支配下期限まで残り2か月…「色んな気持ちにはなる」
豪快な一打に笑みが溢れた。支配下選手登録の期限まで、残り2か月を切った中、好調をアピールしたのが3年目の大泉周也外野手だ。「気合入ってますよ」。ひとつの節目を迎える今季。26歳が語ったのは自分自身との誓いだった。
3日に行われた阪神との2軍戦(SGLスタジアム)。1点を追う5回、大泉は右翼へと突き刺さる強烈な一発を放った。今季はここまで25試合に出場し、打率.333、3本塁打。特に直近6試合では打率.473、2本塁打、長打率.947と驚異的な数字を叩き出している。
3度目となる支配下登録の期限が迫る。「どんどん期限が迫ってくると、色んな気持ちにはなるんですけど……」。期待、不安、焦り。様々な感情を抱く中、打席へ向かう姿勢と佇まい、そしてブレない表情の裏には大泉が今シーズン、自らに課した約束があった。
会員になると続きをご覧いただけます
この先で分かる3つのこと
大泉が好調を維持するため今季から見直した「ある事は
斉藤2軍監督がミス直後の一発を絶賛した「真の理由」
スタッフも感銘を受けた大泉が裏で見せる「意外な姿」
指揮官も絶賛した姿…「コツコツ続けている」
「『やる』と決めたことを最後まで信じてやりたいんです。この2か月で打てなくなってきても、光が見えてきたとしても、継続してやりたいことがある。結果なので、(支配下に)上がる、上がらないは。自分がコントロールできることに集中したいです。どこにいてもやることを変えないっていうのは、今年の春先から自分自身に誓っていたことなので」
昨季までの2年間は、昇格や降格に感情の波があったと振り返る。「『うわぁ、3軍か……』って思ったり。そういうのはありました」。だが、今季は違う。「そんな暇があったら、今やっていることをやっていきたい、という考えに至りました」。練習、ドリル、トレーニングと、目の前のことに集中する。私生活も見直してきた結果が、現在の好調につながっている。
この日の本塁打には、斉藤和巳2軍監督も太鼓判を押した。「あいつはコツコツ続けているんで。本当にがむしゃらにやっている。特に今日は左ピッチャーから打った。左ピッチャーに対する打率があまり良くなかったけど、特徴を出せてよかった」。
4回の守備では右翼線の打球を処理する際、ボールが手につかずに三塁への進塁を許す場面もあった。それでも大泉が下を向くことはなかった。この姿に指揮官も「切り替えて打席に入って、ああいう結果が出たことは自信にしてもらって。反省すべきところは反省して。いいバッティングだったと思います」と目を細める。
グラウンド外の行動がもたらす「ブレない芯」
大泉の考えの根底には「感謝心」がある。今季の心境の変化は、グラウンド外での些細な行動にも表れているという。スタッフの1人は、大泉が率先して掃除をする姿を目撃していた。
「特にそんなに意識してやっているつもりはないんですけど、昔からそういうのは大事にしているつもりです」
本人は素っ気ない。だが、高校時代に叩き込まれた“感謝する心”を持つという人間的な土台は、確実に現在のプレースタイルにも芯を通している。
「『良かったから今日はいいや』『悪かったから特別これやろう」ではなくて、今年は一定でやっていきたいという思いがあります。そこを意識的に継続したいですね、あと2か月……」
小さなことでもコツコツと積み重ねてきたからこそ、今の大泉がある。他が目を向けないような細かなところにも気づけるからこそチャンスもモノにできるはずだ。ひたすらに、自分自身に誓った生き方を信じて、シーズンを駆け抜ける。二桁番号を背負う日を期待せずにいられない。
(飯田航平 / Kohei Iida)