待ちに待った“開幕”「もうウズウズしていた」
庄子雄大内野手にとっての2026年シーズンがようやく“開幕”した。「もうウズウズしていたくらいなので。まずは出場できて一安心というか、よかったです」。31日に楽天モバイル最強パークで行われた楽天戦後、23歳は胸をなでおろした。だが、“ある場面”に話題が向くと、その表情は少し陰りの色を帯びた。「首脳陣の中での優先順位は感じましたね」――。
開幕4戦目となった31日の試合、庄子の出番は1点リードの9回に訪れた。1死無走者で四球を選んだ柳田悠岐外野手の代走として今季初出場を果たすと、2死後に栗原陵矢内野手の中越え二塁打で悠々ホームイン。貴重な追加点を刻んだ。
2年目の今シーズン、プロ初の開幕1軍切符をつかみ取った庄子に期待されるのは、ここぞの場面での代走と試合終盤の守備固めの役割だ。本人も十分に自覚しているからこそ、悔しさをにじませたシーンがあった。
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大西コーチが明かす、川瀬の代走起用の真意
庄子が目指す「1番手」の先に描く未来とは
8回に見せた首脳陣の戦略…守備優先の布陣
「やっぱり優先順位は感じましたね。僕よりも先に(川瀬)晃さんなんです。(小久保裕紀)監督、首脳陣の中での序列があるんじゃないかな、というのは感じているので」
庄子が振り返ったのは2-1で迎えた8回の場面だった。先頭打者で四球を選び、出塁した山川穂高内野手。その代走として名前をコールされたのは、川瀬晃内野手だった。松本裕樹投手、杉山一樹投手が控えるホークスの救援陣を考えれば、この場面での1点は勝利をぐっと引き寄せる得点となる。一方で、仮に追いつかれて延長戦に突入するケースを考えれば、“切り札”は取っておきたいという考えもあっておかしくない場面だった。
大西コーチが明かした川瀬起用「守備を第一に考えて」
それでも、庄子は自身の名前が呼ばれなかったことへの悔しさをにじませた。
「ああいう場面を任せられるようにならないと。代走や守備固めの“1番手”になることが一番大事なので。いきなりスタメンで出続けるのは、このチームではかなり難しいことなので。やっぱり途中出場する選手の中で一番にならないと、なかなか……。『じゃあ、次はスタメンで使ってみよう』とはならないと思うので。まずはそこからのスタートなのかなと思います」
あの場面で川瀬を“ファーストチョイス”した理由を明かしたのは大西崇之外野守備走塁兼作戦コーチだった。「8回に川瀬を選んだのは代走の序列ではないですよ」。そう前置きしたうえで、こう続けた。「あそこはその先の守備を考えた采配だと思います。川瀬をショートに入れて、(野村)勇をサード、栗原をファーストに回す。ショートの守備ということを第一に考えた(川瀬の)代走起用だったと思います」。
今季初となる屋外球場での試合ということもあり、より守備の安定感がある川瀬が起用された形だ。庄子が目指す代走と守備固めの「1番手」への道は平坦なものではない。チームにとって欠かせない存在となるために――。庄子雄大の2026年シーズンは始まったばかりだ。
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)