日本S直前、小久保監督が語った全て モイネロの状態…野手陣も「ベストに近いオーダー」

フロントから“報告”…佐々木麟太郎について言及も
ソフトバンクは24日、みずほPayPayドームで全体練習を行った。25日から「SMBC日本シリーズ2025」が開幕。日本一をかけて阪神と対戦する。この日、取材に応じた小久保裕紀監督の一問一答は以下の通り。23日のプロ野球ドラフト会議で1位指名した米スタンフォード大の佐々木麟太郎内野手についても言及した。
●前日練習後
――ドラフト1位で佐々木選手を指名した。
「特殊な例ですね。来年の戦力にはならないと思いますけど、この先を考えて。でも、(映像も)見たことない。今回は誰の映像も見ていないので」
――フロントから佐々木選手を指名するという報告は?
「それはありました。『そうなんや』って。そんな感じでしたけど。僕が考えるところではないので」
――その他の選手については。
「2位以下を見れば即戦力かなという印象です。そういうところはフロントに聞いてもらったほうがいいです」
前日練習後
――会長は満面の笑みを浮かべていた。
「そうですか。なんか抽選になるとはちょっと予想していなかったので。初めてのドラフトだったし、当たりくじを引いたのはわかったんですけど。相手方もいるんで、あんまり大きなリアクションは取りたくないなと思っていました」
――単独でいけるんじゃないかというのが思惑としては。
「思い通りにはいかないですね。でも残りくじに福があって、彼と縁があったということ。本当に正直、彼がうちと縁がないかもしれないし、あるかもしれないんですけども。本当に彼がうちのチームで活躍するイメージを膨らます時に、すごい魅力的な選手で、あの福岡の豪快な野球に、福岡のファンの方に本当にマッチする選手じゃないかなという。うちのユニフォームを着て、みずほPayPayドームでプレーする、そのイメージがすごく湧く選手ですね」
「泣いても笑っても1週間で終わりなので」
●前日記者会見
――現在の心境は?
「月曜日まで(日本ハムと)熾烈な戦いをしていたので。その勢いのままいけそうな感じで、比較的落ち着いてはいますね」
――日本シリーズでの戦いに重要なことは?
「やっぱり勝ち切るためには我々の戦いにもっていくことが一番大事なので。今年は終盤以降に活躍した藤井(皓哉)、松本(裕樹)、杉山(一樹)っていうのがホークスの形なので。そこの形にもっていくことが一番大事だと思っています」
――勝ちパターンにつなぐために必要なことは?
「先発がしっかりとゲームを作らない限りは、なかなか有利には進めないので。阪神打線は予告先発が必要ないような打線で、右でも左でも1番から5番くらいまでは変わらないでしょうから。その強力打線に対して、先発がしっかりとゲームを作る。それが第一条件ですね」
――CSのファイナルステージ第6戦に登板したリバン・モイネロ投手を含め、投手陣の状態は?
「だいぶ疲労は抜けてきたとはモイネロも話していましたけど。あとは有原(航平)にしろ、上沢(直之)にしろ、大関(友久)にしろ、十分間隔はあいているので。心配していたのはモイネロなので」
――阪神のチーム力は?
「やっぱり打撃陣でいうとドラフト1位で指名した選手が中軸というか中堅に入って。チームの中心となって軸がしっかりしたチームという印象を持っています。投手陣は2軍監督時代に鳴尾浜でよく見ていた村上君なんて、あそこまで伸びるのかというくらいですし。彼を含め、剛速球の才木もいますし、なんといってもレギュラーシーズンでほとんど点を取られなかった石井、クローザーの岩崎を出さないということも勝つためには必要かなと思いますね」
――強力投手陣に対してのポイントは?
「本当は固定メンバーで戦う、レギュラーを決めて戦うのが理想だったんですけど。開幕早々に崩れ去って、今年はどちらかというと臨機応変、変幻自在の戦いだったので。日本シリーズでも変幻自在にいきたいなと思います」
――鍵となる選手は?
「みんなですよ、当然。それぞれの打順での役割が求められますから。怪我人も出ましたけど、恐らくベストに近いオーダーは組めそうな感じがするので。早めに点を取ってもらって、勝ちパターンにつなげていきたいです」
――本拠地で開幕する。
「昨年はビジタースタートでしたけど、今回はホームからなので。CSでもあれだけの大声援を送ってもらったファンの後押しがあるのは心強いですし。甲子園は(みずほPayPayドームと比べても)全然負けていないので。甲子園ではアウェーの大迫力をプラスにとらえてやりたいと思います」
――最後に一言。
「泣いても笑っても1週間で終わりなので。ここまできたら選手を信じ切って。本当にみんなへとへとですけど、なんとか1週間を戦い抜いてもらいたいですね」
疲労が取れてきたモイネロも「投げられる」と明言
●囲み取材
――ベストオーダーと言っていたが、近藤選手もスタメンで出られそう。
「今答えられないでしょう。明日の状態を確認してからです」
――CSから日程も空かなかった。
「去年は結構空きましたけど、そのままみたいな感じですよね」
――心境として、昨年との違いはある?
「特には(ない)。落ち着いていますよ」
――藤川球児監督の野球に対する印象は。
「NHKでの解説も聞いていましたけど、本人がいろんな経験をして、現役時代はプレーしてきた。感性が豊かですし、その辺が長けているんだと思います。2年前、名球会では同じテーブルに座ってわいわいしていたんですけど。まさか2年後にこうなるとは、夢にも思いませんでした」
――選手起用については。
「去年とは全く違うオーダーになるかなとは思います。去年は割と固定していましたけど。もちろんそうなる(固定)かもしれないですけど、ならないかなと。相手に応じて、その日の打線がどうやったら機能するのか」
――短期決戦は捕手が注目される。海野隆司捕手と嶺井博希捕手がスタメンだとは思うが、期待したいことは。
「今年の中盤、後半からは受ける回数も増えたので。上沢(直之)も海野だったし。彼中心になるとは思う。CSでの経験も踏まえてやってくれたら」
――先行逃げ切りという展開を目指したい。
「今年のホークスはそういう戦いですからね。後ろの3人(藤井、松本裕、杉山)がいるので。そこにつなぐのが理想ですし、その前に崩れたらそこで考えます」
――モイネロ投手の疲労が心配だったが、そこさえ問題なければ日本シリーズ全体のローテーションもすんなりと決められた。
「(疲労は)取れてきていますよ。投げられるのは間違いない。どこにぶつけるか、というだけだったので」
(竹村岳 / Gaku Takemura)