大津亮介の6回続投は「成長のためも考えて」 小久保監督&倉野コーチのコメント全文

ソフトバンク・小久保裕紀監督(左)と倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・小久保裕紀監督(左)と倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)【写真:荒川祐史】

「プロのローテで軸になっていくには、スタミナが明確な課題」

 ソフトバンクは4日、本拠地PayPayドームでのロッテ戦に8-1で大勝した。大津亮介投手は初回に先制を許すも、6回を8安打1失点で先発として初勝利。打線は初回、山川穂高内野手の2点二塁打で逆転すると、近藤健介外野手の今季初本塁打などで大量6得点。7回はドラフト5位ルーキーの澤柳亮太郎投手、9回は同2位の岩井俊介投手が無失点に抑えた。試合後の小久保裕紀監督、倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)のコメント全文は以下の通り。

○小久保裕紀監督
――先発の大津投手はいかがでしたか。
「初回6点取った後で、ピッチャーはすごい投げにくい展開だったんですけどね。ランナーは出しましたけど、ホームに返さず、初登板初先発、非常によかったと思いますね」

――どのあたりが良かった?
「球種の多いピッチャーなんで、横から見ていたら何を投げているかわからないんですが、低めに集めるところは集めながら、真っ直ぐで押すところは押して、チェンジアップも有効的に使って、ヒットは打たれましたけど、連打を許すことなく、粘り強く投げてくれましたね」

――投げ終わりには笑顔で迎えられていた。どんな言葉をかけた?
「ナイスピッチングっていうのと、最後ちょっと100球超えてしまったところで、少しへばりましたんで、彼の課題はスタミナっていうのははっきりしてるんで。これからプロのローテーションの中で軸になっていくには、スタミナをつけるというのが明確な課題だと思います」

――初登板の投手たちも続いた。
「若々しいですね、ボールも年齢も、はい」

――打線は初回から打者一巡の猛攻でした。
「今日は何もしてないんで、見ているだけでしたけど、初回にうまく繋がってくれたおかげで試合をすごく楽に運ぶ事ができましたね。ちょっと僅差のゲームで主力を休ませる機会がなかったんで、今日も山川は8回まで出しましたけど、柳田、近藤あたりはちょっとだけ、今週6連戦なんでね、あれで休めたかどうかわかりませんけど、少し早めに下げられました」

――初の2桁安打で明日にも繋がる。
「もちろんです。ただ明日からまたしばらくPayPayドームには帰ってこないんでね。ホームゲームで熊本、北九州がありますけど、相手のところで勝って、またPayPayドームに帰ってきたいなと思います」

――6試合目にしてスカッとする勝利。
「そうですね、今日は使えるピッチャーが限られていた中で、僅差だともっと緊張したんでしょうけど、比較的余裕があるところで初登板のピッチャーたちが伸び伸びやってくれたんじゃないかなと思いますね」

――ワクワクして見たい、と。
「2人とも、あと杉山も先頭バッターにツーベースは打たれましたけど、今年の2月のキャンプからの伸びというか成長がそのまま出たピッチングだったと思いますよ」

――ルーキーは2人ともボールなし。
「そうですね。僅差のところで行っても、あのぐらい投げられるのであれば、将来的には勝ちパターンというのは十分考えられるピッチャーたちだなというふうに感じましたね」

――初回の柳田選手や、4回の周東選手の走塁が素晴らしかった。
「走塁に関してはね、ホークスの1つの武器というか、チーム全体、4軍まで含めてやる決め事もありますんで、その辺は1軍選手がしっかり手本を示すのは当然ですね」

――近藤選手に一発。
「昨日のセンターフライもそうなんですけど、(2022年までの最多が)11本の選手が、26本のキャリアハイになった中で、どうしても自分でもホームランを打てるというものが芽生えてきた時に、手応えあるヤツが入らないと打撃っていうのは崩れるんですが、彼に関してはそこは心配ないかなと思いつつ、ただやっぱりホームラン打て出した自分が、しっかりホームラン打てたっていう結果によって結び付くこともあると思うので、キャンプからシートバッティングから全部含めての1号だったので、ホッとしたんじゃないですか」

○倉野信次投手コーチ
――大津投手は彼らしいピッチング。
「そうですね、連打を打たせず、毎回ヒットは打たれましたけど、先発として十分役割を果たしてくれたな、というふうに思います」

――粘って粘ってゼロを重ねるのは先発として大事な要素。
「本当その通りだと思います」

――チェンジアップで空振りを取れた。
「そうですね。1番の球種だと思いますし、それをどう生かしていくかっていうところも含めて、ですね」

――5回の時点でオープン戦の時よりも球数を投げていた。続投を決断した理由は。
「それはもう先発として成長していってもらいたい、ただ今日勝つだけではなくて6回を投げ切るのと、5回で降りるのでは、同じ勝利投手であったとしても、やっぱり違うので。大津の成長のためも考えて、もちろん試合の展開とかを度外視して、選手の成長のためだけに決めるということはないんですけど、それも含めて条件が合ったので、まだいけるという判断で続投しました」

――点差があったのはもちろんですが、その1イニングは全然違う?
「全然違いますね。やっぱり先発って5回投げ切るのと、6回投げ切るのでは、全然気持ちも変わるし、6回1失点で勝ち投手になったというのは大きな自信になると思うんで、そういった意味でもすごく今日は良かったなと思います」

――中継ぎのときよりもテンポが早くなった。
「それはもうキャンプからずっとやってきています。キャンプで見て、これは中継ぎのテンポだなと思ったので、もう常々そういう話はキャンプの時からしています」

――和田さんのアクシデントで6人目に入ってきた。今後の彼の起用は?
「まだ投げるところは分からないですけど、先発として、常にバックアップしていくということにはなります」

――開幕ローテの6人がいいピッチングをしてくれた。
「いやもう本当にキャンプから競いながら、開幕して、すごくみんなが高いレベルで競争してくれた結果が、この開幕の6試合の内容というか結果に繋がったと思うので、1周目というかスタートにしては良かったと思うんですけど、これからが大事になってくるので」

――先発が課題と言われて始まったシーズン。“倉野効果”がある。
「いや僕の効果とかはないので。みんな選手もその気になって頑張ってくれているし、他のコーチもしっかりアプローチしてくれているんで、僕は本当にマネジメントするだけなので」

――ルーキー2人もストライクをどんどん投げ込んだ。
「杉山も含めて今日最後に投げた3人というのは本当に成長した姿を見せてくれて、本当に僕はベンチで見てて嬉しかったし、頼もしかったですね」

――今後は点差が開いていない場面でも。
「もちろん、そのために今日は最初から投げる、今日はどんな展開でもあの3人は投げていたと思うので」

――順番は何か意味があったんですか?
「もちろんあります。それは全部は言えないですけど、その順番も含めて、試合前から監督、コーチ含めて、何パターンもいろんなシミュレーションをしていますので、そのシミュレーション通りというか、期待にしっかり応えてくれた選手は見事だったなと思います。僕としてはもうちょっと僅差で見たかったっていうのはありますけど、欲を言えば、ですね。ただそんなこと言ってられないので、今日は本当に昨日、ああいう悔しい負け方したんで、今日はみんなが噛み合ってというか、今日の結果に対してはすごく良かったなと思っています」

――長谷川投手が昇格。枠の関係で誰か外さないといけない。
「明日、1人抹消しますので」

(竹村岳 / Gaku Takemura)