佐藤龍は直近6試合で西武打線の中で最も当たっている打者だった
今季初の3連敗を喫した。ソフトバンクは4日、敵地・ベルーナドームでの西武戦に4-5でサヨナラ負けした。延長戦にもつれ込む接戦となり、最後は津森宥紀投手が延長10回2死満塁から外崎にサヨナラ適時打を浴びた。
シーソーゲームだった。初回に1点を先制するも、2回にモイネロが失策に4安打を集中されて3点を失い、逆転を許した。4回に三森大貴内野手の適時打、7回に柳田悠岐外野手の犠飛で同点に追いついたが、その裏にモイネロが勝ち越し点を献上。それでも8回に相手の悪送球の間に、再び同点に追いついた。
延長10回、4番手の津森は先頭の金子に四球を与えると、源田に中前安打を浴び、無死一、三塁に。ここでベンチは若林を申告敬遠し、満塁策を選択。狙い通りにアギラーを三ゴロ併殺打に打ち取り、2死一、三塁とした。続く佐藤龍に対し、ベンチは再び申告敬遠。外崎との勝負を選び、サヨナラ打を浴びた。
なぜ、2死一、三塁で佐藤龍を歩かせたのか。小久保裕紀監督は試合後に「佐藤（龍）がいま状態がいいんでね。だったら外崎の方がいいじゃないかって。普通じゃないですか？」と語る。
確かに佐藤龍は直近6試合で打率.278をマークしており、西武打線で最も当たっている打者で、前日も二塁打2本、そしてこの日も1打席目に安打を放っていた。一方の外崎はここ6試合で打率.105。前日はスタメンを外れており、この日も4打席ノーヒットと当たっていなかった。
押し出しのリスクもある満塁だが、どこの塁でも封殺をできるため、守備側にとっては守りやすくなり、塁を埋めるのは戦略としては定石。結果的に津森が決勝打を打たれはしたものの、小久保監督は「1年間、無失点のピッチャーなんていないわけなんで。どこかで取られるのが、今日やったというだけの話。ピッチャーは悪くないです」と淡々としたものだった。
強力な先発投手陣を擁する西武を相手に苦戦を強いられることを小久保監督は覚悟していた。開幕から6連勝したものの、「西武戦自体をポイントにしてるんで。12試合を6勝6敗だったら御の字だなっていう中でこうなるのはわかっているんで」と、ある程度の黒星は織り込み済み。慌てず騒がず。シーズン序盤の戦いを進めていく。
（福谷佑介 / Yusuke Fukutani）
