栗原陵矢「あのミスはずっと頭に」 上沢直之を救う守備…脳裏に刻まれた“ワンプレーの重み”

  • 記者:竹村岳
    2026.07.08
  • 1軍
4回1死一、三塁で三ゴロを処理した栗原陵矢【写真:栗木一考】
4回1死一、三塁で三ゴロを処理した栗原陵矢【写真:栗木一考】

指揮官も唸った4回の守備…栗原陵矢のワンプレー

 今も胸に刻んでいる痛恨のミスがある。選手会長に就任して始まった2026年。最後の瞬間まで忘れることなく、一球にこだわり抜くつもりだ。6-3で勝利した7日のオリックス戦(京セラ)。3安打4出塁という活躍に加え、守備面でも貢献したのが栗原陵矢内野手だ。

 先発は上沢直之投手。初回と2回に失点を喫し、落ち着かない立ち上がりを見せていた。逆転に成功し、1点をリードした4回も2安打を浴びて1死一、三塁のピンチを招く。ここで宗の打球が栗原のもとに飛ぶと、冷静に本塁へ送って2つ目のアウトを奪った。結果的に無失点に抑えた上沢に対して、小久保裕紀監督も「力がある証拠」と頷いた試合の分岐点。終盤までもつれる展開となっただけに、勝敗を左右する場面であったことは間違いない。

 栗原はここまで全77試合に出場し、三塁守備についたのは74試合。ゴロを処理した際に記録される「補殺」は7日の試合前時点でリーグトップの111をマークしており、首位を走るチームを攻守で牽引している。そんな背番号24にとって、忘れてはいけないプレー。栗原の2026年は「あのプレーから始まったので」――。

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この先で分かる3つのこと

淡々と振り返った4回1死一、三塁の守備
「重みは変わらない」今も胸に刻むミス
上沢直之が明かす…狙い通りに仕留めた「シュート」

3月27日の開幕戦…先頭打者の打球を弾いてエラー

「もちろん、あのミスは(頭に)ありますし、これから先もずっとあります。(エラー1つの)重みというのは変わらないですけど、自分の立場であったり、見られ方が違う部分はあると思うので」

 悔しさをこめながら振り返ったのは3月27日、日本ハムとの開幕戦だ。マウンドに立っていたのは、この日と同じく上沢。プレーボールがコールされシーズンが始まると、その2球目。水谷が放ったゴロを栗原が弾いてしまい、続く清宮には先制2ランを被弾した。3時間11分のゲームを白星で飾った試合後。1号2ランを放った背番号24の表情は暗く「自分の技術不足です」――。言い訳することなく、真っすぐに結果を受け止めていた。

 開幕してから102日が過ぎ、2位の西武に3ゲーム差をつけて首位を走っている。この日の4回に見せた守備。「そこまで走者と被っていたわけではなかったので、大丈夫でした。(ピンチをしのいだのは)上沢さんの力ですし、僕らは一生懸命にやるだけです」と淡々と振り返った。上沢にとっても、右肘の違和感から復帰して3試合目。エースを救うワンプレーになったのは間違いない。

「目の前のアウトを取ることに集中していますけどね」。リーグトップの24本塁打を放ちながらも、今も自らを突き動かす原動力となっている開幕戦のエラー。なぜそんなにも強く、胸に刻み込んでいるのか――。「1人の選手として、決して良くないプレーだったので。常に思いながらやっていきたいと思います」。バットはもちろん、守備でも投手を力強くサポートしていく。

4回に2つ目のアウトを奪った上沢直之と海野隆司のバッテリー【写真:栗木一考】
4回に2つ目のアウトを奪った上沢直之と海野隆司のバッテリー【写真:栗木一考】

上沢直之も笑顔で「あれはイージープレーです」

 立ち上がりを修正し、5勝目を手にした上沢。栗原の守備について「今日のあれはイージープレーです」と笑いながら振り返る。そのうえで「上手くシュートを打たせることができたので。ゴロになるボールをしっかりとイメージしながら投げて、ゴロに仕留められたのは良かったなと思います」。左打者の宗に対して、アウトコースに逃げていく軌道を描くボール。右腕にとっては、三塁方向に打球が飛ぶことを想定して投じた一球だった。

 9回2死満塁のピンチ、太田の打球をスライディングしながら掴み取ったのは中堅の周東佑京外野手だった。投手も野手も、要所で粘りを見せて競り勝った一戦。9安打6得点を記録した打線には、上沢も感謝の思いを口にした。

「僕も立ち上がりに点を取られたんですけど、その後にすぐ逆転してくれたので。さすがに『ここからは絶対に逆転させないぞ』というか、『このまま勝ち切るんだ』という思いで投げていました。最近はずっと打線の方が僕たちを援護してくれている。本当に頼もしい限りですし、僕らも頑張って、打線が苦しい時には助けられるようにしたいです」

 3安打4出塁の栗原は「毎回いい打席にしたいと思っています」と頷き、バスに乗り込んだ。パ・リーグ3連覇という目標を、必ず叶えてみせる。選手会長の表情に、油断の2文字は一切なかった。

(竹村岳 / Gaku Takemura)