胸を張って語った“自信”
心は熱く、それでいて静かに昇格の時を待っている。現在ファームで調整を続ける津森宥紀投手が、自身の現状と1軍への思いを明かした。言葉の端々から伝わってきたのは、現状に対する悔しさよりも、確かな手応えだった。
「状態はいいですよ。オープン戦の中盤から徐々に上がってきて、今はもういつ呼ばれてもいいくらいです」
力強く言い切った右腕。ここまで2軍では6試合に登板し、計9イニングを投げて防御率0.00と抜群の安定感を見せる。その背景には、取り組みの“変化”があった。中継ぎとして2イニングを投げるなど、1軍のニーズに応えるべく、新たな役割にも果敢にチャレンジ。体づくりへの意識もこれまで以上に高めている。今季はまだ1軍登録はないが、昇格への思いを隠すことはない。津森が感じているのは、揺るぎない自信だ。
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続きの内容は
・「なぜ呼ばれない?」と言い切る、津森が抱く確かな自信
・回跨ぎの意識を再点火させる、津森流の意外な「スイッチ」
・1軍の後輩右腕から届いた、昇格を促す「愛ある激励」
「逆に『なんで呼ばんの?』と思えるほど状態はいいんです」
2軍で過ごす時間は、右腕にとって有意義な期間になっている。「1軍だったら、じっくり練習したいと思ってもできない時がある。今は『こうしよう』と考えて投げたり、必要なトレーニングもできています」。置かれた現状に悲観することなく、前向きに日々を過ごしている。
食事改善の効果もマウンドで実感している最中だ。「今までは好きなものを食べていたんですけど、麺とか揚げ物をやめました」。パンや麺類も控え、自ら設定する“チートデー”に少し食べる程度。「グルテンフリー的な感じです」という節制がコンディション向上につながり、体を軽くした。
スイッチを入れる香水
回跨ぎに対しても意欲的だ。「自分が2イニングをピシャッと抑えられたら使いやすくなるだろうし、1軍としても助かるはず」。自身の役割を広げることが、1軍昇格への近道だと理解している。
一方で、複数イニング独特の難しさも痛感している。「気持ちの維持が難しい。1イニングで出し切った後に、1度落ち着いてしまうので。そこからもう1回上げるのは簡単なことではないです」。試行錯誤の日々で見つけたのは新たなルーティンだった。
「いつもブルペンに行く時に香水を振るんですけど、2イニング目に入る前にも、もう1回振るようにしました。絶対にしないといけないわけじゃないけど、自分の中での『スイッチ』。その後にプライオボールを強く投げて、気持ちを入れ直しています」
後輩右腕からのはっぱ…「早くしてよ」
1軍の試合も欠かさずにチェックしている。藤井皓哉投手や杉山一樹投手が離脱している中継ぎ陣。自分を必要とする場面が必ず来る――。「その時にバシッといきたい。『やっぱり津森やな』と思ってもらえるように」。見据えるマウンドへ、闘志をにじませた。
16日に好投した大津亮介投手に祝福の連絡を入れた際には、「ツモさんも早くしてよ。待ってるよ」と発破をかけられた。昇格を告げられるまで、やるべきことをやり抜く覚悟は揺るがない。「呼ばれた時に一番良いパフォーマンスができるようにします。1軍に上がるまで待っていてください」。その言葉には、確かな自信がみなぎっていた。
(飯田航平 / Kohei Iida)