7回126球の熱投…モイネロの“大丈夫”は「信用せんとこ」 小久保監督&倉野コーチの全コメント

ソフトバンク・小久保裕紀監督(左)と倉野信次投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)【写真:竹村岳】
ソフトバンク・小久保裕紀監督(左)と倉野信次投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)【写真:竹村岳】

「自分がプラン組んだことをしっかりやれるかどうか。その積み重ねでしかない」

 ソフトバンクは17日、本拠地・みずほPayPayドームでの西武戦に6-1で勝利し、今季最多の貯金15とした。2回に中村晃外野手、周東佑京外野手の適時打で3点を先制すると、3回には山川穂高内野手、5回には近藤健介外野手が5号ソロを放って追加点を奪った。先発のリバン・モイネロ投手は7回126球を投げて、失点はソロ本塁打の1点のみに抑えて2勝目を挙げた。試合後の小久保裕紀監督、倉野信次投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)のコメント全文は以下の通り。

○小久保監督
――モイネロ投手は7回126球1失点の熱投。
「最後ちょっと、本人は全然へばってないって言っていたんですけど、へばっているように見えましたけどね。でも最後、あのバッターが(塁に)出たら代えようかなと思っていたんですけど、最後しっかり締めてくれたんでね。イニング投げ切れたのは良かったですね」

――打線は中村晃選手の適時打で先制し、ホームランで追加点。
「今日はそうですね、先制した後、周東のヒットがあって追加点。山川のホームラン、近藤のホームランと、効果的なホームランが勝利に繋がったと思いますね」

――藤井投手は失点してしまったが、リリーフへの信頼は変わらない。
「全く変わらないです。皆さんが、ずっと無失点とか書くからね。ちょっと意識するでしょうけど、勝ち切ればいいんで問題ないです」

――明日以降に向けて一言。
「もちろんカード勝ち越しっていうのをね、必ず3連戦のときはそれを目標にしていますんで、明日勝って勝ち越したいというふうに思います」

――流れの中で周東選手の適時打は大きかった。
「あの2点は大きかったですね。あとはやっぱり山川のホームラン、近藤のホームランは効果的だったですね。近藤のホームランなんか、インサイド多分見逃したらボール。1打席もあと数十センチでホームランで、2打席目もいい感じで、3回目打ち直して打ったって感じだったんで。技術の詰まったホームランだったと思いますね、あのインサイドは」

――全部2ストライクからだった。
「今シーズン初対戦のピッチャーで、探りながらというところもあったでしょうけども、さすがです」

――山川選手は10号に到達。
「目標はもっと高いところに置いていると思いますので、どんどん通過していってもらいたいです」

――モイネロ投手は6回まで99球。前回失点していた7回を乗り越えてほしいとの思いだった?
「そういうわけじゃないですよ、別に。ランナー三塁に行っても、5番バッターを三振に取って、先発なんでメリハリつけてやってますから。三塁にいったときにはしっかりギア上げて、っていうピッチングをしていたんでね。でも最後は『全然大丈夫』って言っていたらしいんですけど、大丈夫じゃないように見えたんで、次からそれはあんまり信用せんとこうと思います」

――貯金が15になりました。
「全然(気にしてない)。しっかりスキのない、その日自分がプラン組んだことをしっかりやれるかどうか。もうその積み重ねでしかないんでね。明日のピッチャーも今シーズン初対戦ですよね。しっかり対策を練って、コーチ陣がしっかり指示をしてくれると思います」

――鳥越さんから活動を引き継いだ中村晃選手が先制の適時打。
「鳥越の個人的なところからね。そういう活動がここまで広がって、1人でも多くの方々にそういう情報が届いて、早期発見というところに繋がっていっていれば、彼もすごくそこは嬉しいでしょうからね。まず何よりも、初戦に勝利できたことがなによりだと思います」

○倉野コーチ
――モイネロ投手の評価は?
「球自体はそんなに、勢い自体は、キレ自体はそんなに悪くなかったと思うんですけど、どうしてもちょっと制御ができてない部分が今日はあったのかなというふうに思いますけど、でも十分役割を果たしてくれたんでよかったと思います」

――モイネロ投手が続投を志願した。
「いや、いろいろですね、話しながら。『行きたい』って言っても行かせられないときもあるし、それはもうこっちの判断です。いけないって言うのにいかせることはないけど、いけるっていうのもあったし、それを踏まえてこっちがどう評価して、判断していかせるかどうかなので、決めたのはこっちです」

――カード頭に7回1失点。
「本当にね、100パーセント本調子かと言われたらそうじゃなかったかもしれないけど、こうやって1失点で帰ってくるっていうのはやっぱり能力は高いというふうに思います」

――4四球を与えたが、三振も8つ奪った。倉野コーチから『三振を取ってほしい』と話していた。
「そうですね、いつも投げる前には、追い込んだら三振取るつもりで投げた方がいいっていう話はしているんで。あまり結果は考えていないですけどね。いくつ三振取ったからいいとかっていう評価はあまりしていないです」

――7回に四球を与えたところでも続投させたのは?
「あそこは投げ切ってもらわないと。最悪のケースはいつも想定しているんですけど、あそこはやっぱり投げ切ることが先発としての役割だと思うし、価値だと思う。シーズン終盤だったら、そりゃ代えますけど、今は、どれだけあそこを経験させて乗り越えさせるかっていうところがすごく大事だと思うので。球がバラけてきたから『はい、すぐ交代しましょう』じゃ、僕は成長がないと思うんですね。もちろん、肩、肘、体に問題があったら、そういうわけにはいかないんですけど、バテたところで、あそこを乗り切るのと、途中で交代してっていうのは僕は違うと思います。シーズンの先、進んできたときに違う結果になると思っているので、なるべくチームの状況を含めて、いろいろ考えて、いかせられるところはいかせる。それを無難に代えて抑えてっていうのは、まだ今そういう時期じゃないと思っていますので」

――先発転向にあたっての懸念点は1つ1つ潰れていっている?
「そうですね、今日はまだ話していないですけど、いつも試合の翌日にはフィードバックをしますので、そこでしっかりお互いの感想を言い合いながら、課題を潰していくという作業も常に、もうずっとやっています。他のピッチャーも含めて」

――126球目に150キロ。長いイニングを投げることに慣れてきた?
「そういうことももちろんあると思いますよ。体力的な部分だけじゃなくて、精神的にもイニングを重ねてくるとやっぱり疲れてくるっていうのもあるんで、それも含めて僕はすごく成長していってくれてるんじゃないかなとは思っています」

――成長はどこに感じられる。
「調子の波にあまり左右されずに、とにかく0点で帰ってくるんだっていう気持ちは強いので、マウンドで自分の調子と戦うっていうのはあまりしないので。それはいい部分でもあるし、先発としてこれからやっていく上で大事なことなんで、そこは本人もね、毎試合言うんですけど、1試合1試合、自分は先発投手としては初心者だから、1試合1試合がすごく勉強になっているんだっていうことはね、僕とのフィードバックでもよく話しているんで。そういう謙虚な姿勢というか、学ぶ気持ちっていうのを持ってるのが成長に繋がっていると思います」

――日本人投手を育てているような感覚?
「そうですね、助っ人としてはあまり見ていないですね。スチュワートもそうですし、もちろん日本人と外国人選手っていうと、価値観が違うんで、全部が全部を一緒にはできないんですけど、本当にそういう意味合いはありますね。助っ人外国人選手だから、もう放置状態みたいな、放置はしないですけど、そういうのはまずしないですし、本当に一緒に学んで成長を歩んでいきましょうっていう姿勢は、お互いがありますんで、そういう姿勢はありがたいですよね」

――中継ぎから先発に回ったという意味では大津投手も同じ。大津投手は間隔を空けているが、そこは違う?
「大津よりはまだモイネロの方が間隔を詰めて投げられるというふうに思っていますけどね。大津はまだまだここから力をつけていかないといけないっていうのはありますので。中継ぎであっても、プロで10年ぐらいやってる選手と、それは違うじゃないですか、まだ2年目の選手と。1シーズン、プロ野球で過ごすって、相当な体力とメンタルも必要なんで、そういう意味では、モイネロがかなり上ですよ、それは」

(鷹フル編集部)