ミス絡むピンチも「よく切り抜けてくれた」 小久保監督が名指しで称賛した“ヒーロー”

小久保裕紀監督【写真:栗木一考】
小久保裕紀監督【写真:栗木一考】

徹底した独自取材、データ分析
選手の本音や核心に迫る「鷹フル」

味方の2失策も…光った投手陣の粘投

 ソフトバンクは28日、阪神との日本シリーズ第3戦(甲子園)に2-1で勝利した。先発のリバン・モイネロ投手は6回4安打1失点と好投。その後は藤井皓哉投手、松本裕樹投手、杉山一樹投手とつなぎ、1点のリードを守り切った。打線は4回に山川穂高内野手が2試合連発となる同点ソロを放つと、6回には柳町達外野手の適時三塁打で勝ち越しに成功した。この日に取材対応した小久保裕紀監督の主なコメントは以下のとおり。

●試合前

――ワールドシリーズもすごい試合。ドジャース・フリーマン選手が延長18回裏にサヨナラ弾。
「え!? フリーマンか。(山本由伸投手が肩を作り始めた)そこまでは見ていたけど。フリーマンか」

――日程が被っている。日本シリーズも盛り上げられるようにと話していた。
「当然その思いはありますよ」

――甲子園での3連戦。場所が変われば気持ちも変わる。
「野球が変わりますよね。ピッチャーが打席に立つし、DHがあるのとないのとでは違う。もちろん考えることも増えるので」

――近藤健介選手は代打待機?
「代打です。守らせることはできないので。特にセ・リーグの球場では、下位打線で点が入りにくい。上位で点を取らないと。向こうもそれは思っていると思うけど」

――遊撃のスタメンで出る選手が鍵を握る印象。
「きょうは今宮でいきます」

――守備面を考えて。
「人工芝とは違いますからね。あとは、声が届かないと思う。内野と外野、外野と外野。ジェスチャーでいけるところはあると思うけど、最後の最後の一声ですよね。そこが大事になってくる。普段の声では届かないと思います」

――監督も、シーズン終盤からファンの歓声に言及されてきた。
「CSとか、日本シリーズもね。より伝わってきていますよ。ファンの期待もシーズン中とはまた違うんやなと」

――交流戦を優勝した時のインタビューでは、ここに戻って来られるようにと話していた。
「あれは優勝して、完全アウェーの球場だったから。タイガースファンに向けて言ったところもある。あの順位ではわれわれはここに戻ってこられなかったので、最大の目標を実現できてよかったです」

モイネロは「いつもと違うスタイル」

――手に汗握る展開だった。
「6回以降、ピンチの連続だったので。本当によく逃げ切ったなという感じですね」

――大事な3戦目をモイネロ投手に託した。
「きょうはストレートの出力を少し抑えながら、変化球をしっかり低めに集めながらね。いつもと違うスタイルでしたけど、それでもしっかり押さえられるのがモイネロかなと思いますね。」

――柳町選手が決勝の適時三塁打。
「よく三塁まで走ってね。欲を言えばあと1点ほしかったんですけど。本当にきょうは中継ぎ陣の粘り、それが勝因だったと思います」

――今宮選手のファインプレーも光った。
「今宮は経験のある選手なので。安心して見ていられるので。少し味方野手が足を引っ張ったところはありましたけど、藤井があそこでよく連続三振で切り抜けてくれたと思います」

――勝利の方程式の存在は。
「そのスタイルで今年は来たので。彼らでやられたらしょうがないというくらいで腹をくくっています」

――明日に向けて。
「一戦必勝でずっとやっていますので。明日も勝てるよう頑張ります」

(竹村岳 / Gaku Takemura)