「そういうの書いておいてよ(笑い)」 秋季練習後の藤本監督の一問一答全文

ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】

周東の来季に向けた課題について言及「当然、出塁率でしょう」

 ソフトバンクは31日、本拠地PayPayドームで秋季練習を行った。練習を見守った藤本博史監督は周東佑京内野手の1番起用を理想に掲げ、若手たちに秋季キャンプで取り組んでもらいたいことなどを語った。この日の藤本監督の一問一答全文は以下の通り。

――昨日の日本シリーズは。
「見ていたよ。もう5点入って消したけど」

――ヤクルトの怒涛の追い上げも。
「あったけどね、あそこからまたつけた」

――千賀投手も解説で喋っていた。
「聞いていたよ。下手糞やな。みんな褒めてばっかりやったね」

――来年あの場所に行くために。
「これから厳しくなる、秋のキャンプは厳しくなりますよ」

――周東選手は侍に行きます。
「周東はこっちに帰すよ。終わったら11日やから、12日からまたキャンプに来てもらうよ。甲斐はそのまま(オフに)。1年間出たからね。周東はまだやらないといけないでしょう」

――侍で学んできてほしいことは。
「もうバッティングよね。いいバッターが、侍に行ったら揃っているんでね、自分に合ったバッターの話を聞いてきたらいいんじゃないかなと思います」

――終盤はちょっと落ちてきた。
「まだ周東の場合は1年間フルにやったことがないからですね。一昨年は後半途中から素晴らしい成績を残して、去年も途中、今年も途中からでしょ。そういうところの体力をつけるには、当然、秋のキャンプで、しっかりオフにどういうことをしようかというところを固めないといけないと思う」

「実りの秋ってよく言うけど、技術もそうだけど、秋のキャンプが終わったらオフがあるわけだから。オフにはいろんな自主トレがありますよね。各チームの選手とやるとか、自分が長になってやるのか。そういうところでやって、春が来た時に変わってるというケースが、僕は2軍、3軍の監督やった時にすごく感じたんですね」

「今までは特に日本シリーズに出ているし、1軍の選手は秋のキャンプはもうほぼなかった状態に近い感じだったんでね。そういう意味じゃ、今回は14日間ぐらいできるんで、そこで自分が来年のため、またオフのため、春のキャンプのためにどういうものを固めるのか。バッティングでもそうだし、1年間戦える体力をつけるためにはどういうふうにしたらいいのか、トレーニングコーチと話をするのも大事だし、そういうところをしっかりやりたいなと」

「若い選手たちはバッティングフォームを固めるっていうのが一番だと思うし、コンタクト率を上げるためには、どうしたらいいかとか、タイミングの取り方なんかも、バッティングコーチとコミュニケーションを取りながらやってもらったらいいんじゃないかなと。そしてオフに入って、それを変えずに、自主トレでいい話を聞きながら、プラスアルファとしていって、春のキャンプに入ってくれたらベストじゃないかなと思います」

「せっかく秋のキャンプでやって、よしこれでいこうとなっているのに、2軍、3軍の若い子ですよ、春のキャンプでは全然違う打ち方になっているとかね、そういうケースも特に2軍、3軍で僕がやっていたときに若い選手が何人かおったんでね。中田翔の真似したり、ワケの分からない構えしていたり、やるやつがおったんで。そういうのがないようにしないと、そういうところもしっかり話し合ってやっていかないと」

「ピッチャーもそうですよね。特にもう体力強化、下半身強化というとこになると思うんですけどね。ただ、投げる人も当然いるでしょうから、そこで、コントロールつけるためにどうすればいいかとか、そういうのもピッチングコーチとしっかり話し合ってもらって。一番はコミュニケーションですね、秋のキャンプは。時間取ってもいいから、納得するまでやらせる、納得しなかったら話をする、そういうキャンプであったらいいんじゃないかなと思います」

――周東選手はどのあたりの成績を。
「当然、出塁率でしょう。ホームランバッターじゃないんだから、塁に出ないと彼のいいところが出せないじゃないですか。ポカポカとフライ打ち上げていても、全然彼のいいところって見せられないわけだから、やっぱり出塁率でしょうね。当然、選球眼も必要だし、内野の間を抜くヒットとか、内野安打が増えてもいいわけですから。三振をできるだけ減らすのも大事かなと思いますけどね」

――今年の出塁率は3割2分ぐらい。
「低いでしょ、3割2分っていうのは、1番、2番を打つバッターからしたら。俺でも3割2分ぐらいあったんちゃうかな」

――最高が.379ですね。
「俺でもそれぐらいあるんやで。そんな足もないし内野安打ないのに」

――通算では.337です。
「俺でもこの足で通算.337の出塁率ある。周東の足でもって3割2分って低すぎる。.337もあるの? 凄いね。最高で.379もあるの? そういうの書いておいてよ(笑い)」

――三森選手にも開幕前に言われていた。
「三森にしても周東にしてもね、これ牧原(大)も一緒だけど、やっぱり1番、2番を打つのは、3、4、5番ってウチで一番確率の高いバッターが打っているはずやから、そこの出塁率が高いチームは強いと思いますよ。これはもう周東にしても三森にしても、三森も打率の割に出塁率が低いですからね。2割5分、6分で出塁率は3割ちょっとでしょ。去年なんか打率2割6分何厘かで出塁率2割8分ぐらいやったんちゃうかな。それじゃやっぱり1番、2番っていうのは厳しいと思う。俺でも3割3分なんだからね」

――監督の中で1、2番のベストは。
「周東が出塁率が高ければ、1番がベストだと思う。俺、12球団で一番バントやったかわからんけど、実際、1番の出塁率が高くて、周東が塁に出とったら、バントする必要ないですよね。周東が2番に入っていてもバントする必要ない。1番、2番の出塁率が高かったらね。やっぱり低いから、チャンスが少ないから、バントで行って、1点先に取ろうとなるけどさ、出塁率が高いんだったら、そのまま打たせてもゲッツーはない、という形になる。そこの出塁率が高くなってくれたら、俺のバント病も減るよ。『バント病』『左右病や』って、SNS見たら書かれているやん」

――周東選手が走った後に三塁にバントとかができればいい。
「ランナーがセカンドで、そこでコンタクト率が高いんだったら、逆に打たせても引っ張ってくれたらいいわけだから。そういうのもできたら、やっぱり強いチームになっていくと思います。今はそこの段階ですからね、まずはできることをしっかりやろうと。それが今、状態いいなと思ったら、バントなんかもったいないよね。そういうチームになればいいかなと思って、そこをうまく上げるためには、秋のキャンプでマシンで右打ちをやっておきなさい、エンドランやっておきなさい……では、上手くなるはずがない。時間がもったいないだけ。右打ちするためにはどうすればいいか、それを説明して練習させる。選手も納得してそれをやる、納得しなくてもやって何かヒントがあったらそこで上手くなるわけ。そういうものをね、秋のキャンプで時間割いてもいいから、やってくれってことですね」

――周東選手は三塁を守ることが多かったですけど。
「レギュラー白紙って前も言ったと思いますけど、結局、今宮みたいにショート1本で勝負するって言うんやったらそれでいいし、『今宮、サードも練習してくれ』『いやです』ってはっきり言った。それはコミュニケーションだからさ。今まで実績ない選手でこっちが期待する選手はいっぱいいますよ。その選手が外野で勝負したいなら、取りにいったらいいじゃないですか。周東なんかでも、サードもできる、セカンドもできる、センター含め外野も全部できるってなったらさ、空いているポジション取りに行けばいい。それはアピールだからね。そして、あとは結果しかないからね。練習見て今年いいなってなったらさ、一つのポジションでまずはピースとしてはめていくっていうのも考えられる」

「野村勇でもサード、セカンド、ショートできるけど、そしたらファーストもできるようにしといたらいいんじゃないのとかね。そうなったら栗原がファーストに行くかもわかんないですし。栗原の外野は来年は考えてない。ファーストかサード、と言ったらリチャードもおるしね。うまく自分をそこでアピールしないと、ポジションは取れないということですからね。周東でも今年サードで半分は出たのかな。でも、栗原が来て、競争してやりながら、レフトもやっておけば、レフトにも柳町や正木がおるけど、こっちはいいものを使いますからね。大変だね、人が多いから。当然、絞って1軍になっていくんだからね」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)