上茶谷大河を救った周東佑京の超好守 首脳陣は「アイツにしかできへん」と絶賛も…本人はまさかの反応

  • 記者:福谷佑介
    2026.08.02
  • 1軍
好守で楽天の得点を阻止した周東佑京【写真:栗木一考】
好守で楽天の得点を阻止した周東佑京【写真:栗木一考】

初回無死一塁で上茶谷を救った周東のスーパープレー

 試合の流れを引き寄せたのは、周東佑京外野手のアクロバティックなプレーだった。初回無死一塁。あわや先制点を献上しようかという場面で飛び出した咄嗟のプレー。あの瞬間に名手は何を考え、周囲はどう見ていたのか――。

 5-0で勝利した1日の楽天戦(楽天モバイル最強パーク)。先発・上茶谷大河投手の立ち上がりは不安定だった。先頭の中島に安打を許して無死一塁。続く佐藤が放った打球も右中間で弾み、ヒットになった。外野の間を抜けようかという当たりに一塁走者の中島は二塁を回り、さらに三塁も蹴って本塁を狙った。

 ここで周東が驚きのプレーを繰り出した。打球を追ってボールを掴むと、普通ならステップを踏むところで、クルッと一回転。崩れた体勢のまま、すぐさま内野めがけてボールを投げた。中継に入った二塁手の牧原大成内野手がこれを受けると、間髪入れずに本塁へ返球。中島の本塁突入よりも遥かに早く、キャッチャーミットにボールが届いた。

 不安な立ち上がりを救われる形となった上茶谷が「すごいです。すごいの一言です」と頭を下げたビッグプレー。ただ、当の周東本人が発したのは意外な一言だった。

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この先で分かる3つのこと

周東佑京外野手が「適当」と語った真意と咄嗟の判断
大西崇之外野守備走塁コーチが称賛したスーパープレー
立ち上がりに救われた先発・上茶谷大河投手が抱く感謝

「適当に投げただけなんで、特にないですよ」

 周東は「適当に投げただけなんで」と2度繰り返すと、帰りのバスに乗り込んだ。走者の進塁を1つでも止めるために考え得る最善のプレー。進塁させないためには、まず真っ先に内野にボールを返すこと。そのために、咄嗟に出た“適当に投げた”プレーだったろう。

 ただ、このプレーが試合の流れを大きく左右したのは間違いない。その重みを十分に理解し、そして絶賛したのは大西崇之外野守備走塁兼作戦コーチだ。

「凄かったね。早く内野手に返そうというプレーだったと思うんやけど、あれはもう本当にアイツにしかできへんのちゃう。とにかく早く内野手に返そうという意識だったと思う。もうスーパープレーやな」

 首脳陣もうなずく咄嗟の判断、そして身のこなし。小久保裕紀監督も「あそこがゼロで収まったのは大きかったですね」と語るビッグプレーに、上茶谷も感謝の言葉が尽きなかった。

「ノーアウト二、三塁から失点覚悟のピンチだったんですけど、0点に抑えていただいたんで、またまた感謝ですね。あれ(周東の返球)もそうだし、2回のタニ(谷川原健太)のプレーも、(川瀬)晃のプレーも。ポンポン行ってるように見えるんですけど、本当に大きすぎるプレー。立ち上がりの1、2回にああいうプレー出たんで、そっからちゃんとしないとなっていうのは自分の中にありました」

 バックの好守に救われた右腕は、尻上がりに調子を上げた。4回以降は1人の走者も許さず、7回7奪三振、無失点の好投で7勝目を手にした。周東が「適当」とだけ語った“一瞬”が、この日のホークスと上茶谷を救った。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)