緊急事態も若鷹の奮起「見えてこない」 藤本監督の試合前の一問一答全文

ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】

グラシアル、増田、森が1軍昇格「調子いいから上げているんじゃない」

 ソフトバンクは21日、本拠地PayPayドームで日本ハムと戦う。チーム内で新型コロナウイルスの陽性者が再び増加しており、この日からジュリスベル・グラシアル内野手、増田珠内野手、森唯斗投手が1軍に合流。主力5人が欠ける緊急事態で藤本博史監督も悩ましい心中を明かした。

 試合前の藤本監督の一問一答全文は以下の通り。

――今日も検査があった。
「朝から出したよ。毎日です。移動日だけよ、ないの」

――グラシアル選手が合流。
「もうこっち来たら、100%の力を出すって言ってくれてるんでね。今日スタメンからいきますよ」

――守備も昨日やっている。
「ヒットも1本打っていたしね」

――増田選手と森投手も。
「呼んでいますよ。2人代替で来てるわけだから」

――期待するところは。
「調子いいから上げているんじゃないから。小久保監督の推薦で来てるわけじゃないし。もう2人呼ばんと、こっちはメンバーを揃えないかんのやから。だから、状態いいというより、シミュレーションして、外野がいるのか、内野がいるのかって、そういう状態で呼んでいるだけやから。すぐスタメンとかはないですよ」

――昨日は代わりの選手が何とかしようという姿勢が見えた。
「なんとかしようというのが見えた? 俺には見えてこないけどね。ホームランを1本打った、それだけでいいんかって言ったら、そうではないもんね。やっぱり満塁でもしっかり内容、結果を出すとかさ。ガルビスはフォアボール2つ選んでいたけど、チャンスでどういうバッティングするかっていう、そういうところを見ていきたいですね。それが長く続かないとやっぱりレギュラーは取れないわけだから」

「1試合打ったから、はいずっと出られますよ、じゃないと思うんで。それを続けていって、レギュラーになるわけやから。なかなか難しい、そんな簡単なもんじゃないですよ。まして、今まで何十打席もあって、佐藤(直)なんか、初ホームラン打って、気分良く今日入ってくれたらいいけど、1打席目悪かったらズルズルといってしまうからね。そういうのを無くしていかないと」

――中継ぎの3連投も辞さないと話していましたが。
「あんまりしてないでしょ? そういう可能性もありますよ、と」

――スパートをかける時期は?
「スパートをかける時期っていうか、これだけコロナ陽性が出ていたら、スパートもかけられないよね。9月に入ってからじゃないですか。残り今月をどうやって戦うか、そっちを考えるだけで大変ですよ。それこそもうね、新庄監督みたいに試合前までオーダー発表せんとこうかなと思うぐらい、練習のバッティングを見てからオーダー決めようかなとか、そういうのも考えてますからね」

「今までやったら、ある程度実績ある選手で、1つ、2つのポジションに若い選手が入ってくる形だったけど、これだけスタメンで出ていたメンバーが半分以上いないわけだからね。そこでパッとオーダー決めて、練習で『なんてバッティングしてんのかな』と思ったら使えないよ。バッティング練習見て、いい状態の選手をはめていこうかなという案もありますよ」

――昨日は実際そういう形になった。
「昨日はもうオーダーが決まった後、5時過ぎに陽性(疑い)になったと聞いたから。すぐに状態の良い選手を上から順番に並べただけ。正木を使おうか、とか、当然2軍から来てるんやから話はあったけど、正木もセンター守れるからね。ただ、昨日のバッティングを見てると使えませんよってなってしまう。佐藤(直)のバッティングが良かったから、佐藤を使おうかってなったら、佐藤(直)がはまった」

「(現役)最後の1年、オリックスに行ったけど、仰木さんもそういう形だったからね。ビジター行ってコーヒー飲んでたら『おい、フジ! 先発や!』『えっ?』って感じで行かされた時もあったから。でも、それで気持ちは昂ってくる。だから、若い子なんかは特にオーダーが練習終わってから決まるってなったら、練習を目の色変えてやってくれるんじゃないかなというのもあるし。練習でアピールしないと、試合に出られないというのも当然出てくると思うしね。仰木さんなんかどっちか言うたら、外野歩きながらずっとサングラスかけてね、そういうのを見ていたからね。それも面白いかなと。案だよ、やるわけじゃないよ」

――若手はチャンスは貰っているが、物足りない。
「物足りないでしょ。打率見たら物足りないでしょう。甲斐がいいバッターに見えてきた。甲斐も自信つきますって言うてたよ、9番で。だって(昨日の試合前で)ガルビスが.143くらい、佐藤(直)が.056。甲斐が.180台で、甲斐がいいバッターに見えてきたなって言ってたら、2本打ってくれたよ」

――どっちにしても凌がないといけない。
「今凌がないと、9月の勝負どころに間に合わない。ズルズルいってしまうから、何とか、いつも食らいついていってるけど、本当に食らいついていかないと。若い選手がそういう気持ちでやってくれないとね。やっぱ今は1番アピールしどころじゃないですか」

――これだけの混戦だと、この先どうなるか。
「わかんないよね。ありがたいことにピッチャーの方は、先発ピッチャーの方が残ってくれてるんでね。正義は陽性(疑い)になったけど、先発は残ってくれてるんで、何とかまだ戦えるかなってのはあるけど。本当、高校野球のトーナメントの気持ちでね、1試合1試合やっていかないとね」

――11連戦ぐらいまでに立て直したい。
「そこに戻ってきてくれればですね、はい」

――2軍で千賀投手が投げる。今後のプランは。
「今日投げたら、こっちに来ますよ、合流しますよ。今日は40球だったかな。2回か3回投げるんじゃないですか。それでこっち来て、次は60球ぐらいよね。もう1回、2軍で投げる予定だったのを、こっちに合流して、どこかで60球くらい先発で行ってもいいんじゃないかな、と。昨日の上沢もそんな感じだった。あんだけ点取られても代えなかったもんね。上沢は2軍で2回投げてるのかな、骨折してからね。1回と3回かな。千賀はそれより早く来るってことです」

――とにかく1軍にいてもらうことが大きい。
「ウチのエースだからね。上沢なんかもそんな感じだから100球投げさせたんだと思うけど」

――上沢はまた来週来るかもしれない。
「このまま来るんじゃないですか。張り切ってくるでしょう。こっちも張り切っていかんと」

――今日の加藤投手は安定している。
「コントロールが、スライダーがいいですよね。うまく緩急を使ったピッチングしてくるんで、そこに惑わされず、主力はデータがあるんしょうけど、若い選手はデータはないんで。ガルビスもデータないんで、どんどん積極的にバット振っていったらいいんじゃないかなと思います。追い込まれたら食らいつく精神でいきましょう」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)