の変化が生まれている。
2021年9月には第3子となる男児が誕生した。リーグ優勝を掴んだ今年も全ての戦いを終え、オフを満喫しているところだ。自宅で過ごす時間も増える中で、柳田が「子育て」において大切にしているのは、どんなことなのか。
「話を聞くことです。とりあえず僕に話しかけてくる時は、何かをしていても手を止めて、耳を傾けるように意識しています」
シーズン中、遠征が続くと自宅を空けることが多いのがプロ野球選手。今はパパが家にいてくれて、子どもたちも積極的に声をかけてくるのだろう。「親子はやっぱり信頼関係だと思うので」。些細なことでも聞き流すことなく、変化も成長も見逃さないようにしている。
5月31日の広島戦(みずほPayPayドーム)で右ハムストリングを痛め、約4か月の離脱。52試合に出場して打率.286、4本塁打、35打点という成績に終わった。小久保裕紀監督からは来季もレギュラーとしての起用を明言されているが、「ずっと30本を打てていない。今年なんかはやばいので。もう1度、最低限の数字は残したいです」と油断はない。2025年に向け、どんなオフを過ごしているのか。1日の流れを明かした。
「チャリでドームに来て、ウエートして。昼は嫁さんとランチして、そこからまたトレーニングして。夜ご飯を食べて、早寝早起き。ルーティンですね。ほぼ毎日そんな感じです。たまにゴルフ」
愛妻との時間も大切にしている。若手時代とはフィジカルも大きく違っている。日々の食事がパフォーマンスに繋がるようにも心がけており、ランチでも「やっぱり(体に)いいものを食べないといけないので。そこは僕がチョイスして『今日はこれ』、って感じです」と、日々の一部を明かした。「(午後)11時までには寝ますね、遅くても。(午前)7時までには起きています」。健康的な生活を継続することと、家族を大切にすること。その積み重ねが、必ず来季の成績に結びついていく。
ノックを打ったこの日。野球少年から去り際に「(来シーズンも)頑張ってください!」と声をかけられると「お前らが頑張れ!」と返していた。そして「あ、お前って言ったらあかんのか。うちの子どもにも言われるんよね」とすぐに笑った。質疑応答でも、どんどん質問が投げかけられた。純粋な疑問の一方で、“際どい質問”にも答えながら「変なこと覚え出すのは(小学校の)3年、4年か。知らんけど」。元気で、優しくて、程よく適当。父親であるギータにとっても、発見の多い一日となった。
(竹村岳 / Gaku Takemura)