離れたからこそ強まった1軍への“飢え” 「やっぱりいいところ」高橋純平の現在地

ソフトバンク・高橋純平【写真:竹村岳】
ソフトバンク・高橋純平【写真:竹村岳】

高橋純平がA組に合流、最速149キロで1回無失点

 ソフトバンクの高橋純平投手が14日、B組からA組に合流して紅白戦に登板した。最速149キロを計測して、1回無失点。今春のキャンプでB組からA組に選手が合流したのは初めてだっただけに「A組でサバイバルという印象が選手の中でも強いんですけど、そうじゃないんだぞっていうのを、僕がいい流れを作りたいです」と意気込みながら、結果を残した。

 5回からマウンドに向かった。まずは野村勇を見逃し三振。牧原大には鋭い当たりも左飛に仕留め、柳田だ。最後は大きく変化球が浮いてしまい、四球に。ホーキンスを迎えて、空振り三振で登板を終えた。「もともと課題は球威じゃなくてコントロールなので。四球1つというのは重く受け止めています。変化球も浮いたりしたので」と反省しながら内容を振り返った。

 昨季は1軍登板なしに終わった。2019年には45試合登板を経験したが、当時は4年目。高橋純自身も結果を残したが、そこには若さや、描くであろう成長曲線への期待度もあっただろう。今季はもう8年目。“使ってもらう”のではなく、“使わせる”を目指さないといけない立場になった。少し年を取り、自分の現在地も理解しているつもりだ。

「19年っていうのは若さ込み、ドラフト1位でも入団させていただいて、期待していただいているのを込みで。伸び代も込めて呼んでもらったと思うんですけど。今はそういうわけにはいかないので。頑張らないと、実力でつかむしか上がる手段がないので。1個1個のアピールを大事にしていきたいです」

 今回は「参加」という形で、今後は再びB組に戻る。長らく離れてしまっているからこそ、1軍の舞台への“飢え”も強くなるばかり。まずは2021年以来の1軍登板へ。アマチュア時代から浴び続けたスポットライトを、今もう一度求めている。

「1軍はハイレベルの野球と何回投げても感じさせられますし。そこで挑戦したい気持ちは強いので。やっぱり1軍っていいところだなって、今日1日ですけど思いました」

 爪痕は残した。成功も挫折も味わった高橋純なら、この競争だって超えていける。

(竹村岳 / Gaku Takemura)