高橋隆慶の冷静過ぎる自己分析「個人的な目標じゃなく…」 初の“聖地”で語った思い

甲子園のグラウンドで守備練習する高橋隆慶【写真:栗木一考】
甲子園のグラウンドで守備練習する高橋隆慶【写真:栗木一考】

高校時代はボールボーイ…「やっぱり景色がいい」

 れっきとした「選手」として、初めて“聖地”のグラウンドに足を踏み入れた。「なんかやっぱり景色がいいですね。野球人として1つの目標である甲子園に立てたのは、ちょっと嬉しいなと思います」。そう言って頬を緩めたのは、ドラフト5位ルーキーの高橋隆慶だった。

 ホークスは6、7日にかけて甲子園で阪神とのオープン戦に臨んだ。高橋は茨城・明秀日立高で2年生時に春の選抜大会に出場したが、自身はベンチ入りすることができなかった。与えられた役目はボールボーイだった。

「(3回戦で)大阪桐蔭に負けたんですけど、(ロッテの)藤原(恭大)さんが左中間にスリーベースを打ったんです。打球の軌道が目の前で見えて、『うわー!』ってなったのは覚えています」。24歳はまるで最近の出来事のように振り返った。

 その後は甲子園に出場することができずに、月日は流れた。大学、社会人を経て、ホークスに入団。春季キャンプはB組スタートだったものの、第2クールからA組に合流し、今や開幕1軍も視野に入るほどの状況だ。それでも高橋は浮かれることなく、冷静に自己分析した。「個人的な開幕1軍という目標もそうですけど」――。

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続きの内容は

高橋が語る「チームを勝たせる」ピースとは
24歳のルーキーが胸に秘めた「覚悟」の中身
サヨナラ弾デビューも…口にする「慢心なき言葉」

「チームが開幕に向けてやっているので。個人的な『開幕1軍』という目標もそうですけど、チームが勝つために自分がどこのピースにはまるかというのも大事だと思っているんで。それは社会人の時もそうでしたけど、俯瞰的に見てどの部分で勝ちに貢献できるかというのは常に考えていますね」

自主トレ期間中は「悠長に過ごすわけにはいかない」

 1月の新人合同自主トレ期間中には「1年目とはいっても24歳なので。悠長に過ごすわけにはいかないです」と覚悟を口にしていた高橋。個人事業主の側面もあるプロ野球選手として、自らのことを一番に考えるのは当然だ。それでも、頭にあるのは“チーム第一”の精神だ。

「チームを見て、何をアピールしていけばいいかというのも変わってくるので。そこも意識しながら、なんとか自分の良さを出して1軍に残れるようにと思ってやってます」

 3月3日にみずほPayPayドームで行われたヤクルトとのオープン戦では、“本拠地デビュー”でサヨナラ2ランを放つド派手な活躍を見せた。それでも本人に慢心はない。「やっぱりあの1本でレギュラーになれるチームではないので。チームの層も厚いですし、スタメンで出ていない選手も結果を残しているので。そこは勝負だと思うので。落ち着くことなく、常に挑戦者として過ごしていきたいなと思います」

 高校時代には届かなかった甲子園でのプレーについても「PayPayドームでの3連戦(3~5日)の時に、『次は甲子園か』と思うことはありましたけど。自分は1軍が確約されているわけではないし、1試合1試合が勝負なので。そこまで先を見てやるというのは、あまり意識はしてないですね」と緊張感が途絶えることはない。

 胸に宿した闘志と、冷静にチームを俯瞰できる目――。2つの武器を共存させる24歳は、「3・27」に向け全力で走り続ける。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)