CS、日本Sへ明かした“展望” 倉野コーチ「去年とは違う」…松本晴の起用法にも言及

松本裕樹(左)、藤井皓哉【写真:古川剛伊】
松本裕樹(左)、藤井皓哉【写真:古川剛伊】

3日のオリックス戦に向けた投手練習に8投手が参加

 ソフトバンクは1日、みずほPayPayドームで投手練習を行った。上沢直之投手、松本晴投手、伊藤優輔投手、上茶谷大河投手、木村光投手、大江竜聖投手、津森宥紀投手、岩井俊介投手の8人が参加。練習を見守った倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)が取材に応じ、今後のCSや日本シリーズに向けての展望を明かした。主なコメントは以下の通り。

――9月30日はブルペンデーだった。倉野コーチから見てどうだった?
「いいものが見えたピッチャーもいるし、課題が見えたピッチャーもいるかなっていう感じですかね」

――CSに向けて中継ぎ陣はサバイバルと話していた。
「現状の状態を確認できたのかなというのはありますけどね。もちろん昨日(の試合)だけで何かを判断するわけではないんですけど。状態の確認はできたかなとしか言えないですね」

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続きの内容は

・松本晴投手の「ポストシーズンでの役割」
・先発陣の奮闘に隠された「指揮官の本音」
・激化する中継ぎ争いの「キーマンとなる選手」

――去年はポストシーズンで松本裕樹投手、藤井皓哉投手が離脱した。
「やっぱり去年はあの2人が抜けたのが結構大きかったですから。ここまであの2人、杉山も含めて健康でいてくれているっていうのは、去年と違うことだし。去年は杉山がこの時期も頑張ってくれたんですけど。去年とはやっぱり違いますよね」

――ある程度の余裕はある?
「余裕はないです。余裕はないです。何回か言ってますけど、全然ないです」

――中継ぎ陣にはいい意味での競争を期待している。
「そうですね。ある程度、その3人が固まっている状態で、それ以外のピッチャーの争いは結構激しくなるかなと思うので。それが投手陣全体、中継ぎ陣全体の底上げにつながると思うし。常々言うように、競争意識が高いので。それがいい方向に向いてくれればいいなと思いますけどね」

――松本晴投手は中継ぎでポストシーズンを迎える形になる?
「もちろんです。ポストシーズンはですね」

――ロングリリーフも1イニングも任せられる。
「そうですね。あとは先発がしっかりしてくれているので」

――先発は基本的に5枚。
「そうですね。今のところは」

先発陣の奮闘に「今年はもう感謝しかない」

――現状では4人の投手(有原航平投手、リバン・モイネロ投手、大関友久投手、上沢直之投手)が規定投球回をクリアしそう。
「規定(投球回)を投げるということは1シーズンフルでローテで投げたという証だと思うので。本当にすごいことだと思いますよ」

――中継ぎへの負担も減らしてくれた。
「その通りです。先発が長いイニングを投げるから、中継ぎで使う人数が減っていくわけで。シチュエーションによっては同じピッチャー(を起用すること)になりますけど、中継ぎもローテーションできるわけですよね。先発が長いイニングを投げてくれると、この好循環が生まれますよね。ただ、ポストシーズンはそんなことは関係ないので。1イニングを全力で。長いイニングを投げようとする必要はないですし」

――今季は先発にほとんどリフレッシュ期間をつくることがなかった。
「何が理想的なのかは分からないです。僕はその答えは出ていないです。ただ純粋に今シーズン、勝つために選んだ方法なので。定期的に抹消してリフレッシュさせてというのが本当は一番いいのかもしれないし。でも今年ホークスが勝つためにはその選択肢はなかった。やろうとしてもできなかったですね。だってそれだけのレベルにあるピッチャーの枚数が必要なので。スタートもあまりいい状態ではなかったので。とにかく目先の1勝の積み重ねで最後まできたので。そう考えると、やっぱり純粋にこの試合に勝つ確率の高いピッチャーを選ぶという繰り返しだったので。(状態が)いいのにリフレッシュさせるなんてことはできなかったですよね。リフレッシュして、そのピッチャーよりもレベルの落ちるピッチャーを投げさせるということができる状態にない。本当に今年は必死で最後まできた結果がこういう形になった。だから正解かは分からないです」

――4人はその期待に応えてくれた。
「素晴らしい働きだったと思いますね。今年はもう感謝しかないですよね。僕はマウンドに送ったら祈るしかできないので」

――投手陣のタイトル争い。有原投手が(最多勝を)狙うような形になる。
「そうですね。あとは杉山(一樹)のセーブですか。そこはなかなかシチュエーションが自分で作れないから。先発は0に抑えたらなんとかなりますけど。なかなか難しいとは思いますけど、最大限バックアップはしていきたいと思っています」

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)