城島健司CBOも絶賛…成長を遂げた「試合前練習」の裏側
選手の知られざる本音に迫る新連載「鷹フルnote」。今回は、庄子雄大内野手の登場です。昨オフに掲げた「スタメン20試合」という目標を叶え、23歳が見据える次のステージ。そして「今日全力を出さないと、明日はない」という悲壮な決意を口にした理由とは? 真面目で実直。チームを引っ張る若鷹の素顔を紐解きました。
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「スタメン20試合」という目標を掲げたのは、昨年12月の契約更改だった。「いきなり試合に出るのは難しいことですけど、しっかりと結果を残しながらその座を狙っていきたいです」。遥か先ではなく足元を見つめ、コツコツとそこに近づいていく。庄子らしい目標設定でもあった。
1年目だった昨シーズンは25試合に出場。そのうち、スタメン起用は3試合で、与えられた打席数はわずか「17」だった。ほとんどの起用が守備と代走。出番がない日もあった中で、庄子は試合前の練習から、常に「全力」を注ぐことを怠ることはなかった。
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この先で分かる3つのこと
・庄子雄大が試合前練習に「全精力を注ぐ」理由
・地道な日々の中で実感した自身の成長「毎日新しい発見」
・本多コーチの笑顔と「よっしゃ!」、胸に刻んだ成功体験
練習の日々が続いても「つまらないという感情は一切ない」
「とにかく数を受けて、体が覚えるまで練習するしかなかったので。試合前練習に全精力を注ぐ、というわけではないですけど、それくらいの意識でやっていました。もちろん試合になれば自分の役割があるんですけど、練習から全力を出すことは去年からずっとやっていたことなので。それが結果として、今になっていい方向にいっているのかなと思います」
スタメン起用のチャンスが回ってくるのを待っているだけではいけない。自ら掴みにいくためには、成長していることを練習から示し、首脳陣にアピールしなければならなかった。その姿にはフロントのトップである城島健司CBOも「昔はゲームに出ないと上手くならない、というのがあったんですけど、今はそうではない。守備指標が上がっているのも、彼が練習から頑張ったからですよ」と唸っていた。
プロ野球選手なら、誰しもが出番を求めるもの。2軍では60試合に出場したが、1軍では25試合にとどまった。「練習に全力を注ぐ」という姿勢は今も同じだが、チャンスを待ち続ける日々の心境は簡単ではなかったはず。それでも庄子は、表情を輝かせて自らの道のりを振り返った。
「毎日、新しい発見がありました。練習がキツいと思うことはあるんですけど、つまらないという感情は一切なくて、むしろ楽しかったです。日に日に上手くなっている自分もいましたし、自分目線で見ても成長を感じられていたので。特に負の感情はなかったです。本当にやり方次第というか、いろいろと工夫はあるのかなとは思いますね」
忘れられない昨シーズンの一打「よっしゃ!」
宿題は直前ではなく、事前に終わらせる派。同じことをコツコツと続けられるのが、庄子の強みだ。継続力の“源”を問われると「練習を続けて、結果が出るようになったという成功体験です」と言い切った。胸に刻まれているのは昨年9月28日の西武戦(ベルーナドーム)、リーグ優勝を決めた翌日の一戦だ。7回1死一塁で左中間に放った適時二塁打に、自分自身の“成果”が詰まっていた。
「今でも打ったボールとか、その後の景色は覚えていますね。印象に残っています。タイムリーもですけど、守備でも本多(雄一)コーチと練習してきたことが1軍の試合でできたので。いろんな意味で成功体験かなと思いますし。タイムリーを打った後、二塁で防具を外しながら。本多コーチがめちゃくちゃ笑顔で『よっしゃ!』って言ってくれたのも嬉しかったですね」
2026年は、ここまで46試合に出場して打率.263、0本塁打、9打点、9盗塁。スタメンとして起用された20試合目は、5月31日の広島戦(みずほPayPayドーム)だった。掲げてきた目標を叶えても、全力を尽くす庄子のスタンスは変わらない。「まずは明日の1試合を全力でやり切ることが目標です。『今日全力を出さないと明日はない』という思いで日々を過ごしているので、そこは変わらずやっていきたいです」。これからも目の前の全てが勝負だ。
グラウンド上で表情は崩さないクールな23歳。「(熱い思いは)それは練習でも試合でも、ずっと持っていますよ。『その日の試合にかける』という気持ちでやっているので。あまり表には出さないかもしれないですけど、ちゃんとそういう思いでプレーしています」。どんな時も絶対に手を抜かない庄子の姿は、ホークスの野球を象徴している。
(竹村岳 / Gaku Takemura)