「ウエートを一緒に頑張っているので。あのポーズができてよかったなと思います」。少し恥ずかしそうに明かした柳町。事前に打ち合わせがあったのか聞くと、「全然してないです」とキッパリ。「向こうがやってきたので、僕ももうやるしかなかったです」と“もらい事故”だったことを強調した。
柳町が本格的にシーズン中のウエートトレーニングを始めたのは今季から。これまでは夏場以降に調子を落とすことが多かったため、体調維持の目的も兼ねて取り入れた。「めちゃくちゃ飛距離が伸びたなっていうのはあまり感じないですけど、ちょっと疲れていても去年よりパワーが出せているのかなと。劇的に変わったまではないですけど、その積み重ねでちょっとでも違いを感じられたのなら、それは成長だと思うので。どんどん継続していきたいなと思います」。確かな手ごたえを感じているようだ。
これまではシュッとしたイメージの強かった柳町だが、今はユニホーム越しにもガッチリとした肉体が分かる。鏡越しに見る自身の体について「まあ、ちょっとはいい体になったかなと思います」と明かし、報道陣の笑いを誘った。
若干の照れを含みながらも笑顔で振り返った柳町と対照的に、マッスルポーズの“仕掛け人”は淡々としていた。「ウエートしているんで、パワーがついたんじゃないかと思います」。そう口にしたうえで、知られざる裏話を明かした。
「逆にやらないほうがおかしいですよ。何年もずっと『やれ』っていっているのに、アイツがやらなかったので。やったからあの結果ですよ」
ホームゲームではウエートトレーニングの時間が重なることもあるというが、ビジターでは一緒になることはないという。「コンディショニングの方にメニューを組んでもらってやっているんじゃないですか? 僕がやっているのとは全然違うので。何をやっているかは分からないですけど……」。選手会長は“ハッスル”することなく、冷静な口調のままだった。
ウエート効果もあって、柳町はキャリアハイに並ぶ4本塁打をマーク。周東もここ8試合で2本のアーチを描いている。豪快な一発と、チームを勢いづかせる「マッスルパフォーマンス」。一日も早い再現を望むばかりだ。