千賀滉大と変わらない屈指の“ある数値” 大関友久が沢村賞を「本気で目指す」理由

自主トレを行うソフトバンク・大関友久【写真:米多祐樹】
自主トレを行うソフトバンク・大関友久【写真:米多祐樹】

チームとしては2012年の攝津正以来の沢村賞へ

 明確な目標が自分を突き動かす。ソフトバンクの大関友久投手は今季の目標に「あまり決めすぎたくはないですけど、沢村賞を狙います。高い目標ですけど、本気で目指そうと思います」とキッパリと言い切る。入団会見で色紙にしたためた“夢”を今季は「狙う」と誓う。そこまでの道のりもはっきりと見据えていた。

 今オフはファーム施設「HAWKS ベースボールパーク筑後」で自主トレを行っている。テーマに掲げているのは球速アップ。「(昨季の)シーズン中のブルペンよりは今の方がスピードは出ている」とすでに効果を感じているところだ。自分自身に、さらなる球速アップの可能性を感じたのは筋肉量の数値だった。

「筋肉量を測っていて、チームの中でもかなり高い方だったんです。千賀さんとかとそんなに変わらないし。と考えると筋肉をうまく使えていないというのが一番伸びしろがあるなと」

 測定した筋肉量が、このオフにおける取り組みの明確な道標となった。最速164キロを誇り、今季からメジャーリーグに挑戦する千賀に匹敵する数値に「筋肉的にはそういうこと」と、理屈で言えば千賀と同じ球速を投げられる可能性を見出した。筋肉を強く、大きくすることはできている。「あとは動きを伴わせていく作業がうまくいけば球速は上がる」とはっきりプランを描いた。

 昨年は21試合に登板して7勝6敗、防御率2.93。ホークスで沢村賞となれば、2012年に17勝を挙げた攝津正以来となる。ここ2年はパ・リーグで投手4冠に輝いているオリックス・山本由伸投手が受賞している。日本を代表するエースに、大関が少しでも近づいていければ、チームの優勝もグッと近づくはず。すでに1月に「5、6回」ブルペン入りしており、2023年シーズンに向けて力強く始動している。

 ただ沢村賞よりも、真っ先に目標に挙げたのは「リーグ優勝して日本一になること」と即答。チームのために全力で左腕を振り続けた先に、必ず沢村賞という栄冠がある。

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)