キャンプ第2クールのMVPは牧原大「目立ってた」 藤本監督の一問一答全文

ソフトバンク・藤本博史監督【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・藤本博史監督【写真:福谷佑介】

10日が第2クール最終日「しっかりバットを振れている」

 ソフトバンクは10日、宮崎市の生目の杜運動公園で秋季キャンプ第2クール最終日を行った。この日も野手陣はみっちりとバットを振り込み、投手陣は7人がブルペン入りし、各々が課題克服に向けて汗を流した。

 ちょうどキャンプ折り返しとなる第2クールを終えた藤本博史監督の一問一答は以下の通り。

――第2クールまで終わりました。
「しっかりバットを振れているんじゃないかな、量はできているんじゃないかなと思います。ピッチャーもしっかりブルペンも増えてきているかなと」

――チームバッティングをするとも話していました。
「休み明けにするんじゃないかな。まずは量を振らせることを第2クールまでやって、休み明けにチームバッティングを。どんな形かはバッティングコーチが考えてくれているみたい。中ではずっとやってるからね。バッティング回りの中で、向こう(室内)の右側か左側かどっちかはチームバッティングをしているはず」

「それはもう各担当コーチが教えるんじゃなくて、右バッターだったら、右打ちをどういうふうにしたらいいのかとかね。やり方っていうのは、前も言ったけど、インステップして右打ちっていうのは、もう外の球しか右に打てない。強い打球を打とうと思っているからインステップしてしまう。外中心のピッチャーだったら、踏み込んでいけってインステップはあるよね。でも、右打ちってのはやっぱり、右に打ってくるなとバッテリーが考えたら、そんな外ばっかりこないよね。やっぱりインコースは、特に追い込まれてからインコースをどういうふうに右に打つのか。そういうのを体で覚えてもらわないといけないから」

「僕は右打ちのサインとかよく出た方なんで、どういうふうにしていたかと言ったら、やっぱり懐を広くするっていうこと。インステップしたら懐は広くできない。アウトステップで懐を広くしたら、インハイでも右におっつけやすい、そういうバッティングができてきますよ、と。そういうものを甲斐なんかでも、できだしたらアイツの配球変わってくると思うよ。オリックスの中川とか、ロッテの中村奨吾なんか追い込まれたら、右の方にヒット打つけど、何で打たれてるんかなって、インコースを打たれているわけですよ。そこは半速球浮いた球を向こうに打たれている。やっぱり懐を広くしたら、そういうふうなものをやりやすくなりますよ、と」

「全員が全員じゃないけどね。俺の意見はそういう意見。例えば、松山(内野守備走塁コーチ)の意見、松山も右打つバッターだったからさ、松山は『俺はこう打っていたよ』とかさ、そういうのを選手に伝えて、選手がやりやすい方法でやってくれたらいいんですよ。これっていうのはないんやからさ。バントでも正対してするとか、まだ左右で違うからね。それも成功率が高くなるようにやってくれってことね」

――プロに入ってから練習で上手くなった。
「1991年かなんかはダブルプレーがパ・リーグで一番多かったんですよ。それをなくそうと思って右打ちを練習したんです。マシンでインサイドにして、それを右に打つにはどうしたらいいかって。アウトコースを向こうに打つのは、簡単じゃないけど、容易いじゃないですか。でも、インコースを右の方に打つのをどうしたらいいかっていうのをマシンとかでやって。それがたまたま次の年、功を奏して、得点圏打率1位でした。本当そんな狙ってるわけじゃないんですよ。ランナー二塁ならセカンドに打っておこうとか、ランナー一塁なら一、二塁間広いから右打っておこう、それがたまたま功を奏してそういうふうな結果になってるわけだから」

「俺みたいな体で右打ちできるんやから、みんなやろうと思ったらできるんですよ。やり方を、ただマシンで右に打つ練習しとけって言ってもさ、普通に外の球を向こうに打つのって誰でもできる。インステップして強い打球は打てる。それをインサイドにしたり、あるいは変化球、体の近くにくる球を右に打つにはどうしたらいいか。それを練習したら、おそらくみんな上手くなる。やり方やね」

――春のキャンプとかで毎日練習したんですか。
「ちょっと気持ち、かかとよりに体重を乗せた、右に打つときは。かかとに体重乗せたら、絶対インステップできないんです。絶対外に行く。ただそれは弱点もあるんですよ。弱点はアウトロー、速い球放られたらえらい遠く感じて、見逃してしまう可能性あるけど、そこはチョンとしたりね、右打ちってのは進塁打であって、チームバッティングなんで、ファーストゴロ、セカンドゴロ、先っぽであろうと、どん詰まりであろうが、それでいいわけ。最悪そういうバッティングをできたらいいと思う」

「あとはやり方っていうのは、選手がそれぞれ、左だったら村松(外野守備走塁コーチ)もいるし、引っ張れって言われたらどういう形で引っ張っていたのかとか、そういうのを聞くのも、打撃コーチとかの垣根をなくしてさ。逆に言うたら長谷川(打撃コーチ)なんかバントなんかしてないから。村松がバント多かったんだから、村松がバントはどんな感じでやっとったとかさ、エンドランはこういう感じでやっていたよっていう、そういうものを選手に伝えて、やりやすい方法でやっています。だから、上達早いんじゃないかな」

――第2クールで目立った選手は。
「目立ったのは、誰かな。野村勇か野村大樹か、ダブル野村やね。牧原(大)が一番目立ってた。一番よく打ってる。中でも、ショートティーみたいなやつ、大きい箱を一箱もう休みなしに全部打ってたからね。牧原(大)かな。自分から進んできて、しっかりやってるというのはいいことだと思います。牧原(大)ですね、MVPは」

――牧原大選手が頼もしくもあり、若手はもっと頑張ってほしい。
「牧原(大)があれだけやってんだから。長谷川コーチが若手はまだまだ練習量が足りないって言ってるけど、やらされて打つのと、自分でまた終わってから打つのでまた違うからね。そこの量がまだ少ないというふうにバッティングコーチは捉えてるかもですね」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)