前田悠伍、日本Sは「そういう場じゃない」 松尾汐恩の視線に“手だけで応えた”理由…先輩にも貫いた“プロの一線”

  • 記者:竹村岳
    2026.11.01
  • 1軍
日本シリーズ第4戦で対戦した松尾汐恩と前田悠伍【写真:荒川祐史】
日本シリーズ第4戦で対戦した松尾汐恩と前田悠伍【写真:荒川祐史】

日本シリーズで大阪桐蔭高の先輩・松尾と対戦

 捉えられた打球が、センターに舞う。悔しさと同時に、胸に込み上げてきたのは懐かしさだった。「2打席目のセンターへのやつは、高校の対戦を思い出しましたね。ずっとああいう打球を打たれていたので」。初の日本シリーズ登板となった前田悠伍投手が振り返ったのは、大阪桐蔭高時代の1学年先輩で、バッテリーを組んでいた松尾汐恩捕手との対戦だった。

 2年連続の日本一を掴み取ったホークス。10月28日にみずほPayPayドームで行われたDeNAとの日本シリーズ第4戦、左腕が先発マウンドに上がった。松尾との第1ラウンドは力強い直球で二飛に打ち取った。そして4回2死の第2打席、再び直球を捉えられると、中越えの二塁打でチャンスメークを許した。

 高校時代に秋の神宮大会、春の甲子園で全国制覇を果たした“黄金バッテリー”。お互いに心を開く存在だからこそ、プロの世界で迎えた頂上決戦では“一線”を引いていた。

 待ち望んでいた対戦から、時計の針は3日前にまで遡る。横浜スタジアムで第2戦が行われた25日の出来事。午後3時にホークスナインが三塁ベンチに姿を見せると、その目の前でDeNAの捕手陣が試合前練習に励んでいた。松尾を視界に捉えていた前田悠だが、ベンチから腰を上げない。先輩からの視線に手を挙げて応えていたが、最後まで言葉を交わすことはなかった。「“そういう場”じゃないので」――。

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25日の試合前、三塁ベンチ前で練習する松尾汐恩と様子を見守る前田悠伍【写真:栗木一考】
25日の試合前、三塁ベンチ前で練習する松尾汐恩と様子を見守る前田悠伍【写真:栗木一考】

日本シリーズは「“そういう場”じゃないので」

27日の練習中に挨拶を交わした前田悠伍と松尾汐恩【写真:荒川祐史】
27日の練習中に挨拶を交わした前田悠伍と松尾汐恩【写真:荒川祐史】

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(竹村岳 / Gaku Takemura)