ソフトバンクの宮崎秋季キャンプは14日、第3クールの最終日を迎えた。前日は巨人との練習試合に6-3で勝利。この日も投手陣はブルペンで精力的にボールを投げ込み、野手陣はバットを振り込んでいた。全体練習後の藤本博史監督の一問一答全文は以下の通り。
「通訳も言っていたけど、ファルケンボーグとかサファテとか、あの辺はもう1球目、全部カーブいったら、誰も振らないと。唯一やられたのは、レアードだけだって。それはカーブにヤマ張ってきてるんですよ、ある程度データが出てからね。杉山なんてデータなんかないんだからさ。田中正義でもやっぱ球の速いピッチャーは、カーブの精度を上げるのはいいことだと思いますよ」
――先発として生きていくため。
「当然そこで競争してもらうわけですから。ウチの今年の課題といえば、フォアボールを少なくすることやから。カーブでど真ん中ストライク取って、それが打たれたら俺のせいでいいじゃんっていう感じで。それぐらい割り切っていってくれたらいいんじゃないかなと思います。監督が真ん中投げろ言うたんや、でいいんですよ。それでストライク取って、バッテリーである程度リードして、先に追い込んで勝負できたら、ウチのピッチャーは球が強いんやから、間違いなく抑えられる、勝てると思いますよ」
「それがやっぱりコースコース狙って、ボールボール、バッター有利のカウントで真っ直ぐいかれるわけじゃないですか。その逆のパターンに持っていかないとね。山本由伸はボール先行しても、ツースリーまで持ってくるし、まずボール先行することがないよね。やっぱりそういう感じになってこないと、オリックスの投手陣との差っていうところですね。そこを縮めていくにはどうしたらいいかと言うと、もうフォアボール少なくすることと、しっかりゾーンで勝負していくってことが大事じゃないかと思います」
――山本由伸もカーブは武器。
「山本由伸が投げる球は全部一級品です。カーブとかカットとかツーシームとか、全部一級品なんで。山本由伸は例外においといても、他のピッチャーも全体的に、オリックスのピッチャーはストライク、ストライクでバッターを先に追い込んで勝負する。ウチのピッチャーはボール、ボール先行して、バッター有利なところから勝負する。そこの差だと思いますよ」
――今宮選手は志願してキャンプに参加した。
「今年はガルビスが来て競争という形で、最初に『サードやっておけよ』と言ったら『やりません。ショート1本で勝負します』という話をしていたけど、それだけショートにこだわったところがあって、それでガルビスに勝ったわけですから。で、成績を残したわけですから。キャリアハイもして、来年より一層、選手会長でチームを引っ張るためにはやらないかんという気持ちが強いんじゃないですか」
「だいぶ喋っていても、大人になりましたよ。今までは、だいぶまだ子どもやなっていう感じで、あまのじゃくやなって感じだったけど、そういうのも今はもう本当にチームを引っ張ろうという、選手会長で頑張ってくれているんじゃないかなと思います。昨日、一緒に食事したけど、喋ってても本当、もう甘ちゃんなところがなくなった。栗原の方がまだちょっと、元気やなというところ。当然そういう段階をみんな踏んでいくんですけど、今宮はちょっと大人になって、チームを引っ張る意識が強いな、とすごく感じましたね」
――今宮選手の競争相手としてはガルビスになる?
「野村勇もいますからね。あと川瀬。ショートを守れる人間って、限られてくるよね。牧原大とか周東とかはもうショートは全く考えてないんで。ショートを守れるのは、今宮、ガルビス、野村勇、川瀬、川原田ぐらいかな。もうあとのポジションは、勇なんかはサードもセカンドも守れるし、今は外野の練習もしているし。勇はサードからですね。サードで、周東もサード、セカンド、三森と競争とかね。そこはもう3人の競争になってくる。栗原がサードにくるから、そこも競争だし。1年休んでるわけだから、栗原もどうなるか分かりませんよ」
――ガルビスも本職がどこというのも難しい。
「守備はそこそこできるんでね、あとはガルビスに関しては打つことですよね。こっちは助っ人として見てるわけだから。2番に入ってくれたら最高だなと思って、開幕戦を迎えたわけだから。オープン戦はエサを撒いていたって言ってたよね。いつまでエサ撒くんやと思ったけど、結局、開幕戦で満塁本塁打を打ったおかげで、連勝できたわけですよね。その後、ちょっと続かなかったけど。まあ、本人も帰国する時に、来年は日本に合ったバッティングを披露すると言っていたらしいから、そこは期待して、キャンプを待ちますよ。ガルビスはもう1年終わってるわけやから、悪かったらすぐ2軍に行ってもらうし、良かったらこっちのに残すし、そこはもう本当、白紙の状態でやってもらいたいと思います」
――来年の2月に侍ジャパンと試合がある。
「2月はほぼ若手が出ると思いますからね。ベテランは出ないと思いますよ。出たいと言ったら出しますけど、まず言わないと思いますから。今まで通りオープン戦の中盤あたりからベテランは出ていくという形でそこは考えていきたいと思いますよ」
――このクールでのMVPは。
「昨日、ホームラン3人打ったけどね。ピッチャーもみんな頑張ってくれているんだけどね。甲斐野とか、一生懸命ネットスローとかやっていたけど、結果的には出なかった。昨日も、先頭にいきなりフォアボールで、次のバッターが打たなかったら、2人連続フォアボールだったからね。そういう意味では誰かな、長谷川コーチにしとこうか。1番よく投げている。バッティングコーチのことはよくわかるけどさ、一番よく投げてくれているし、長谷川コーチにします」