大津亮介が崩れ落ちた意外な理由 助っ人に2打席連続被弾…インハイを続けたその真相

  • 記者:福谷佑介
    2026.07.11
  • 1軍

楽天のマッカスカーに内角高めの真っすぐを2打席続けて本塁打にされた

 痛烈な一発を浴びた右腕はマウンド上にしゃがみ込み、信じられない、といった表情で打球の行方を見つめた。助っ人外国人に浴びた2打席連続本塁打。普段あまり見られないようなリアクションが出たのには、明確な理由が隠されていた。

 10日にみずほPayPayドームで行われた楽天戦。大津はカード頭という大きな役割を託されて先発のマウンドに上がった。初回は危なげなく3者凡退。「状態は別にそんなに悪くなかったと思います」。安定感抜群の立ち上がりを見せた右腕だったが、直後にペースを狂わされた。

 痛い一発を浴びたのは、1点を先制した直後の2回だった。先頭・マッカスカーへの初球。インコース高めへの真っすぐを完璧に捉えられた。打球は左翼ポール際のスタンド中段に着弾。打球速度182キロ、飛距離130メートルの特大アーチだった。

 さらに4回、またしても先頭で迎えたマッカスカーに今度は左翼スタンド中段へと運ばれた。打球速度183キロ、飛距離131メートルと、再びの特大弾。1ボール1ストライクからの3球目、1本目と同じインコース高めへの真っすぐを弾き返された。

「あのホームランは別に、僕的には甘く入ったボールじゃないし、割り切って投げました」

 試合後、大津は淡々と振り返った。浴びたホームランに悔しさは滲ませつつも、その攻め方を悔いる様子はない。マウンド上に崩れ落ちたのは、意外な理由からだった。

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 2打席続けて痛打を浴びたインコース高めへの真っすぐ。コンビを組んだ海野隆司捕手の構えた通りのコースだった。大津はこう語る。

「データ的に、あのコースを引っ張ってホームランにするっていうデータもなかったですし、お互い納得しての配球だった」

【マッカスカーのコース別ヒートマップ 株式会社DELTA提供】
【マッカスカーのコース別ヒートマップ 株式会社DELTA提供】

バッテリーにとっては意図通り投げたボールを完璧に打ち返された

 ホークスとマッカスカーの対戦はこの日が2試合目で、前回顔を合わせたのは開幕してすぐの3月31日。その後すぐに打撃不振で2軍に降格しており、今回はまるで別人だった。大津も「(対戦前と)イメージが違いました」という。

 他球団との対戦を含め、ここまでのデータではインコースの高めを苦にしている傾向が出ていたという。実際にマッカスカーのコース別打率を見ても、インコース高めのボール球は打てていない。同じ内角でも低くなると危険度は増すが、高め、特にストライクゾーンから1つ高いボール球は有効で、チームとしての攻め方でもあった。
 身長203センチの体格を誇り、リーチの長さもある。体に近いところを攻めるのは定石で、データにもそう出ていた。バッテリーにとっては、意図通り投げたボールを完璧に打ち返されたのは、言うなれば“想定外”。どこか恨めしげな右腕の反応は“なんでそこを打てるんだよ”という心境を表していた。

 マッカスカーは8回の第4打席でも、松本裕樹投手の外角のスライダーをスタンドまで運び、この日3本塁打。今後の対戦では要注意の打者となってくる。

 大津はこう言った。

「チェンジアップを出し惜しみしすぎたなっていう後悔は少しありますけど……。ああやって3打席目にチェンジアップがしっかりと効くというのも分かったので、今後また注意していきたいなと思います。インコースにいかないで外だけの配球になっちゃうと、初球の外のスライダーに張られて、ああいうバッティングに変えられちゃう。やっぱりインコースは捨てずに通していけたらいいなと思います」

 この経験は無駄にはしない。勝負の終盤戦に向けて、この手痛い記憶は次の対戦への糧になるはずだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)