正木智也の本音「次の日も怖い」 大ブレークの裏で…気持ちを軽くする“先輩たち”の存在

  • 記者:竹村岳
    2026.07.19
  • 1軍
2試合ぶりにスタメン復帰し二塁打を放つ正木智也【写真:栗木一考】
2試合ぶりにスタメン復帰し二塁打を放つ正木智也【写真:栗木一考】

2試合ぶりのスタメン起用…自打球の影響は?

 逆転の機運を作り出す貴重な一打を放ちながらも、試合後の表情に油断は一切なかった。接戦を制した18日のロッテ戦(ZOZOマリン)、反撃の口火を切ったのは2試合ぶりのスタメン起用となった正木智也外野手だった。2日前に味わったベンチスタート。26歳が明かしていた本音は「次の日も怖いですよ」――。

 1点を追いかける3回無死。右腕・廣池の直球を振り抜くと、打球は瞬く間に左中間を抜けていった。打球速度174キロの強烈な二塁打を足がかりに、チームはこの回3得点で逆転に成功。「先頭だったので、長打で塁に出たかったです」。5打数1安打に終わったが、2試合ぶりのスタメンで響かせた快音はチームにとっても正木にとっても価値があった。

 7月15日の日本ハム戦(エスコンフィールド)で自打球を受け、思わずその場に倒れ込んだ。5月15日に1軍昇格を果たして以降、46試合連続でスタメン起用を重ねてきたが、翌日は欠場。「明後日(7月18日のロッテ戦)から出るつもりでやります」。そう意気込んでいたのは、決して“強がり”ではない。12本塁打を放つなど欠かせない存在として打線を引っ張りながらも、正木は偽りのない本音を漏らしていた。

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この先で分かる3つのこと

大ブレークの裏で抱く極限の必死さ「次の日も怖い」
どんな展開でも貫くフルスイング…矜持が見えた11号
欠場から2日後…試合後に語った「自打球の影響」は?

欠かせない存在になっても「今も必死です」

「多少の余裕は出てきましたけど、今も必死ですね。1試合でもヒットを打てなかったら、やっぱり次の日も怖いですし。最初よりは余裕も出てきましたけど、まだまだ目の前のプレーに必死に、集中しないといけないです」

 5月15日の楽天戦(楽天モバイル最強パーク)から約2か月に渡って、リードオフマンとして起用されてきた。チームは6月30日に首位へと浮上し、2位の西武に今季最大の4ゲーム差をつけている。躍進を支えている正木の存在だが「いやいや、全打席必死ですよ」と誰よりも気を引き締めている。自分の役割に集中して打席を迎えられるのは、頼りになる“先輩たち”が後ろにいるからだ。

「近藤(健介)さん、栗原(陵矢)さんが全部返してくれると思えば、打席でも余裕は少し出ます。周東(佑京)さんやギーさん(柳田悠岐)、頼もしい人たちが後ろにいるので。ノーアウトランナーなしで回ってきたら『次につなげよう』という意識で、自分の結果が良くなることもあるので。先輩たちの存在が大きいですね」

 自打球の影響で、16日の日本ハム戦は欠場。ベンチから眺めたこの一戦を「痛かったので仕方ないです」と振り返ったが、たった1試合といえどもグラウンドから離れたくはない。千葉で響かせた快音は、新しい一歩になるはず。「足はもう全然大丈夫です。なんともないです」とキッパリ言い切った。

二塁に滑り込む正木智也【写真:栗木一考】
二塁に滑り込む正木智也【写真:栗木一考】

8点ビハインドで放った11号ソロ「ホームランを狙った」

 どんな展開になろうと、バットを握ればアピールのチャンスだ。「毎打席、必死です」――。その言葉が結果に現れていたのが、今月4日のロッテ戦(みずほPayPayドーム)だった。9回1死で左翼席に飛び込む11号ソロを放った正木。飛距離は135メートル、打球速度は180キロを計測する驚愕の一打だった。ゲームセットまであとアウト2つという状況の中、チームのため、そして自分自身のために思い切りバットを振り抜いた。

「なかなか見どころを作れずにいて、8点差だったので。あの打席は結構、ホームランを狙っていました。塁に出てランナーをためるというよりは『明日に向けて勢いづけたろ』と。それはチームに対してもですけど、主に自分に対してですね。次の日にもつながるように、ホームランを狙った打席でした」

 結果を残すにつれ、相手チームの攻めも厳しくなっていく。「あの時も、かなりインコースに来ていて。なんかちょっと(自分も)キレ気味だったので。インコースを思いっきり打った感じでしたね」。自身が語った言葉の通り、翌5日に打線は7得点。正木も内野安打で出塁すると、近藤の3ランでホームを踏み、得点に絡んでいた。どんな展開でも“必死”にプレーすることが、確固たるレギュラーの座へと近づく道。自らが掲げる目標に向けて、1つずつ歩を進めていく。

 長打力だけではなく打率.302、出塁率.401と役割を果たし続けるリードオフマン。一切の「隙」を見せない先輩たちのようなレギュラーになるために。正木は変わらずに“必死”を貫いていく。

(竹村岳 / Gaku Takemura)