倉野コーチが明かすモイネロの1軍復帰条件 ”100%”を待っていたら「シーズン終わってしまう」 

  • 記者:飯田航平
    2026.07.29
  • 1軍
ブルペンで投球を見つめる倉野信次投手コーチ【写真:飯田航平】
ブルペンで投球を見つめる倉野信次投手コーチ【写真:飯田航平】

 ソフトバンクは29日、みずほPayPayドームとタマスタ筑後に分かれて練習を行った。筑後では大関友久投手や上茶谷大河投手ら7投手が参加。ブルペン投球を行うなど、それぞれの調整で汗を流した。練習後、倉野信次投手チーフコーチ兼ヘッドコーディネーター(投手)が取材に応じ、後半戦に向けた投手陣の見通しを語った。

 31日に2軍戦での登板を控えるリバン・モイネロ投手の状態や、新たに支配下登録された投手3人への期待も言及。さらに、今季負けなしの8連勝と順調に勝ち星を積み重ねている前田悠伍投手の起用プランや、小久保裕紀監督が掲げた「先発投手陣を作り上げる」という課題に対する覚悟を示した。主なコメントは以下のとおり。

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この先で分かる3つのこと

前田悠伍を「軸」と呼ばない、倉野コーチの考える“途中”とは
予想を超え急成長した張峻瑋に訪れた、明らかな変化とは
「100%は待たない」モイネロの1軍復帰への目安とは
モイネロ投手の状態、仕上がりは?
「明後日投げます。2軍で」
1軍復帰に向けた大事な登板になる。
「明後日の登板は重要になると思います」
100%の状態とはいかないかもしれないが。
「100%の状態になるのを待ってたら、シーズンが終わってしまうから。1軍で勝負ができる状態であれば、もうそこがタイミングかなとは思いますけどね」
モイネロ投手自身は「100%に近い状態で投げられる」と言っていた。映像などを見てどう感じた?
「しっかり腕も振れていたし、出力も出ていた。いい状態に近づいてきているのは間違いないですけど、まだやるべきことはあるという感じです」
3人の投手が支配下に昇格した。後半戦に向けて期待する部分は?
「ファームでトップ3の評価があって、支配下を勝ち取ったわけですから。1軍の選手に何かあった時に助けてもらう存在になるんじゃないかなと思います」
張峻瑋投手は急成長した印象がある。
「急激に伸びましたね。張に関しては急成長しましたね。要因はわからないですけど、取り組みは明らかに変わりました。あそこが要因なのかもしれないですけど。明らかにパフォーマンスが変わりました。ちょっと予想を超えたというのが正直なところです。支配下に上がるレベルまではもう少し時間がかかるかなと思っていたんですけど。もう十分、そのレベルにあるという評価はしています」
大山凌投手が2軍で先発した。後半戦への期待は?
「大山は久しぶりに先発しましたけど、1年目以来かな。先発になって、いい部分がすごく出ましたね。中継ぎだとちょっと窮屈な投球にも見えたんですけど、それが逆に長いイニングを投げることによって、自分の良さを引き出せたような気はします」
村上泰斗投手もいい成長曲線を描いている。
「そうですね。村上に関してはすごくいい成長曲線を描いてるなというのは、ずっと感じていて。その間に小さい怪我もあったので、ここまで時間がかかっていますけど、ゆくゆくは1軍で試したいと思えるだけのものは持っていると思います。まだ今すぐ戦力というわけではないですけど、試してみたいと思えるようになってきていますね」
倉野コーチはシーズン中も月曜日の投手練習に出てきているが、今回は休めたか?
「初めて連休を取りました。初めてでした」
その間に映像を見たりなどは?
「絶対にしない。もう家に帰ったら、一切野球のことは考えない。球場で全部終わらせています」
2026シーズンの休みはここだけになる?
「まあ、そうですね。でも、シーズン中に休みがないのは当たり前だと思っているので、1軍のコーチは。ファームの時は1週間に1度休みをもらっていましたけど。1軍はシーズン中は休みがないと思っているので、別に苦ではないですね。当たり前のことだと思っているので。ただ今回はちょっとタイミングが良かったので、休ませてもらいました」
この2日間休めたというのは、投手陣の形が見えてきたから?
「いや、チーム成績は全く関係ない(笑)。チーム成績で休んでいたら、それはとんでもないことになりますから。休めるタイミングかなというところですね」
前半戦は中継ぎ陣の活躍が大きかった。
「もう本当に、今年ここまでやってこれているのは、中継ぎ陣の頑張りが大きいと思います。だけど投手陣だけじゃなくて、やっぱり野手。キャッチャーも含めて、守りもそうですし。得点するところにおいても、野手に支えられているなと。野手が取り返してくれる試合もすごく多かったし、守りもすごく助けてくれている。野手に助けられた前半戦だったと思います。もちろん中継ぎも頑張っているし、先発も個々では、やるべきところはやっているんですけど。まだまだ理想は高いところにあるので。『もっともっと』という思いは、もちろん先発陣にもあります」
前田悠投手は後半戦も軸として期待できそうだが、スタミナ面なども含めて期待を感じているところは?
「1試合のスタミナに関しては、もうかなりついてきたので。ただ、シーズンを通したスタミナというのは、まだ未知数なところがありますから。一気にへばるような使い方はしたくないなというのはありますけど、それはもう状態を見ながら。(登板を)空けられる時に空けるというプランになるのかなと思います。このまま中6日で使い続けるということは考えていないです」
好投を続けて、前田悠投手も自信がついてきているのでは?
「そうですね。軸って言うのは、まだちょっと早いとは思うんですけど。でも、それなりの成績は今も残しています。ただ、まだ軸とまでは考えてはいないというか。当然、期待は大きいんですけど。軸というのは、ローテを外れずにずっと投げ続ける投手だと思うので。どんな調子でも試合を作って、1年間フルで回るのが僕は軸だと思っていて、まだ悠伍はその途中だと思うので。もちろん成績的には主力級の活躍をしてくれているんですけど、軸という意味では、ちょっと僕の中での考え方と違うかなとは思います」
小久保監督が前半戦を総括した際に「先発投手陣を作り上げる」との課題を口にしていた。具体的にどういったアプローチをしていく?
「もうずっと課題なので、今年の。有原(航平)とモイネロ、2つの大黒柱が抜けることが分かっている中で始まったシーズンなので。どうやってローテの軸を作っていくのかというところでスタートしていますので。また、怪我人も増えたり、モイネロの復帰が遅れたりして、当初描いていた先発陣とは全然違うものになっているのが現状ですよね。だからシーズン初めからずっと課題にはしています。ただ、先発陣に関してはここまでよくやってくれているなという思いもあります。上沢(直之)、大関、カーター(スチュワート・ジュニア)、大津(亮介)くらいですかね、実績があるのは。それ以外はみんな実績がないピッチャーですから。その上沢、大関も離脱したりがあった中で、ほとんど未知数の選手ばかりなので。それは最初からそんなにうまくいくとは思っていないし、1人に負担がかかるような状態にはしないようにしているので。みんなの力を合わせて、1つの大きな力にしていくイメージでやっていますので。今は、1人の大きな軸というのはないですね。自然にそうなってくれたらいいんですけど、それを期待するのは今の状態では違うかなと」
支配下に上がった選手たちは、チャンスがあれば後半戦で投げることも。
「7月31日の期限までに支配下に上がらないと、当然1軍に出られないわけですから。そういう意味では本当にありがたいですよね、フロントの方々がそういう判断をしてくれたので。戦力が増えたというのは、非常にありがたい」
今年は7投手が支配下に上がった。その点にもチーム状況が出ている。
「そうですね。やっぱり苦しいから、これだけの人数が上がったというのは間違いなくありますよね。でも、そのピンチをチャンスに変えなきゃいけないと思うし、選手はチャンスを掴むんだという気持ちでやってほしいです」

(飯田航平 / Kohei Iida)