S組の嶺井博希がなぜB組に? 実は“確定事項”だった移転…首脳陣が明かした「本当の狙い」

B組で調整を続けている嶺井博希【写真:長濱幸治】
B組で調整を続けている嶺井博希【写真:長濱幸治】

育成選手とともに練習…第4クール初日からB組へ

 早くも折り返しを迎えた宮崎春季キャンプ。第4クール2日目の15日、背番号3桁の若手選手らとともに体を動かしていたのは、今季13年目を迎えた34歳の嶺井博希捕手だった。今キャンプはS組として調整を一任されている中で、その姿はB組の輪の中にあった。

 キャンプ前半は筑後のファーム施設で汗を流し、第3クール初日の10日から宮崎に合流した嶺井。同クールはブルペンでA組投手陣のボールを受けるなど、独自調整を続けてきた。“変化”が起きたのは、S組の合流期日に定められていた第4クール初日の14日だった。嶺井の名前はB組の練習メニューに加わっていた。

 昨季はホークスの捕手陣で2番目に多い38試合に先発出場するなど、確かな存在感を示した34歳は、なぜB組に合流したのか。首脳陣への取材で明らかになった“確定事項”とは――。嶺井の現状に迫った。

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「予定通りB組」は首脳陣との“信頼”の証
嶺井の存在があるからこそ…捕手陣の「サバイバル」
朝5時半起き…34歳の嶺井が示す「手本」とは

「第4クールからB組(に合流)というのは予定通りですね。(嶺井の)実力は当然分かっているし、今はA組で若い選手を試したいという考えです。そこはしっかりと(小久保裕紀)監督とも話をして決めました。彼なら(調整を)任せられるし、A組のキャッチャーに何かがあったらすぐに呼べる。それは信頼があるからこそですね」

A組の海野、谷川原、渡邉に期待することは

 そう語ったのは村松有人野手チーフコーチだ。小久保監督から「ヘッドコーチ同等」と厚い信頼を寄せられている同コーチが口にしたのは、嶺井に対するリアルな評価だった。現在A組に入っている捕手陣は海野隆司捕手、谷川原健太捕手、渡邉陸捕手の3人。年齢的にも近い立場だからこそ、春季キャンプ中は熾烈な“サバイバル”を期待しているという。

 さらに14日は育成2年目の大友宗捕手が、15日には若干20歳の藤田悠太郎捕手がA組の紅白戦に参加した。まだ経験の浅い選手にとって、A組で過ごす時間はかけがえのない財産となる。嶺井の存在があるからこそ、思い切った育成が可能になっている。

“B組・嶺井”のメリットはほかにもある。「じっくり調整してもらいたいというのはもちろんですけど、彼自身がよく練習もしますし、若い選手にもそういう部分を見てほしいという面もありますね」と村松コーチは語る。

 嶺井自身、宮崎春季キャンプに合流してからは午前5時半に起床しているという。「なぜB組なのかは首脳陣に聞いてください」と冗談を飛ばしたうえで、「どこにいてもやることは同じなので。とにかく集中して調整していければいいと思います」と力強く言い切った。

「やっぱり準備の部分。朝早くからしっかりと調整している姿は、捕手だけじゃなくて全ての若手にとっての手本になる。嶺井がB組にいてくれることの最大のメリットですね」と高谷裕亮2軍バッテリーコーチも語る。今や嶺井がホークスになくてはならない存在となったことが証明されたB組移転だった。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)