昨年中に告げられた“内定”…大関友久が明かす本心「偉いとか偉くないとかじゃない」

「あまり偉そうな言い方はしたくないんですけど」

 選手の本音に迫る2026年の新連載「鷹フルnote」。今回は大関友久投手の登場です。昨年の日本シリーズ後に伝えられていた今季の開幕ローテ“内定”。その受け止めは極めて冷静でした。「あまり偉そうな言い方はしたくないんですけど」……。左腕らしい前置きをしたうえで、語ったのは先発投手陣の柱としての“強い自覚”でした。

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 2月1日から1か月にわたって過ごした宮崎春季キャンプ。大関に話を聞こうとするたびに、“ある断り”を入れられた。「ちょっとうがいをしてきていいですか?」。そのやり取りは、ほぼ例外なく続いた。

「手洗い、うがいは大事にしていますね。単純に自分が体調不良で休むのが惜しいというか……。野球選手として仕事をしたいですし、体調を崩したくないので。できる限りのことはしようと思っています」

 徹底した自己管理から透けて見えたのは、ローテ投手としての決意だった。歓喜に沸いた昨年11月の日本シリーズ。オフを迎えるやいなや、大関は倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)と膝をつき合わせた。告げられたのは、2026年シーズンの開幕ローテ入りだった。

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続きの内容は

「開幕ローテ」は通過点…左腕が見据える10年、20年先とは
開幕内定に一喜一憂しない冷静な本心と“本当の目標”
大関が語る「偉いとか偉くないじゃない」の真意

「日本シリーズが終わった後、2026年に向けたミーティングがあった時にお話をいただきました。『順調にいけば開幕からローテーションに入るから』という感じだったと思います」

 年が明ける前の段階で告げられたローテ内定の知らせ。大関は表情を変えることなく返事をした。「わかりました。しっかり投げます」――。その落ち着きぶりに、左腕の思いが表れていた。

大関が語る“先”…「もっと言えば10年、20年と」

「そこで一喜一憂しても、という気持ちでしたね。開幕ローテーションに入ることが野球選手としてのゴールではないので。もしそこに入ったとしても、最初の2試合でダメだったら変わる可能性だって全然あるわけですよね。人によって価値観はもちろん違いますけど、僕にとって大事なのは1年間投げ続けられること。もっと言えば10年、20年と……。だからこそ、開幕ローテに入ることに固執しすぎないようにはしています」

 これまでに聞いたことがないほどの強い口調だった。メディアにとって開幕ローテ入りは1つの節目だ。しかし、大関自身の捉え方は全く別物だった。

「そこを任せてもらったのは、首脳陣からの『1年間投げてほしい』というメッセージだと思います。もちろんスタートダッシュはチームにとっても個人にとっても大事なことなので。そこに合わせるという意味ではすごく重要だと思います。ただ、開幕ローテに入ったかどうかで、チームの中で偉いとか偉くないとかは一切ないじゃないですか。どれだけチームに貢献できるかだけなので。それはどの選手も思っていることだと思います」

 自らが任された“役目”を決して軽んじているわけではない。「ファンの方がそこに喜んでくださったりとか、そういう面では価値のあることだと思います。全く感情がないわけではないです」と大関もうなずく。一方で自身にベクトルを向けると、その表情は真剣さを増した。

「これだけ毎年のように開幕ローテに入れてもらって、『今年も入れてやったー!』というスタンスでやっていたら成長はできないと思うので。今の立場なら。その先に目線が行くのが自然だと思うし、そういうつもりでやっています」

 最後に「偉そうに聞こえたならすみません」と付け加えるあたりが大関友久らしい。それでも昨季は最高勝率のタイトルを獲得するなど、もはや先発陣の柱と呼ぶにふさわしい存在となったことは間違いない。左腕の言葉1つ1つに感じたたくましさは本物だ。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)