「ギータさんと同じだった」 死球離脱から2か月…緒方理貢が明かした現状「骨も神経も」

タマスタ筑後でリハビリする緒方理貢【写真:竹村岳】
タマスタ筑後でリハビリする緒方理貢【写真:竹村岳】

3月27日の2軍戦で死球を受けて途中交代…翌日は松葉杖

 1軍の大歓声からは遠ざかり、タマスタ筑後で静かな日々を送っている。「もどかしいですけど、我慢しながらやっています」。胸中を明かしたのは緒方理貢外野手だ。

 3月27日に行われたファーム・リーグのオリックス戦(タマスタ筑後)で右足に死球を受け、途中交代となった。翌日には松葉杖をつきながら病院を受診。みずほPayPayドームでリハビリをスタートさせた「必ず這い上がります」――。自らに言い聞かせるように、力強い口調でそう言い切ったのが、4月24日の出来事だった。

 4月下旬からはタマスタ筑後に場所を移し、現在はボールを使った練習も再開させている。死球による離脱からもうすぐ2か月。明かしたのは、驚愕の事実だった。昨年の柳田悠岐外野手と「同じ」症状――。一体、緒方の身に何が起こっていたのか。

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この先で分かる3つのこと

柳田悠岐と同じ症状。右足が「おかしくなった」
自らの武器を研ぎ澄ますために必要な“我慢”
磨き続ける勝負師の読み。毎夜楽しみな1軍戦

症状がぶり返したことも…「難しいです」

「腓骨なんですかね。最初はギータさんと同じで、とにかく内出血がひどくて。それが引くのも時間がかかった。筋肉も神経も、骨もおかしくなっちゃっていたので。時間が必要だなという感じです」

 右足のくるぶしよりも少し上を触りながら、そう語った。昨年4月、右足に自打球を受けて戦線離脱した柳田は「最初の2週間は『入院した方がいいんじゃないか』というレベルだった。寝たきりでトイレも風呂もなかなかキツい感じだったので」と明かしていた。緒方も「僕も最初はちょっと痛くても早く戻りたいという気持ちの方が強かったんですけど……」。多少の痛みがあってもプレーする男が、ブレーキを踏まざるをえなかった。それほどに痛みは引かなかった。

 2024年3月に支配下登録されてから、緒方はほとんどの期間を1軍で過ごしてきた。最大の持ち味は積極的な走塁と堅実な守備。「僕は打ったら1軍にいけるような選手ではない。スピードを求められているので、ちゃんと走れるようにならないと」。前のめりになる気持ちを抑え、今は回復に努めている。

 右足の状態は一進一退。グッと状態を上げていけそうなところで、症状が“ぶり返した”こともあった。「ギーさんの前例もあるので。痛みもその時の動きによって違いますし、ちゃんと治してから復帰した方がいいんじゃないかという判断です。足が思うようになってくれないので、難しいですね」。続けて明かしたのは、本心だった。

「最初から足を着くのもキツかったですし、ずっと痺れがあったので。長くかかるなというのは覚悟していました」。死球という不慮の形での離脱にも「それは相手も必死ですし、お互いに一生懸命プレーした結果なので」と冷静に受け止めている。

4月下旬からタマスタ筑後でのリハビリをスタートさせた緒方理貢【写真:竹村岳】
4月下旬からタマスタ筑後でのリハビリをスタートさせた緒方理貢【写真:竹村岳】

日々の楽しみは「1軍の試合を見ること」

 まだまだできることが限られている状況。モチベーションは、1軍の試合を日々チェックすることだ。「今はそれが1日の楽しみですね。(小久保裕紀)監督のコメントも見ながら、頭に入れています」。複雑な感情を抱きながらも、チームの勝利、そして選手たちの活躍を純粋に喜んでいる。「誰かが打って悔しいというよりも『すげえバッティングだな』とか。羨ましさはありますけど、後ろ向きな気持ちは全くないです」ときっぱり言い切る。

 試合を見ながらイメージを膨らませるのは、自分がいればどうするか。首脳陣が緒方を求めるタイミング、試合が動く分岐点。画面越しに目を凝らして、すぐさま復帰できるだけの準備は怠らない。「僕はゲームの後ろの方から出ることがほとんどなので。“読み”というか、今まで経験してきたことを思い返している感じですね」。自分自身のワンプレーが、チームの勝敗を左右する。1軍の舞台で味わった熱狂は、リハビリを過ごす上で大きなモチベーションとなっている。

 4月に自身が口にした「這い上がります」という言葉。その真意を改めて語った。言葉にできないあの重圧を、27歳の心は求めている。

「もう1度、あのヒリヒリ感を味わいたい。寝る時にも、考えるんですよね。今は怪我で何もできないですけど、自分がその時に出ていた映像をふと思い出してしまう。そこにワクワクしている自分もいますし、シンプルに早く野球がやりたいです。歓声を浴びてプレーしている先輩たちを見ていたら『すごいことをしているな』と思うので。それは離れてみて感じたこと。僕も必ず、もう1回立てるように」

 眠りに就く前に、思い出してしまう興奮の瞬間。もう1度、グラウンドを全力で駆け回るために。緒方理貢は必ず、ここから這い上がる。

(竹村岳 / Gaku Takemura)