先発調整を徹底解説、上沢直之が過ごす“中6日” 味付けまでこだわる登板当日の「勝負メシ」

  • 記者:飯田航平
    2026.04.30
  • 1軍
先発投手練習で大津亮介と談笑する上沢直之【写真:竹村岳】
先発投手練習で大津亮介と談笑する上沢直之【写真:竹村岳】

開幕投手・上沢が参考にした調整方法

 プロ野球の長いシーズンを戦い抜く上で、先発ローテーションを守り続けることは至難の業です。マウンドでの一球一球の裏側には、一般的には「中6日」という登板から次の登板までの時間の中で、緻密に計算された準備と調整が隠されています。ホークスが誇る先発投手陣は、どのようにして心身を研ぎ澄ませ、次なる“白星”へと向かっているのか。そのリアルな舞台裏に迫ります。

 第1回に登場するのは、今季の開幕投手を務めた上沢直之投手です。明かしたのは、プロフェッショナルとしての徹底した自己管理術でした。登板翌日から始まる繊細な体の変化への対応。あえて登板直後に負荷をかけるウエートトレーニングの真意。そして“勝負飯”へのこだわりまで――。百戦錬磨の右腕が実践する、マウンドへの1週間を紐解きます。

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この先で分かる3つのこと

・「当日はこれ」と決めている、エースの執念が宿る勝負メシ
・上沢が「やりすぎ」と驚愕した、後輩右腕の凄まじい練習量
・疲労の正体を見極める。登板直後に筋トレを課す独自の理論
上沢投手が中6日の過ごし方で一番大事にする日は?
「特にどの日が大事とかはないです。全部を大事にしています」
登板翌日はどのようなことを意識して練習する?
「体の確認です。軽くキャッチボールをしたり、関節を動かしたりして、なるべく体を固めないようにしています。ある程度動いて、関節をほぐすようなイメージで練習しています」
登板2日目をオフにしている?
「僕は2日目は動きます。今週は3日目を休みにします。投げるローテ、投げる曜日によって変わる感じです。自分が投げる曜日で休みの日は変えています」
休みの日はしっかり体を休ませる?
「完全休みです」
休みの過ごし方で大事にすることは?
「特に何にもしないです。しっかり休むことだけです」
休みの日の翌日はどのような練習をする?
「休み明けなので、体のチェックとか。だいたい登板の翌日くらいには、体のどこが疲れているとか、先週の疲れがどの辺に残っているとかがわかるので。そこを確認しながら練習しています」
例えばお尻が張っているとか、肘が張ってるとか、そういう状態を確認しながらということ?
「そうです、そうです。そこをトレーナーに治療してもらってという感じですね」
5日目はどのような練習を意識する?
「その翌日は、もうピッチングです。自分のコンディションや体の状態を見ながら技術的なことや、やりたい練習をやるという感じです」
ピッチング練習での球数は決めている?
「だいたい50球以内ですね」
30球でやめる時も?
「あります、あります」
そこは状態次第?
「必要あるなと思ったら投げますし、必要ないなと思ったらやめます。でも50球を越えることはないです」
登板前日は?
「登板前日は肩肘を使わないように。キャッチボールも少なめにしています」
1週間の中で食事に気を使う部分は?
「登板が近づいたら、やっぱり脂っこいものは食べないようにしています。あとは、当日はパスタにしています。登板当日のご飯と、前日の夜はなるべく消化にいいものを摂るようにしていますね」
毎週のパスタは味を変える?
「いや、僕はペペロンチーノが好きなので、だいたいペペロンチーノですね」
他に、1週間の中で決まった食事は?
「それ以外はないですね。パスタだけです」
登板したあとのウエートがルーティンとなっている。それはずっとやってきた?
「去年くらいからですかね……。あ、いや、やっていました。日本ハムの時もやっていました。シーズン中に体をデカくしたいので。フィジカルを強くすることに結構重きを置いているので、大事かなと思います、僕は」
ピッチャーによってそれぞれ調整方法があると思うが、上沢投手にしかない調整方法はありますか?
「えー、なんだろう。そんなに特別なことはないと思います」
調整方法において参考にした投手はいる?
「結局、野球ってフィジカルだなと思うので。スギ(杉山一樹投手)のウエート量を見ていると、あれくらいやったら、あんなすごいボールが投げれるよねって感じですし。アメリカでもやっぱりみんな体がデカかったので。そもそもが、そういうのを参考にしてというか。スギはやりすぎですけどね(笑)あれは堪えられないですよ、なかなか。普通の人があの量をするのは(笑)」
シーズンを通して体をデカくしたいということは、登板後もマックスパワーに近いところでやる?
「神経系の疲労が残らないように、追い込んでいく。さすがにオフシーズンほどはできないですけど。少し回数を減らしつつ、しっかり重さも持つという感じです。神経系の疲労って難しいんですけど、肉体的な疲労と神経系の疲労は違っていて。体は元気だけど、なんか体が重いとか、動かせないとか。それが神経系の疲労ですね」
神経系への負荷をかけないように肉体系の負荷をかけていく?
「体を大きくしたいな、というか。減ることはさせたくないので」

(飯田航平 / Kohei Iida)