自らに問う「なぜ投げるのか」 東浜巨が見つけた信念…68日のFA期間で振り返った“13年間”

  • 記者:福谷佑介
    2026.02.12
  • 1軍
東浜巨【写真:栗木一考】
東浜巨【写真:栗木一考】

心中激白「未練は一切ないですし、宣言したことに対しての後悔もない」

「未練は一切ないですし、宣言したことに対しての後悔もないです。そのおかげで見られるものもあったので、そういった意味ではいい時間だったと思っています」

 2月の宮崎市・生目の杜運動公園。温かな陽光が降り注ぐ中で東浜巨投手は静かに、しかし熱のこもった口調で語り始めた。国内フリーエージェント(FA)権を行使した末の残留。プロ野球選手としての矜持を胸に新たな一歩を踏み出した35歳が、14度目となる春季キャンプの地でその心中を明かした。

 第3クール2日目となったこの日、ブルペンで最も精力的に腕を振っていたのが、チームの投手最年長となる右腕だった。1球1球、指先の感触を確かめるように低めへ集め、小気味良いミット音を響かせる。その姿からは、ベテラン特有の調整というよりも、若手のような貪欲さが滲んでいた。

「ブルペンは4回目ですけど、しっかり球数自体は投げられている。僕はボールを投げて作っていくタイプですし、いまはちょうどこうやって投げ続けて、疲労が出てきているところなので。あんまり無理はし過ぎず、内容にも一喜一憂せず、やれることをしっかりやろうと思ってやっています」

 昨オフ、東浜は大きな決断を下した。FA権の行使である。他球団からの条件提示も含め、あらゆる選択肢を視野に入れて人生の岐路に立った。行使表明から68日が経過した1月中旬、最終的にホークス残留を決断。プロ14年目のシーズンも、慣れ親しんだ宮崎で始動することとなった。

 移籍か、残留か。人生の岐路に立たされた孤独な時間の果てに、右腕が見つけた「答え」は、単なるチームへの愛着だけでは語り尽くせないものだった。

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この先で分かる3つのこと

悩み抜いた2か月間で見つめ直したプロ野球人生の「原点」とは
「まだ老ける年じゃない」35歳右腕が新たに見出した「楽しみ」
引退した和田毅氏の背中を見て確信した己の「可能性」

「これまでを振り返る意味でも、足元を見つめ直す意味でもいい時間」

◼「『またこのユニホームを着られて嬉しいです』という声を…」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)