上茶谷大河は“日曜日の救世主” 倉野コーチの笑みが物語る価値…「本当に大変な役割」

上茶谷大河(中央)を迎える小久保裕紀監督【写真:栗木一考】
上茶谷大河(中央)を迎える小久保裕紀監督【写真:栗木一考】

2週連続でブルペン陣を救う投球を披露

 決して派手な活躍ではない。それでも、この男が“日曜日”に笑顔をもたらしてくれていることは間違いない。2週連続でチームに勝利をもたらす働きを見せているのが、リリーフの一角として腕を振る上茶谷大河投手だ。「縁の下の力持ち」として、首脳陣の評価も急上昇している。

 開幕3カード連続の勝ち越しを決めた5日のロッテ戦(ZOZOマリン)。先発として6回2失点とゲームを作ったカーター・スチュワート・ジュニア投手からバトンを受け、背番号64がマウンドに上がった。2点リードの7回を無失点に抑えると、続く8回も続投。藤原にソロを浴びたものの、しっかりとリードを守り切って松本裕樹投手に繋いだ。

 この日と同じ3人のリレーで白星をつかみ取った3月29日の日本ハム戦(みずほPayPayドーム)でも、上茶谷は3イニングを投げ抜いた。今春キャンプは先発調整を続けながら、シーズン開幕後はリリーフに回っている右腕。「本当に大変な役割をこなしてくれている」。柔らかな表情で信頼を口にしたのが、倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)だった。

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続きの内容は

倉野コーチが明かす「セットアッパー2人分」の真意
スチュワートも寄せる信頼「ずっと3人で投げられたら」
小久保監督が「一番の貢献」と絶賛した舞台裏

「2点差の7、8回を1人で投げるのって、本当に大変なんですよ。要はセットアッパー2人分の働きをしてくれているので。リードを守ってくれたという点で、今日の上茶谷の働きはすごく大きかったですね。本当にこちらの期待に応えてくれました」

スチュワートも信頼「ずっと3人で投げられたら」

 普段は表情を崩さない倉野コーチだが、上茶谷の話題になると少し笑みを浮かべた。4日のロッテ戦では、いわゆる「勝ちパターン」の木村光投手、ダーウィンゾン・ヘルナンデス投手、そして守護神の杉山一樹投手をつぎ込んでいた。「今日は休ませたいピッチャーが何人かいたので、助かりました」。倉野コーチの言葉通り、上茶谷の2イニングはチームを救う投球だった。

 右腕への感謝を口にしたのは、開幕2連勝を飾ったスチュワートも同じだった。「日曜日がこのプランであるならば、これからずっと日曜日は3人で投げられたらいいなと思うよ」。茶目っ気を交えつつも、リードを懸命に守ってくれた上茶谷への確かな信頼を感じさせた。

 1週間前の日本ハムとの試合後、小久保監督も「きょうは何といってもかみちゃ。きょうのピッチャーの中では一番の貢献だと思います」と右腕の存在を絶賛していた。首脳陣の中で“困ったときの上茶谷”という切り札が生まれつつある。

 移籍1年目の昨季は春季キャンプ中に右ひじを手術した影響もあり、8試合の登板にとどまった。元来の明るいキャラクターは健在ながら、今季にかける思いは誰よりも強い。開幕3カードを7勝2敗と好スタートを切ったホークス。背番号64がブルペン陣を力強く支えている。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)