柳田悠岐が取り返したい「キャンセル料」 “最後の1人”で夢舞台へ…「戸惑いました」と語ったわけ

  • 記者:竹村岳
    2026.07.22
  • 1軍
プラスワン投票でオールスターへの出場が決まり会見に臨んだ柳田悠岐【写真:栗木一考】
プラスワン投票でオールスターへの出場が決まり会見に臨んだ柳田悠岐【写真:栗木一考】

巨人・坂本勇人との選出「お互いに同じ気持ち」

 日本野球機構(NPB)は22日、「マイナビオールスターゲーム2026」の出場選手を決めるプラスワン投票の結果を発表。パ・リーグはソフトバンクの柳田悠岐外野手、セ・リーグは巨人の坂本勇人内野手が選出された。“最後の1人”という形で出場が決まった柳田にとって、9度目の夢舞台。率直な思いで、意気込みを語った。

「もう出ないものだと思っていたので。びっくりして、戸惑いました」

 今季は77試合に出場して打率.257、11本塁打、36打点。開幕から打線の中軸に座り、首位を走るチームを力強く支えている。球宴では2014年、2022年、2023年と過去3度もMVPを獲得している背番号9。「打席に立つ機会があれば打てればいいなと思いますし、(ホークス勢の)誰かが賞を取れたらと思いますね」と頷いた。

 今年は東京ドームと富山での開催。「富山は1年目、フレッシュオールスターに出た時に行きました。サンダーバードに乗った記憶があるので、それが楽しみです」とニッコリ語る。「戸惑いました」という偽りのない思い。そこには、いかにも柳田らしい背景が隠されていた。取り返したいのは「キャンセル料」だ。

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家族との旅行がキャンセルとなり「戸惑うでしょう」

「戸惑うでしょう。マジで。もう予定も入れていたので。びっくりしましたよ」

 7月26日の西武戦(ベルーナドーム)を終えると、4日間は1軍の試合がない。ホークスでは毎年このタイミングで「連休」が与えられるが、柳田も家族と旅行の予定を入れていた。「オールスターに出ない人は、みんなそうだと思いますよ」と語るほど。驚きの形で出場が決まり、ファンのために夢舞台に立つことになった。

「できれば賞を取りたいです。キャンセル料、取り返しに行きます(笑)」

 巨人から選出されたのは1988年生まれの同学年である坂本。「彼もキャンセル料を取りに来るんじゃないですか」。連絡は取ったのか。そう問われた背番号9は「それは言えないですけど、お互いに同じ気持ちでいくと思いますよ」と含みを持たせながら話していた。

 何度も経験したオールスターだが、記憶に刻まれているのは初出場の2014年だという。「すごく緊張していたので、それが一番覚えていますね」。阪神甲子園球場で行われた第2戦ではMVPを獲得し、一気にスターの道を駆け上がった。12年の時が経ち、プロ16年目のシーズンを過ごしている。「昔は(オールスターのタイミングで)同級生みんなでご飯を食べたりしましたけど、どうしましょうかね」。苦笑いする表情はまた、どこか懐かしそうだった。

 プラスワン投票での選出は、まさにファンの「柳田が見たい」という気持ちが詰まっている証。「ファンあってのプロ野球なので、すごくありがたいですね。(自分の)数字自体は残っていないんですけど、それでも票を入れてくださった方々がいたと思うので。そういう方のためにプレーできたらいいなと思います」。過去3度、MVPを獲得した時の賞金は300万円だった。家族とファンのために、柳田が夢を叶えに来る。

(竹村岳 / Gaku Takemura)