NPBとMLBにおける“データ活用”の違い 吾郷チーフアナリストが語る「日本だと難しい」理由

  • 記者:竹村岳
    2023.06.20
  • 1軍
ソフトバンクの戦術を託される吾郷伸之チーフアナリスト【写真:竹村岳】
ソフトバンクの戦術を託される吾郷伸之チーフアナリスト【写真:竹村岳】

野球の世界で究極の「10割」を達成することは可能なのか?

 現代野球において欠かせない仕事となった「スコアラー」。データ面からチームを支え、選手をサポートしている人たちだ。ソフトバンクの吾郷伸之チーフアナリストはスコアラーという役割を「数字の“通訳”です」と表現する。さまざまな数字がプレーの中で絡んでくる野球において「10割」を実現することは、将来的にできるのだろうか。

 投手ならスピードガンに始まり、今では「ラプソード」という機器を用いて回転数や回転軸まで数値化される。これまでは曖昧だった選手の「調子」が数字で可視化されるようになった。野手なら「トラックマン」を用いて、打球速度やスイングスピードを計測できる。数値やデータの面からアプローチを考えていかなければ、現代の野球には置いていかれる。そんな時代だ。

 AIと呼ばれる人工知能が、野球界にまで手を伸ばしてくることは、そう遠くない未来だろう。「確率のスポーツ」と呼ばれる野球で、AIやデータを用いれば、誰もが目指す「10割」を実現することはできるのか。結論から言うと、吾郷チーフアナリストは「できないと思う」と言う。その理由に迫った。

(竹村岳 / Gaku Takemura)