「育つ時間待ってくれない」 近藤健介が移籍で実感した生え抜きの苦しさ…期待する若手3人

鹿児島県徳之島で自主トレを行う近藤健介【写真:長濱幸治】
鹿児島県徳之島で自主トレを行う近藤健介【写真:長濱幸治】

プロ4年目、22歳でレギュラー獲得「やっぱり運」

 鷹フルは2026年も近藤健介外野手の素顔に迫る企画をお届けします! 全4回にわたってお送りする単独インタビュー、第2回のテーマは「ホークスの若手に抱くリアルな思い」についてです。“天才打者”が期待枠として名前を挙げた3人とは? 「声を大にしては言えないですけど……」と明かした本音にも迫ります。

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 プロ4年目の2015年、近藤は日本ハムで129試合に出場して打率326、8本塁打、60打点の堂々たる成績を残し、レギュラーの座をつかみ取った。当時、弱冠22歳。当時の栗山英樹監督が「こっちが声をかけるのをためらうくらい集中していた。怖いくらいだった」と証言するほど、圧倒的なオーラを出していたのが近藤健介だった。

 そんな男に「若くして定位置をつかむための絶対条件」を聞くと、少し間を置いて答えた。「やっぱり運じゃないですか。僕が入団した年(2012年)に栗山さんが監督になったんですけど、それが一番の運じゃないですか。本当に我慢して(レギュラーを)取らせてもらったと言っても過言じゃないと思うので。それもひっくるめて、運じゃないですかね」。

 時を経て、現在のホークスは“世代交代”の必要性が叫ばれ続けている。「もし今のチームに近藤健介が入団したら――」。そんな問いに対し、近藤は笑みを浮かべながら言葉を発した。「声を大にしては言えないですけど、移籍してくるチームだなと思います」。

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続きの内容は

柳町・野村を「すごい」と評した“決定的な理由”
近藤が「能力が高い」と称賛した若鷹3人の名前とは?
若手がレギュラーを掴むため近藤が語る「運」と「準備」の真意

「ホークスの生え抜きは難しいですね。ギーさん(柳田悠岐)、(中村)晃さん、(今宮)健太さん、マキさん(牧原大成)、甲斐(拓也)さんもそうですけど、このチームの生え抜きでレギュラーになるっていうすごさ。本当に尊敬しますね」

“目指せ世界一”を掲げるホークスにとって、毎年の補強は当たり前となっている。近藤もまさに、その例だ。「そんな環境の中での9人、レギュラーになるっていうのは本当に大変だと思います。若い子からしたら『また補強か』と絶対になると思うので。僕は入ってきた立場なので何とも言えないですけど、常にそれが付きまとう球団であることは間違いないですよね」。

鹿児島県徳之島で自主トレを行う近藤健介【写真:長濱幸治】
鹿児島県徳之島で自主トレを行う近藤健介【写真:長濱幸治】

近藤が称賛「達や勇ちゃんはすごい」

 生きのいい若手が出てこない――。そんな声も上がるが、近藤は首を横に振る。「補強と育成の両立って言っているじゃないですか。本当にそうなんだなと。常に優勝が宿命づけられているし、球団としては『育つ時間は待てないよ。試合に出たら活躍してね』というスタンスだと思うので。だから(柳町)達や(野村)勇ちゃんは、やっぱりすごいですよね。僕やギーさんが離脱して、生まれた隙で結果を残した。海ちゃん(海野隆司)も甲斐さんがいなくなって、しっかり活躍したので」。

 12球団で最も厳しい環境といえるホークスだが、“希望の芽”は確かに存在する。近藤が挙げたのは3人の若手の名前だった。

「去年は怪我をして2軍にもいったので、いろいろ見ましたけど。やっぱり能力が高い人はいますよね。(笹川)吉康とかは当然見てわかりますけど、宇野(真仁朗)君とか面白いですね。石見(颯真)も。ただ、この大所帯でレギュラーを取らないといけないので。ホークスだと『(練習を)やんないやつはもういいよ』って。ある程度、自発的にやらないと難しいとは思います」

 ポテンシャルがあっても、すぐさまレギュラーとはいかないのがプロ野球だ。だからこそ“運”が必要となる。「その時のチーム状況と、一瞬の隙に入り込むタイミング。席が空くか空かないかはマジで運だと思うので。でも、常に狙っておく意識と準備は最低条件でしょうね」。

 次々とやってくるライバルとの戦いを制し、初めて得られるレギュラーの座。若手にとって高いハードルであることは間違いない。それでも、勝ち抜いてきた男たちは確かにいる。近藤健介という壁を乗り越えられる若鷹は出てくるのか――。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)