中村晃の本音…岩嵜翔との抱擁は「いいのかな」 戸惑いの最中で背中を押された仲間の“声”

  • 記者:竹村岳
    2026.09.28
  • 1軍
対戦を終えて握手を交わすオリックス・岩嵜翔と中村晃【写真:栗木一考】
対戦を終えて握手を交わすオリックス・岩嵜翔と中村晃【写真:栗木一考】

岩嵜翔との熱い抱擁も「いいのかな…」

 プロの世界で戦い続けて、19年。それぞれの道を歩んできた2人の男が、最後に対峙した。試合を止めてまで相手選手と握手するという“異例の光景”。「改めて、最高の野球人生だったと思いますね」。そう振り返ったのは、中村晃内野手だ。この瞬間を迎えるまでに抱いていた“2つの葛藤”。自分自身の心の声、そしてチームメートに背中を押されて、グラウンドに飛び出した。

 引退試合として行われた27日のオリックス戦(みずほPayPayドーム)。「6番・一塁」で先発した中村晃は、初回に中堅への二塁打を放った。これが通算1522本目の安打。本拠地のボルテージが最も高まったのは7回だ。1死一、二塁の場面でオリックスの岸田監督が立ち上がる。審判に対して岩嵜翔の名前を告げた。

 2007年の高校生ドラフトで1位指名された岩嵜と、3位だった中村晃。同期入団かつ同学年の2人はともに戦い続け、19年目のシーズンを迎えた。最後に実現した“真剣勝負”。3球目の直球を打ち上げて捕邪飛に倒れたが、ベンチへと引き上げる背番号7の表情は晴れ晴れとしていた。

 異例だったのは、ここからだ。凡退後、ベンチに引き上げていた中村晃だが、再びグラウンドに飛び出した。マウンド付近で岩嵜と握手を交わし、さわやかに抱き合う。「『いいのかな』という気持ちはありましたね……」。勝敗を争う公式戦で、試合を止めていいのか。生真面目な男の背中を押したのは、ベンチで見守るチームメートたちの声だった。引退試合で見せた行動の裏側と、岩嵜との対戦で噛み締めた「最高の野球人生」とは――。

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試合後のセレモニーで記念撮影するオリックス・岩嵜翔と中村晃【写真:栗木一考】
試合後のセレモニーで記念撮影するオリックス・岩嵜翔と中村晃【写真:栗木一考】

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(竹村岳 / Gaku Takemura)