無失点継続中、木村光の“最新評価”
巡ってきたチャンスを掴み取ろうとしている。「中継ぎをしている以上、やっぱり良いところで投げたい。抑えることで、それがチームのためにも自分のためにもなると思うので。今はとにかくいい評価をしてもらえるようにゼロで抑えたいです」。4年目を迎えた木村光投手が、強い覚悟を口にした。
昨季までセットアッパーを務めていた藤井皓哉投手が右肘のトミー・ジョン手術を受け、今季絶望となった。ブルペンを襲った危機。その穴を埋めるべく、結果を残して“7回の男”に最も近い位置まで登ってきたのが木村光だ。
20日の広島戦(みずほPayPayドーム)でも1点リードの7回に登板し、1イニングを無安打1四球無失点に封じた。オープン戦はここまで6試合に登板し、防御率0.00の安定感。しかし、スコアボードにゼロを並べ続ける右腕へ首脳陣があえて口にしたのは、意外にも「今が正念場」という厳しい言葉だった。
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続きの内容は
若田部コーチが指摘した、無失点でも「正念場」と語る理由
本人が明かした、絶不調の球種をカバーする「マウンドでの工夫」
「7回の男」候補への本音と、木村光が課した“ノルマ”
「ここ2試合は、去年の(状態の)良くない時の雰囲気というか。キャンプからずっと調子が良くて、落ちずにここまで来ているので。不調に陥ってしまったら……という不安はある。今が踏ん張りどころ、正念場だと思います」
こう評したのは、若田部健一投手コーチ(ブルペン)だ。「四球を出すのは良いんだけど、出し方が良くない」。具体的に指摘したのは、2死走者なしから4球連続ボールで与えた四球だ。さらにこの日は、安打こそ許さなかったものの、先頭打者に投じた内角高めのツーシームを左翼フェンス際まで運ばれる場面もあった。
「1点差でしたし、4球連続ボールであの四球は良くなかった」と木村光自身も振り返る。「信頼を勝ち取らないといけない立場。あそこで(四球を)出しているようじゃ『あかん』と思いました」と悔しさをにじませた。オープン戦序盤と比較して、全体的に調子が下降気味であることは、自身が一番自覚していた。
「最近、ツーシームがあまり良くなくて。でも4球種ある中で、その日の良い球、悪い球は絶対あって、きょうは真っすぐとフォークが良かった。『きょうは真っすぐを多めにする』といった工夫をすれば抑えられる、というのは持っているので。そこを上手く調整しながら(無失点を)続けていきたいです」
シーズンが始まってもコンディションは常に変化する。「完璧に抑えられる日はそれでいいんです。でも、ずっと良いわけじゃない。調子が悪くなってきた時に、完璧を求めすぎたら(もっと調子が)悪くなることもある」と、今はその日の状態によって、“目標設定”を切り替えながら登板することができているという。
7回の男へ「名前が挙がることはやっぱり嬉しい」
昨季から結果でのアピールは着実に続けている。昨シーズンの最終盤、9月5日の楽天戦(みずほPayPayドーム)から8試合連続無失点でシーズンを終え、対外試合では現在14試合連続で無失点を継続中だ。
「7回の場所が空いて、『誰が行くんだ』となった時に自分の名前が挙がっていることはもちろん嬉しいです。でも(ロベルト・)オスナや(ダーウィンゾン・)ヘルナンデス、他にも良いピッチャーがたくさんいる中で、その中で選ばれるにはいい結果を残し続けるしかないです」
輪郭がくっきりとしてきた勝ちパターンの構図。目の前のチャンスはもう逃さない。「1試合1試合きちんと投げて、無失点が続けられたら信頼も得られると思う。今年はゼロにこだわって投げていきたい」。4年目で初めての開幕1軍へ、そして本当のブレイクへ。木村光がいま、正念場を乗り越えようとしている。
(森大樹 / Daiki Mori)