「投げるのが怖い」から1か月…大野稼頭央を強くした叱咤「引きずったらぶっ飛ばす」

  • 記者:竹村岳
    2026.03.25
  • 1軍
阪神戦で先発し無失点ピッチングを見せた大野稼頭央【写真:森大樹】
阪神戦で先発し無失点ピッチングを見せた大野稼頭央【写真:森大樹】

2月28日のB組練習試合で浴びたグランドスラム

 グラウンドに舞った白い粉塵が、自身への不甲斐なさを物語っていた。満塁弾を浴び、ロジンを叩きつけたあの日――。大野稼頭央投手は絞り出すような声でこう漏らした。「投げるのが怖いです。今が一番底だと思います」。あの悲痛な思いから1か月が経ち、左腕はタマスタ筑後のマウンドに立っている。指先から放たれたボールには、迷いが一切感じられなかった。絶望を味わった後、どのようにして“恐怖”を振り払ったのか。

 21日に行われたファーム・リーグの阪神戦(タマスタ筑後)。左腕にとっては今季初の公式戦だ。小気味いいテンポでアウトを積み重ね、6回2/3を投げて無失点の快投を演じた。「前までは全部完璧にしようとしすぎていて、それが逆にもたついたり空回りしたりするところがあったんです。今は自分の武器を最大限に活かす。それだけに集中してやっているのが良いのかなと思います」。充実感に満ちた顔つきは、心から野球を楽しんでいる証だった。

 春季キャンプ中、大野は絶望の底にいた。紅白戦では2戦連続で失点を喫し、2月28日に行われたB組の練習試合では満塁弾を浴びた。2回4失点という結果以上に、痛感させられたのは自分の弱さ。マウンドにロジンを叩きつけ、胸に残ったのは「投げたくない」という感情だった。目を赤くし、悔しさを刻み込んだ登板から1か月――。左腕の現在地に深く迫った。

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この先で分かる3つのこと

「投げるのが怖い」大野稼頭央が語る“1か月後”
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集合で笑顔を見せる大野稼頭央【写真:竹村岳】
集合で笑顔を見せる大野稼頭央【写真:竹村岳】

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(竹村岳 / Gaku Takemura)