牧原大成と川瀬晃が体現した「ホークスの武器」 首脳陣絶賛の隠れた好走塁…今季導入した練習の“成果”

  • 記者:福谷佑介
    2026.07.27
  • 1軍
川瀬晃と牧原大成【写真:井上学】
川瀬晃と牧原大成【写真:井上学】

先制点を奪った場面であった、見逃せない瞬間

 オールスター前最後のゲームで、ホークスの“強さの秘密”が滲む、隠れた好プレーがあった。3-0で勝利した26日の西武戦(ベルーナドーム)。3点を奪った5回の攻撃。先制点を奪った場面で、見逃すことのできない瞬間があった。

 この回、1死から山本恵大外野手がチーム初安打となる右前打で出塁。続く牧原大成内野手も中前打で続くと、川瀬晃内野手が四球を選んで、1死満塁の好機を作った。

 このチャンスで打席に立った正木智也外野手が左翼へ浅い飛球を放った。三走の山本恵が思い切ってタッチアップを狙って、最後はヘッドスライディングで生還。この好走塁の裏に、ホークスの強さが詰まっていたことに気づいただろうか。

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この先で分かる3つのこと

浅い左飛で次の塁を狙った、川瀬晃の鋭い状況判断
好走塁の裏にあった、今季から取り組む日々の備え
躊躇してもおかしくない場面で、川瀬晃が見せた覚悟

「走塁をメインにやっている練習も、今年から取り入れているんで」

 左翼の仲三が本塁へと送球すると、二走の牧原大はすかさず三塁へ進塁。この動きを見て一走の川瀬も二塁へと進んだ。本塁へ送球したとはいえ、浅い飛球で、スタートを切るのを躊躇してもおかしくない場面での好走塁だった。

「あれくらい浅いフライだったら、外野も(本塁でアウトにしようと)勝負してくると思ってたんで。牧さん(がスタートしたの)を見て、確認して行きました」

 事もなげに振り返ったのは川瀬だ。三走の山本恵がスタートを切るかどうかは分からなかった。ただ、仮に外野手が中継なしに本塁へ送球すれば、次の塁を狙うことは可能。二塁走者の牧原大の動きに目を凝らした。

 日々の備えの賜物でもあった。川瀬はこうも付け加えた。

「ホームでの1箇所バッティングで、走塁をメインにやっている練習も、今年から取り入れているんで。そういうところが、こうやって試合に出てくるのはすごくいいことなんじゃないかと思います」

 今季、ホームゲームの試合前練習では、1箇所バッティングの日が設けられるようになった。状況に応じた打撃を意識して磨くだけではなく、走者が打球や点差に応じた判断力を養う走塁練習も重視されてきた。地味なメニューではあるが、日々、備えてきたことが、実際に成果として現れた場面でもあった。

 三塁ベースコーチャーの大西崇之外野守備走塁兼作戦コーチも、牧原大と川瀬の判断を高く評価した。「あの距離で投げるとしたら(本塁へ)1人で投げに行く可能性があるわけやからね。そこを見て、一気に次の塁に来てくれてたのは大きいよね。それはホークスの武器だからね」。

 勝負どころで一つ先の塁を陥れる。その積み重ねが、1点を2点、3点へと変えていく。次の塁を狙う姿勢は、ホークスの伝統でもある。2人は続く周東佑京外野手の右越え適時三塁打で生還。二、三塁になっていたからこそ、難敵・高橋によりプレッシャーを与えて生まれた一打だったはずだ。

 決して派手さはない。だが、こうした記録には現れない“凡事徹底”がホークスの強さを支える礎でもある。改めて牧原大と川瀬が、ホークスの武器を示してみせた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)