完封勝利の森唯斗を「若い選手は参考にしてほしい」 小久保裕紀2軍監督のコメント全文

ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:竹村岳】
ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:竹村岳】

「無失点やったら完封させようと。さすがに代えるのは失礼」

 ソフトバンク2軍は27日、ウエスタン・リーグの阪神戦(タマスタ筑後)に7-0で勝利した。先発した森唯斗投手が初の無四球完封を成し遂げた。コーナーを丁寧に突き11奪三振。三塁を踏ませない投球を披露した。打線は2回1死一、三塁から仲田慶介内野手が中前へ適時打を放ち先制。3回1死一、三塁から井上朋也内野手の3ランなどで得点を重ねた。打線は10安打7得点。試合後の小久保裕紀2軍監督の一問一答は以下の通り。

――森唯斗投手が無四球の完投。
「今日無失点やったら、完封させようと。9回行かそうと思ってたんで。尾形も投げさせたかったんですけど、さすがに代えるのは失礼ですね」

――8回には「行くぞ」と声をかけた。
「そうそうそう。ちょっと、その前に点を取られていたら、尾形を『もう1回投げさせた方がいい』っていう話だったんですけど、今日の試合前に『行けるとこまで行くから』って言ったら(森が)『完投か完封か、全部投げます』みたいなことを言っていた。『尾形も投げさせてくれ』って言ったら『じゃあ僕、尾形のリレーで』って言われて、1人で投げてしまいました」

――森投手は先発として順応してきた?
「そうですね、今日はコントロールがよかったことが1番だと思う。スピードで圧倒するタイプではないんで。今日は本当に変化球を含め、真っ直ぐもコントロールが良かったからですね。あれだけ低めに集めながら」

「あとインサイドの使い方が上手いんで。あの辺は若い選手は参考にしてほしいですね。インサイドに投げられれば成功しそうなピッチャーって結構いるんですけど、ほんとみんなインサイドに投げられないんで。そこは上で活躍するために、当てて怖いのとか嫌なのはわかりますけど、それで飯食えなくなるんですからね」

「あのくらいインサイドを投げられるピッチャーを作らないと、僕らは上で勝負させられないなと改めて思いますね。僕らの時はガンガンきとったけどね。3球連続でインコースとか、どの試合を見てもほとんどいないからですね」

――海野隆司選手のリードが良くなった?
「最近冴えてますね。最近って言ったら怒られるかもしれんけど、一昨日も良かった。最近スチールも刺していますしね。ずっと続けてほしいというか。元々2番手のキャッチャーなんで、今はまた順位が落ちて、4番手ぐらいになってるから。6番手ぐらいまで落ちたんで、また上がってきました」

――笹川吉康選手は4軍戦から戻ってきて即スタメン。
「バッティングはちょっと良くなってきてますね。追い込まれた後は、明らかにか去年までと違うんですけど。『あれ(2ストライクからのアプローチ)を若いカウントからしろ』って言ってるんですけどね。井上がホームランを打ったからね。『同期のドラフト1位が打つと力みまくるよ』って言ったら(3回1死で)あんなライトフライなんで。手に取るように行動が分かる」

「あの打席でもコンパクトに振ったら、結果、彼は(スタンドに)入るので。ずっと言っているんですけど、2ストライクアプローチは明らかに変わりました。小川4軍監督も『だいぶ変わった』って、今日の朝言ってましたんでね」

――追い込まれるまでのフルスイングが良くない?
「あんなに振らなくても飛ぶんで、彼は。振りすぎなんですよ。それを抑えるために今年はいろんなことに取り組んでいるんですけど、大きいのを狙いに行った時はオーバースイングですね」

――「iPitch」を導入して変わった?
「そうですね。あれを使いたい選手が増えてきているんですよね。実際、その日の対戦ピッチャーのデータを入力して、それを見てから入る、打ってから入るっていう選手が増えてきているんで、有効活用してるなという感じはしますね」

――打撃練習は打ちやすい球で形を作った方がいい選手もいる?
「それはメインのフリー打撃でいいのでね。そこでもファームは、変化球と直球のミックスは絶対入れさせているので、あまり気持ちよくフリーはさせてないですね。したかったら1人でマシンで打てばいいと思う」

――練習の中でしっかり対応する。
「もう(連戦の)初日は普通に打たせていますけど、ミックスは入れるんで。2日目は半分はチーム打撃、3日目は1か所で走者がメイン(になる打撃練習)みたいな感じなんで、打ちたかったら勝手に打ってと言っている」

――森投手は試合後に声をかけたりは。
「話しましたよ。ナイスピッチングって」

――スイッチヒッターの仲田慶介選手が右打席で猛打賞。
「右打席がだいぶ良くなったので、左投手の時に左打席で打つと弱気なこと言わないくらい、右打席での打撃が良くなりましたね。大事なところで打ったんじゃないですか。サヨナラの場面とか、次の1点を欲しい時とか、欲を言えばキリがないんですけど(笑)」

――8回2死二塁から、川原田純平内野手が代打で適時打。
「あいつに関しては、低いボールを打たせに行く。チームとしては高めを打っていくと言っているけど、あいつだけは低いのでいいっていう。高めを打ってもヒットにならない。西尾も一緒なんですけどね。力のない子は低めを打ちに行くということ。それがだいぶバットに引っかかるようになってきて、バットを短く持たしたり、ちょっと寝かしたりね。打率.150ですからね。でも最近ちょっと変わってきましたね」

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)