小久保監督が前半戦を総括 山本祐大が与えた好影響…続々と明かされる“抜擢”の裏側「あれを見ると2軍に落とせない」

  • 記者:福谷佑介
    2026.07.26
  • 1軍
小久保裕紀監督【写真:井上学】
小久保裕紀監督【写真:井上学】

93試合を消化して首位…チームを変えた「潮目」

 ホークスは26日、西武戦(ベルーナドーム)を終えて前半戦の日程を終えた。3月27日からの開幕カードでは3連勝を飾ったが、4月は11勝12敗と苦しい戦いを強いられた。ただ、そこから徐々に息を吹き返し、93試合を消化して首位。31日の楽天戦(楽天モバイル最強パーク)からの後半戦、残り50試合でパ・リーグ3連覇の偉業に挑む。

 前半戦を終えたこのタイミングで小久保裕紀監督がここまでの戦いを総括した。チームを引っ張ってきた近藤健介外野手や栗原陵矢内野手をはじめ、大津亮介投手、前田悠伍投手らの評価を口にし、トレードで加入した山本祐大捕手が海野隆司捕手に与えた“好影響”についても言及。また12試合出場にとどまりながらも「2軍には落とせない」と、絶賛した若鷹も――。正木智也外野手の1番起用の裏側で存在した「もう1つの構想」、指揮官の中で生まれている「思考の変化」などについて語り尽くしたコメント全文は以下の通り。

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この先で分かる3つのこと

山本祐大が海野隆司を変えた?7年目に訪れた「ある変化」
出場12試合でも「2軍には落とせない」小久保監督が認めた捕手
1番・正木智也の舞台裏…指揮官が思い描いていたもう一つの構想
○テレビインタビュー
開幕からここまでを振り返って、手応えは。
「いつぐらいだろう。交流戦に入る前ぐらいまでは一進一退。勝って負けてを繰り返して、なかなかチームとして乗り切れないというか、戦い方が見えなかったんですけど、潮目が変わったのは(王貞治)レガシーデーのあの3日間の日本ハム戦。特に全員89番を着けたその日の試合(5月24日)、悠伍が満塁ホームランを打たれたところから逆転した。そういう目に見えない何かの後押しみたいなものも感じながらの戦いでした」
「そのまま交流戦に突入して(ロベルト・)オスナの働き、松本(裕樹)、杉山(一樹)と安定して、勝ちパターンのピッチャーが確立できた。そこに今は津森(宥紀)の状態であったり、(ダーウィンゾン・)ヘルナンデスの復帰で、勝ちはかなり計算できるようになって、戦い方はできてきている。課題は先発投手陣です。ここがしっかりしない限りは8月、9月の戦いは苦しいかなと思うので、先発投手陣をしっかり作り上げるところが課題かなと思っていますね」
今後の投手陣への期待は。
「上沢(直之)、悠伍、大津と3本はもう固まっているんで。そこに続くのがカーター(・スチュワート・ジュニア)なのか、松本晴なのか、今は上茶谷(大河)も先発に回していますけど、それこそ2軍から抜擢するのか、そういうところも含めながらになりますね。正直、去年は3週間ぐらい先までローテを組んでいたんですけど、今年は1週間先を組めない戦いを続けている。そこが見えてこないと、8、9月の戦いは苦しいと思うので、オールスターを挟んで、その辺のピッチャー陣でしっかり4、5、6番手を確立させたい。3人で回れるとは思っていないんですけどね。その残り3枠を4人、5人で争いながら、独り立ちというのが課題かなと思いますね」
打線では1番に正木選手が定着した。
「正木を1番に置くことによって、いきなり機動力という戦いができないんですけど、それよりもひとつ間違えば長打がある、あとは選球眼の良さ、出塁率の高さを含めて、1番として十分機能してくれています。あとは2巡目以降、9番が繋がると正木が返してくれるんじゃないかという期待感もある1番なので。(今後続けるかは)分からないですけどね。そういう点ではこのまま、今年は1番で、起用するかもしれないですね」
3番の近藤選手、4番の栗原選手も打線を引っ張った。
「ちょっと山川(穂高)が本来の状態、調子じゃなくて、今2軍に行かせていますけどね。彼が抜けた中でも、今の栗原、近藤の2人がチームをしっかり打線として引っ張った。前半戦は、試合の序盤で(大勢が)決まるゲームが多かったんですけど、それでも打たないと勝てないチームなんだからというところで、彼らと(周東)佑京が筆頭に立って、やってくれている。そこが今の貯金に繋がってるんじゃないですかね」
オールスターも挟んで、後半戦へ。意気込みとしては。
「とにかく周りのチームというよりは、それこそ本当に先発投手陣に誰を起用するかを一番、僕はもう注目して、考えながら、後半戦も戦っていきたいなと思っている。リードして終盤に入れば、しっかり自慢の勝ちパターンで逃げ切るという戦いをしたいなと思っています」
○ペン囲み
改めて、ここまでを振り返って。
「勝ちパターンの中継ぎを確立できたのが要因だと思いますね。あとは近藤、栗原が打線の中心で引っ張ってくれた。それがいいところだと思いますね」
先発陣が課題だと。その中で前田悠投手が台頭してきた。
「悠伍はこの4登板くらい、ゲームを支配するピッチングになっている。ただこの先、勝負の8、9月は先発投手が課題になる。6連戦が2週続くところもあるので」
上茶谷投手の貢献度も大きかった。
「キャンプ、オープン戦と先発で結果を残していたけど、6番目には入れなかった。ただ、2軍で投げさせておくにはもったいないということで、事情を話して中継ぎに入れた。ずっとその役割をやってきて、枚数が足りなくなって先発に回って結果を残してくれている。心強いですね」
野手では庄子選手が台頭してきた。
「守備、走塁はいいものを出してくれている。バッティングはだいぶバレてきたけど、そんなに簡単じゃないです。課題はハッキリしているので。守備は守備固めとして出しても心配ないくらいのものを見せてくれています」
5月12日、トレードでDeNAから加入した山本祐選手の存在は大きかった。
「途中(左手の負傷で離脱して)いなかったけど、海野(隆司)にはプラスになったんじゃないですか。海野中心に戻した後、(6月30日の西武戦で)平良から打ったのとか、その間の活躍ですよね。『こういうバッティングになったらどうや』というのを表現できるようになった。それは祐大のおかげじゃないですか」
ZOZOマリンの室内で、海野選手と話した内容がまさにそういうものだった。
「ずっと前から言っていましたけどね。それこそ2軍(監督だった)の時から言ってきたけど、やろうとせんかった。やっとやり出した、7年目にして」
渡邉陸捕手の頑張りもある。
「陸は出ない日は『上がり』という形でやっているけど、上茶谷の時に(マスクを)被った試合の姿がいい。あれを見ると、2軍には落とせない。頑張りを認めてあげないと、どこを頑張ればいいのかわからなくなる。彼の頑張りです。陸の頑張りがあるから、結果も出ているから2軍というわけにはいかないよねと」
正木選手が1番に定着したのも大きかった。
「正木が1番にハマったのは大きいです。(長谷川勇也打撃コーチ兼スキルコーチだけでなく)みんな(1番でと)言っていた。今の状態ならいいんじゃないのか、と。左(投手)が続くところでもあったので。本当は柳田(悠岐)が1番でもいいかな、と思っていたけどね」
従来の足が速い1番とは異なるタイプ。
「佑京が(1番に)入ったら戦いは変わる。ただ、今は(投手の)クイックが速くなって、スチールも難しくなっている。ベースが大きくなって(盗塁が)増えると思ったら大間違い。レベルが上がっています」
先発で言えばリバン・モイネロ投手の復帰が近づいてきた。
「モイネロは順調にいけば、後半戦のプラスになる。何回投げてくれるかわからないけど、貯金を作ってくれれば」
長谷川コーチは打順は1番から決めると。
「俺は4番から決めるけどね。ただ、今はそんなにこだわりがなくなってきた。考えは柔軟になってきた。中心の選手は全試合に出て、代わらない、と教わってきたけど、古き良きもので、押し付けても良くないので。休ませるところは休ませようと思うようになりましたね。栗原とかは休ませないけど。柳田は週5回は守れないでしょ。週2、3回くらいなんで」
先発ローテーションはゆとりを持って回してきた。
「ゆとりを持っていたわけじゃないですよ。6枚で回れる投手がいなかった。ただ、そこは求めていないので。マウンドにいい状態で上がるには、何日あればできるか。投げ抹消を使いながら、7、8枚でやってきた」
開幕前に話していた、日本ハムに移籍した有原航平投手の穴は埋まったか?
「埋まっていないでしょう。上沢は離脱があったし、大津と悠伍くらいでしょう。逆に(先発投手にとっては)チャンスじゃないですか。上茶谷がこのまま掴むかもしれないしね」
今年は野手ミーティングは頻繁にやっている?
「そんなにやっていないですよ。チーム状態が悪くて話したのは京セラでの1回だけ。その時も投手陣が打たれた試合で、なんで野手集めるねん、っていうタイミングだった。伝えたいことがある時だけ。毎日グラウンドで話すし、グラウンドで終わる話なんで」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)