前田悠伍は「順調にきすぎた」 3回6失点…首脳陣が“挫折”を経験させたかった理由

  • 記者:竹村岳
    2024.10.02
  • 1軍
プロ初登板を果たしたソフトバンク・前田悠伍【写真:竹村岳】
プロ初登板を果たしたソフトバンク・前田悠伍【写真:竹村岳】

「めちゃくちゃいいか、めちゃくちゃ悪いか、どっちかがいいなって」

 首脳陣の願いは、実に明白だった。正しく「挫折」を味わってほしかった。ほろ苦いデビュー戦を全員が前向きに捉えているのは、この経験を糧にできると知っているからだ。

 ソフトバンクの前田悠伍投手が、1日のオリックス戦(みずほPayPayドーム)でプロ初登板を果たした。チームは逆転勝利を飾ったものの、3回6失点で降板。2回に5安打を集められて4点を失うと、3回には2ランを浴びた。試合の中盤からは、ベンチで戦況を見つめていた。「打たれてしまいましたが、2軍では経験できないことを経験できた」。3回6失点という結果に対して、首脳陣は「これでよかった」と言う。その真意に迫った。

 ウエスタン・リーグでは12試合に登板して4勝1敗1セーブ、防御率1.94。9月23日にチームのリーグ優勝が決まると、25日から1軍に合流した。自分自身で結果を残して、掴み取ったチャンスだった。誰もが初勝利を願っていた中で、倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)は「僕は、めちゃくちゃいいか、めちゃくちゃ悪いか、どっちかがいいなって思っていたんです」と明かす。エリート街道を歩んできた前田悠伍への純粋な“親心”だった。

(竹村岳 / Gaku Takemura)