柳田悠岐は「やっぱり野球が好きなんだなと」
パ・リーグ3連覇を成し遂げたホークス。選手たちを陰から支え続けたスタッフ21人に「記憶に残った名場面」を聞いてみました。後編ではハイパフォーマンスメディカル部門、ハイパフォーマンスS&C部門、ベースボールサイエンス部門の計11人が登場します。今宮健太内野手から「今年にかける思いが伝わってきていた」。出場を思わず“止めた”という忘れられない一戦が。正木智也外野手の存在は「世界でも一握り」。アナリストの視点から、背番号31の存在が一体どれだけすごいのかが明かされました。
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この先で分かる3つのこと
今宮健太の出場を止めた日…トレーナーが抱く葛藤とは
「世界で一握り」アナリストが語る正木智也の凄まじい数値
2ラン直後…近藤健介が見せた「いつもと違う雰囲気」
ハイパフォーマンスメディカル部門
鈴木淳士
1軍チーフアスレティックトレーナー
ホークスには欠かせなかった存在です
9月15日、オリックス戦(京セラドーム)に勝ったことですかね。2020年に亡くなられた川村(隆史)さんの命日。3年続けて同じ日に同じ場所で同じカード。なかなかないことじゃないですか。怒る時は怒る厳しい人だったんですけど、選手たちがSNSに毎年アップしていますよね。あれがすべてだと思います。ホークスには欠かせなかった存在です
小野哲矢
1軍PT
監督と首脳陣に感謝しかありません
(小久保裕紀)監督と首脳陣に感謝しかありません。『休ませるところは休ませようと思うようになりましたね』と監督もおっしゃっていましたが、だから野手の離脱が今年は少ないんだと思います。僕たちの意見も伝えるんですけど『ああ、わかっているよ』という感じで。常にその先まで考えていてくれるので。運用の変化があって、今年の優勝があったのかなと思いますね
山西昇
1軍アスレティックトレーナー
その時に止めたことが正解だったかどうか……
今年は(今宮)健太ですね。開幕してすぐの時、体の状態を踏まえて出場を止めたことがあったんです。5月29日の広島戦(みずほPayPayドーム)でした。結局、何もなかったんですけど、その時に止めたことが正解だったかどうか……(4回に途中交代)。それは今でも考えますね。やり取りの中で、健太からも今年にかける思いは伝わってきましたし、開幕からショートを勝ち取って『ここで出るんだ』というのもあったと思うので。健太の姿が印象的です
松永武士
1軍アスレティックトレーナー
いつもと違う雰囲気でした
5月8日のロッテ戦(みずほPayPayドーム)、
近藤(健介)選手が打った2ランです。僕もベンチ入りしていたのですが、(急逝した)お兄さんのことは何も知らなかったんです。ホームランを打ってベンチまで戻ってきて、いつもと違う雰囲気でした。『どこか痛いのかな』と思い、『大丈夫?』と聞いて、それを首脳陣に報告しました。首脳陣は知っていたのかなと思うんですけど、
村松(有人野手チーフ)コーチが『大丈夫だ』と。最後はチームも勝ったので、あの試合が印象に残っています
貴戸伸二
1軍アスレティックトレーナー
グッとくるものがありますね
今シーズンに限ったことではありませんが、痛さを抱えたままプレーしている選手はいます。それを周囲には見せずに戦っている姿を見ていると、グッとくるものがありますね。優勝をさせていただくことができて、本当に感謝の気持ちです
ハイパフォーマンスS&C部門
金村幸治
1軍チーフストレングス&コンディショニング
彼の能力が思う存分に発揮された試合だったと思います
9月8日の日本ハム戦(みずほPayPayドーム)での、
(周東)佑京のランニング満塁弾ですかね。彼の能力が思う存分に発揮された試合だったと思います。トレーニングにも非常にこだわっている選手なので、その力を見せてもらった気持ちになりました
岡本正靖
1軍ストレングス&コンディショニング
3年目ですけど、よく頑張ったと思います
“王会長”の日ですかね。5月24日の日本ハム戦(みずほPayPayドーム)。あそこで勝てたから、勢いのまま交流戦に入ることができたと思うので。あの試合は
(前田)悠伍が先発でした。中6日の4週目で、しんどい時期だったと思います。本人は『疲れています』とは言わないんですけどね。3年目ですけど、よく頑張ったと思います。あとは
庄子(雄大)が横浜のDeNA戦(6月6日)でお立ち台に立ったこと。僕も神奈川出身なので、地元民が横浜で活躍したのは純粋に嬉しかったです
ベースボールサイエンス
吾郷伸之
チーフアナリスト
188キロまで出せるだなんて本当にこの世界でも一握り
ポイントになったのは交流戦だったと思います。印象的だったのは、やはり正木選手じゃないですかね。僕たちはアナリストで、数字を見るのが仕事です。打球速度とは、160キロが1軍の最低ライン、170キロが1つの境界線となります。180キロだなんて、スキルとフィジカルの両方がなければ出せない数字です。ピッチャーでいう160キロと同じだと僕は思っているのですが、188キロまで出せるだなんて本当にこの世界でも一握り。相手に与えるプレッシャーもあったと思いますし、とても頼もしい存在だったと思います。
清水貴之
1軍アナリスト
悠伍も予想以上の結果で応えてくれた
メンバーが揃っていたことで、慌てることなく戦っていた印象がありました。印象的だったのは、
大津(亮介)と悠伍です。有原が抜けて、
(リバン・)モイネロが開幕からいなかった中で、そこの勝ちをどうやって補うか。大津はローテで回ればこれくらい投げられるというのが自信になったと思うし、悠伍も予想以上の結果で応えてくれた。波も少なくて、ゲームの中で勝つための投球をしてくれたと思います
佐藤麻弥
1軍アナリスト
なんやかんや、やっぱり野球が好きなんだなと思いましたね
柳田(悠岐)さんの姿勢なのかなと思いますね。あの年になっても一塁まで手を抜かずに走るし、貪欲に次の塁を狙う。年下の選手も包み隠さずに『ギーさんが』と言うし、ただ強いだけじゃなくて、やるべきことがしっかりとできている集団だったのかなと。それは柳田さんの存在があるからだし、なんやかんや、やっぱり野球が好きなんだなと思いましたね
古川侑利
1軍アナリスト
打球角度が17度だったんですけど、意味がわからないです
8月1日の楽天戦(楽天モバイル最強パーク)で正木選手が打ったホームランです。打球角度が17度だったんですけど、意味がわからないです。本当にありえないくらいの数字です。彼が1番というポジションにハマったのが、一番大きかったのかなと思います
(竹村岳 / Gaku Takemura)