柳町達が忘れぬ“3・23”「また2軍か」 立ちはだかる“鬼門”…7年目で芽生えた主力の責任

柳町達【写真:竹村岳】
柳町達【写真:竹村岳】

柳町が語る開幕1軍への覚悟

「なんか僕にとっては鬼門のような気がします」。2025年シーズンは自身初のタイトルを獲得するなど、柳町達外野手にとって飛躍を遂げた1年となった。一方で新しい年を迎えた今、その視線は2年連続で悔しさを味わった“開幕”に向けられていた。

 6年目の昨季は131試合に出場し、自身初の規定打席に到達。打率.292、出塁率.384をマークし、最高出塁率を獲得した。ただ、シーズン前のオープン戦では打率.216、0本塁打、3打点と低迷。開幕をファームで迎え、1軍での出番を待つ日々を送った。

 実は柳町自身、これまでプロ6年間で開幕1軍入りを果たしたのは2023年の1度だけ。そのシーズンも、開幕翌日の4月1日にチーム事情で出場選手登録を抹消された。昨年は離脱者が続出したチーム状況もあって、レギュラーを勝ち取った28歳。改めて念願の開幕1軍への思いを聞くと、これまでとは異なる覚悟があった――。

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続きの内容は

小久保監督が柳町に告げた「非情な一言」の全貌
指揮官が語る「外せない選手」から進化した男の現在地
柳町が取り組む「一塁練習」の裏にある本音の打撃論

「毎回あそこ(オープン戦)で2軍行きを伝えられるので……。でも今年は改めてレギュラーとして出なきゃいけないという責任もあると思う。そういう意味でも必ず開幕から1軍にいなきゃいけないなと思います」

指揮官から「結果が出ていなかったので落とす」

 昨年は開幕直前の3月23日、広島戦(マツダスタジアム)とのオープン戦後に小久保裕紀監督から「結果が出ていなかったので落とす」と2軍降格を告げられた。その後はファームで結果を残し続け、4月1日に昇格を果たしたものの、今でもその瞬間は強く記憶に残っている。

「レギュラーを掴みたいと思って始まったシーズンで、やっぱり開幕1軍は取れなくて。『また2軍か……』って思いながらも切り替えました。その時は全然ダメな成績だったので納得もしつつ、もちろん悔しいという気持ちはありました」

 それでも熾烈な外野手争いを勝ち抜き、指揮官から「外せない選手から、チームを牽引する選手になった」と全幅の信頼を寄せられる存在へと成長した。「だからこそ強い思いを持って、出た試合でしっかり結果を出していきたいです」。2026年シーズンは中心選手としての“責任”も背負う1年になる。

 更なる進化が期待される中、オプションとして一塁の練習にも取り組む。ただ柳町は「バッティングで活躍しないと、どこを守ろうが出られないと思う」ときっぱり口にした。目標に掲げるのは、打率3割、10本塁打。オフの期間はジムに通い、“パワーアップ”をテーマに筋力強化に取り組んできた。

 2月1日にキャンプインを迎え、3月27日の日本ハムとの開幕戦(みずほPayPayドーム)へと準備を進めていく。「オープン戦でいい結果が出た試しはないんですけど、開幕から頑張っていきたいです」。“鬼門”突破へ――。チームの主力に成長した男の思いがにじんでいた。

(森大樹 / Daiki Mori)