保留した柳町との交渉内容は? 近藤は「さらにすごいと思った」 三笠GM一問一答

契約更改交渉に臨んだソフトバンク・近藤健介【写真:藤浦一都】
契約更改交渉に臨んだソフトバンク・近藤健介【写真:藤浦一都】

柳町達は保留、近藤健介は5億5000万円でサイン…三笠杉彦GMが明かす評価

 ソフトバンクは15日、柳町達外野手と近藤健介外野手の契約更改交渉をPayPayドームで行った。柳町は保留、近藤は5億5000万円(金額は推定)でサインした。終了後、三笠杉彦GMが取材に対応。柳町との交渉について言及した。また「期待以上」「さらにすごいと思った」と、フロントの目から見ても際立っていた近藤のすごみとは? 三笠GMのコメントを一問一答で掲載する。

――柳町選手は保留となったが、話し合いとしては。
「保留で本人からコメントも出ていると思いますけども、僕らも評価しているんですけど、評価のレベルというところで、まあちょっと……という感じです。僕らにとっても1年に1回で、当然契約の話は彼にとっても重要な話ですので、そこはまた話す機会を持って話ができれば」

――今季の働きについてはどう見ていましたか。
「出塁率(.375)の高い選手ですし、外野の一角を担ってくれたというところ。四球の率も高いですし、そういうところを高く評価しています」

――近藤選手は、数字的にも長打が増えたことに手応えを感じていたが、球団としてはいかがでしょう。
「活躍を期待して来てくれたので、期待通りなんですけど、正直いうと期待以上の活躍をしてくれたと思います。あとは本人も、今日は言わなかったですけど過去に言っていたのが、WBCであれだけ主軸としてやっていたので、序盤は結構体調的にも、調子も厳しい時があったという話をしていた。その後の活躍が目を見張るものだったので、忘れがちですけど、開幕してしばらくはなかなか、出塁はしていましたし、彼なりの能力を発揮していましたけど、なかなか調子が上がらないという」

「そういうところも含めて最終的にはああいう成績を残してくれたというのは大変ありがたく思っていますし、来年も期待したいと思います」

――全試合に出たことは球団としても評価した。
「そうですね。大変感謝していますし、その中で優勝に届かなかったところは、本当に大活躍をしてくれた彼らに申し訳ないといえばあれなんですけど、彼らの活躍を生かしてチームの結果に結びつけていくことが我々としても課題ですし。今年以上の成績を残してくれというのはなかなか酷ですけども、衰えるような年齢ではないと思うので、さらにパワーアップしてチームの方もサポートして、ぜひ来年はみんなでいい思いをしたいという話をしました」

――近藤選手について、査定やフロントの目線で、ホークスの選手になったから感じたすごみはありますか。
「数値的な能力としては出塁率の高さは前々から評価をしていました。通算の出塁率も4割(.415)を超えている。そういう力は前からあったというところですけど。さらにすごいと思ったのは、自分の課題とかを見つけて、今年は長打力が上がった。そこって、ご自身がモデルチェンジをしたのもありますし、彼の考えの中では本拠地球場も変わったので、そっちの方が効率的だというところでモデルチェンジをして、さらに結果を出した」

「高い技術力と自分のメカニクスに対しての理解力だとか、変えていく力がものすごく高い。そういう能力が高いことは高く評価しています。そういうところは若い選手が、柳田選手や中村晃選手ら、うちで育った選手を参考にするのもありますけど、近藤選手が来たことで近藤選手の考えや取り組みをホークスの若い選手が見て、参考にしていく部分も大きくあったと思います」

「ご本人のパフォーマンスだけではなくて、ホークスの若い選手にも非常にいい影響を与えていると思います」

――小久保裕紀新監督も、長打を増やそうと思って増やすのは難しいことと言っていましたが、編成面の目から見てもすごいこと。
「結果で出ているので、すごいということだと思いますよ。僕は実際にプロ野球選手ではなかったので、小久保さんの実感と僕らがコメントするのは全然レベルが違うと思いますけど。それは過去を見ても、長打力を上げていくとか、自分が持っている特徴を変えることで今までの持ち味が消えてしまうことは、一般論としてありますし、野手も投手もそういう失敗をして元に戻るケースは多々あると思います」

「そういう意味でも、持ち味である出塁率を維持しながら、長打力を上げるということに成功したのは素晴らしいことだと思います」

――前監督である藤本博史氏が「球団統括本部付特別アドバイザー」に就任した。仕事の内容としては。
「特別アドバイザーという肩書きで、2年間監督で、ファームの監督コーチを長く努められた方ですので。そういう観点で編成とかスカウティングのところで、特にバッター中心で見ていただいたり」

「それこそコーチになられる前もそうですけど、我々の野球振興の活動に共鳴していただいて、いろんな活動をしてもらっていましたので、その時の経験と監督コーチの経験、僕らは今年『ホークスメソッド』をジュニア向けに出してですね。僕らとしてはどのくらい行けるかわからないですけど、トップチームとジュニアの指導で、芯を持って統一してやっていくことを目指していますので、今までの藤本さんの経験を生かして野球振興だとか、ジュニアの育成というところでアドバイスをいただきたいと思っています」

「あとはちょっと、まだ具体的な形とか本当にやるのか決まっていないのであれなんですけども、OBの。我々は南海、ダイエー、ソフトバンクと(親会社の変遷が)あって、本拠地も大阪と福岡で、今OB会って存在していないという状況なので。そこら辺も話をした時に、何かしらの形にすると。OB会を作るという話ですけど、OB会ってOBが作るものですので、球団もサポートしますけど、OBが作りたいと言って球団もサポートをするということ」

「OB側の方としてもご活躍していただけることがあるかなと思っていますので、幅広く活躍していただければ。球団の仕事しかしないという契約ではないので、解説とか他の活動もしていただきながら、今言ったようなことについてご活躍していただければ」

(竹村岳 / Gaku Takemura)